関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
【秋田県】の激渋銭湯
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巴湯(能代市)
松の湯(北秋田市)
(廃業)

巴湯 

能代市日吉町6−21 →地図
電話 0185-54-8610
【営業時間】12:00〜22:00
【定休日】6のつく日


 秋田県北部、能代駅から北へ10分ほど歩く。道は広いが交通量の少ない交差点にさしかかって、おもわずのけぞった。
 シャ、シャトー・・・シャトーじゃないかモリトンカツ!

 
(左)ナ、ナヌッ!  (右)衛兵のごとく入口横に自販機

 
どっちから見ても難攻不落

 王様とお后様がてっぺんから顔を出すのを待つ民衆のごとく、口をあんぐり開けて城を見上げる風呂バカ。まったくもう、こんなところにこんな風呂がなぁ。
 正面の塔の巨大な「巴」の文字は、タイルで描かれている。その下の小さな電灯も渋い。建物全体がアートであり神聖ローマ帝国である。
 かつて能代の地には蝦夷と対峙するヤマト政権の砦が築かれたというが、たぶんそれとは無関係だろう。

 背筋と膝を伸ばし、マイエーススメ、とつぶやきながら城内に侵入した。
 合板ゲタ箱がある狭い下足室を抜け、戸を開けると、新建材で改装済の脱衣所へと至る。番台には誰もいない。仕方がないのでそのまま甲冑を脱いで裸になった。
 ロッカーは、中に長方形の籐籠がそのまま入る京都式。でもなんとなく面倒で、横に積まれている丸い籐籠を使った。

 
玄関との間に能代浴場組合の目隠しあり

 浴室は正面奥に深浅の湯舟が並び、手前の両側にカラン、中央に島カランがある東京伝統型だ。
 でも島カランにはおなじみの緑色の腰掛がズラッとまたがってスタンバイ状態であり、カランとして使われているケハイはない。
 床には笹の葉みたいな柄のタイルが貼られている。

 湯舟の湯は43度以上ある。歩き疲れた足にビシッと心地よい。
 奥壁には「オゾン殺菌」の掲示と、十和田湖か田沢湖あたりの写真パネルが飾られている。
 見逃せないのは湯舟のフチ。肌色勝った大理石みたいなのがゴージャスに貼られている。これは初めて見るなあ。

 湯舟の熱い湯に浸かって見上げれば、カマボコ天井に四角い湯気抜きがあり、内装に灰色のブリキ板みたいなのが使われている。この金属板は東北の何軒かの銭湯で見た。
 男女壁の上部は摺りガラスになっている。
 それらをぼんやり眺めながら、ここまでの旅路を思う。俺は今、能代にいるんだなあ。いったい何のために・・・?

 上がって、ほがらかなお后様に風呂賃を支払った。他客は4〜5人が回転しており、城内はなかなか活気があった。 
(2007.10.10)

 
夕暮れにはブルーシャトー化する
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松の湯 《廃業》

2011年6月11日、廃業されました。
レポートは営業当時のものです。

北秋田市松葉町11−6−5
電話 0186-62-2876
【営業時間】 15:00〜20:30
【定休日】 火曜日と金曜日
【入浴料金】大人350円


 白神山地の南、奥羽本線の鷹ノ巣駅で何を思ってか下車。このあたりは合併で「北秋田市」というつまらん名前になってしまったけど、ここ鷹ノ巣はその中心地のようだ。
 駅から南へ伸びる鷹ノ巣銀座を3分ほど歩いて右に曲がる。すると「居酒屋まっちゃん」の向かいに、サイデリア壁にトタン屋根のチープな銭湯が見えた。

 
(左)向かいに居酒屋まっちゃん   (右)チープな倉庫風

 
暖簾なし

 サッシの入口を開けると、狭いながらも下足室に木のゲタ箱がある。
 靴を脱いでさらに戸を開け、2段ほど上がると、左の頑丈そうな木の番台におかみさんが座っていた。「ごんぬづわ」と挨拶して湯銭を払う。

 脱衣所も外観同様に、低い天井は新建材張り、床は古いフローリング、ロッカーも合板と、昭和中期的なお手軽改装が施されている。
 でも壁上部のしっくい塗りや、男女壁に据えられた大鏡、ホーローのエチケット広告などの年代ものもチラホラ残っている。

 
(左)がっしりした番台   (右)昔は高価なものはみな時計屋で売ってたのね

 パパッと脱いで浴室へ・・・と入った瞬間、「おおぅー!」と声が出そうになった。
 男女壁の上に電照広告だ! しかも美しく輝いてるし、広告内容もどうも現役っぽいぞ。

 
(左)電照広告、伊勢の辰巳温泉以来   (右)ブリキ(?)板張りカマボコドーム

 浴室はこじんまりしているが、壁側に窓がたくさんあってとても明るい。
 カマボコ天井に四角い湯気抜きが開き、床はグレーと白の細かいタイルが敷き詰められている。壁上部と天井はモスグリーンのブリキ板みたいなのが張られているけど、これはまだ東北でしか見ていない。

 湯舟は奥2槽。って普通は深浅のハズだけど・・・ここは両方とも深いぞ!
 そのかわり右が43度弱、左が44度強と温度が異なっている。どっちにしても熱めだが、俺はこれくらいがオッケーだ。旅の疲れも取れまくり。湯は隅の小さな溶岩から出ている。
 湯舟のヘリには1cm角のオレンジ色豆タイルがびっしりで嬉しいな〜。

 カランは両側にきちんとシャワーつき。浴室中央には小さな四角い島カランもあり、ここにもオレンジ豆タイルがびちっと貼られている。

 浴室入口の右には腰かけ、左に桶がきちんと積まれている。タイルも古いがきれいに光っている。見かけによらず(失礼)、客商売としてきりっと襟を正しておられる姿勢が好印象だ。

 上がっておかみさんに聞くと、電照広告はやはりすべて現役とのこと。でもそんなことよりこのおかみさん、なんとも素朴で感じがいい。もう、おっかさんと呼びたいね。
 おっかさんは俺にコーヒー牛乳をくださった。もちろんカネを払おうとしたが、おっかさんは頑として受け取ってくれない。
 そんなこんなでいいお風呂だった。 
 (2007.10.10)

 
おっかさん、さようなら
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