関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
【涙の廃業】奈良県の激渋銭湯
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日の本湯 (大和高田市) (2007年廃業)
高田温泉 ★(大和高田市) (2007年廃業)
畝傍温泉 (橿原市) (2012年廃業)
敷島湯 (桜井市) (2007年廃業)
宝湯 (御所市) (2008年廃業)
錦湯 (奈良市)(2008年頃廃業)
旭湯 (五條市) (2008年廃業)
大黒湯 ★(五條市) (2010年廃業)
日の出湯 ★(吉野郡下市町) (2011年廃業)
わらびを公衆浴場 ★(吉野郡十津川村) (2012年廃業)

美好湯 (奈良市)(2014年廃業)
勇湯 (奈良市)(2015年廃業)
営業中の奈良県の激渋銭湯

日の本湯


廃業された模様です。
レポートは営業当時のものです。
(07年3月、マツダさん情報感謝です)


大和高田市北片塩町3-4
TEL.0745-52-2236
【営業時間】午後4時〜午後11時30分
【定休日】3.7.11.15.19.23.27.31日


 JR高田駅から南へ800mほど、近鉄南大阪線高田市駅からなら北東へ500mくらい。国道166号に面している。
 屋号に恥じぬ重厚な外観。暖簾をくぐると下足室、木の下駄箱は木札を抜くと上に鍵が上がる旧式のもの。
 戸を開けると・・・おいおい、番台が低くて女湯の脱衣場が丸見えでっせ。だが番台のおばちゃんは気にもせずに、高そうな液晶テレビを見ている。
 脱衣場にはデデーンと木のロッカー、しかも明るい色のヒノキ一枚板に漢数字が掘り込まれている。天井は格子状で、番台や男女仕切り壁などの木も渋い。

 浴室には中央やや右寄りにタイル張りの深浅浴槽。奥には「気泡風呂」と書かれた副浴槽があるが気泡は出ていない。
 浴槽フチには珍しく黒いタイルが使われているが、これがひび割れたりしていて、かなりキてる感じ。湯は熱め、44度くらいか。
 正面の壁上部に男女ぶち抜きで描かれているモザイクタイル絵は、桜の季節の奈良公園かな。なかなかよろしい。
 でも経営のモチベーションはやや低そうな・・・大丈夫かな? 
(2004.4.10)

  
ジス・イズ・ジャペーン
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高田温泉

2007年、廃業された模様。
レポートは営業当時のものです。
(マツダさん情報感謝!)


大和高田市内本町6-19
TEL. 0745-52-1044
【営業時間】17:00〜22:30
【定休日】3.7.11.15.19.23.27.31日


 JR高田駅からならまっすぐ西へ徒歩5分、近鉄の大和高田駅からなら南へ徒歩7〜8分くらい。いかつーい四角のレンガ煙突が見えてくる。

 
存在感ばりばり

 前に回ると、高度成長期的な間口横断型の平面玄関にシャッターと、無機質に改装されてしまっている。が、上部には古〜い破風屋根が見えている。
 渋銭ファンとしてはビミョーな心境で暖簾をくぐる。と、出ました、むお〜っと漂うイニシエのオーラ! 濃厚な色合いの木造空間だ。
 高い格天井の手前小窓から見えている脱衣所の天井が、おいでおいでをしているよ。

 
(左)正面こげ茶   (右)手前は傘入れ、奥は下駄箱、みごとにこげ茶

 
高い格天井もこげ茶

 時を遡るミラクルドアをススーッと開けて、黄泉の国、もとい、夢の国へ足を踏み入れる。
 いぶし銀の木の番台に、おかみさんが座る。湯銭320円、奈良県の組合料金より30円安いぞ、うれしいな。
 次の瞬間、前を向いた俺は腰を抜かしそうになった。・・・な、な、
ナヌーーーー!!??

 

 ここここ、こっこっこっこれは・・・想像を絶する巨大な鳥居が、男女仕切り壁の上に天井からぶら下がっている。縦横1.5mはあるぞ!
 古い銭湯ではこの位置に神棚があるのは一般的だが、その前にこのような巨大鳥居があるのはまったくもって初めて見た。

 あとでおかみさんに「この鳥居はすごいですね」と言うと、
 「気づかれましたか、案外気がつかない人もおるんです」とおっしゃった。これに気づかない人がいるとは信じられん。おかみさんによると、鳥居の一番上の黒と赤の木は継ぎ足しのない1本の木材からできているそうだ。

 天井は、地方銭湯にしては高い。格天井ではないが、アメ色にいいツヤが出ている。おかみさんによると屋久杉なんだそうだ。
 ロッカーは、アルミものを左右でケヤキ一枚板の木製ロッカーがはさむ。アルミロッカー部分は、かつては棚に脱衣籠を置く形式だったらしい。
 ロッカーと上の戸袋との間の黒っぽい梁、これがまた素晴らしい材質。なんだか知らないが緻密でスベッスベ、そうとうな高級木材であることは間違いない。とにかくそのへんに使われている木がいちいち値打ちもんだ。
 手前に前栽がある。狭いが池があり、ちゃんと水が張られている。

 
(左)木製ロッカーは手前にもある   (右)この木、すごいよマジで

 浴室方面を見ると、奥に長い中庭があり、その横が浴室への通路になっている。うなぎの寝床的敷地だな。
 と、ここでも、な、な、
ナヌーーーー!!??

 
あれに見えるは確かに・・・

 なんとその通路部分にカランと鏡が3〜4セットあるぞ。これも初めて見た。たいていここには流しなんかがあるわけだが・・・。
 あとでおかみさんに聞くと、昔お客の多かった時代に、カランの空き待ちを少しでも減らしてお客をさばくために設置したものだという。そういう時代があったわけね。しみじみ。
 通路横の中庭には噴水があり、暗くてよく見えなかったが魚が泳いでいる様子。しかしこの通路、裸で通るのは少し寒いな。

 浴室も縦に細長い。湯気もうもうで、奥のほうは霞んでいる。
 床は意外にも新し目のタイルで改装されているが、湯舟は御影石の深と浅、外側の座り段も昔ながらの石のままだ。ジェットも気泡もなんもなし。
 湯をさわってみると、深が43度強、浅が42度弱のマイベスト湯温。たっぷりかかり湯して、冷え切った身体をゆったりと沈める。あぁ・・・(言葉なし)

 おっ、深風呂の内側にも石の座り段があるが、この段の石は底までズドーンの一枚ものだ。厚さ15cmはある巨大石材。岡山の柳湯や戎湯と同じだが、それらより磨かれている感じが好印象だ。
 浅風呂には男女壁に岩があしらわれ、豆タイルの背もたれスペースが2人分後付けで設置されている。たいていこういう部分にはジェットがあるもんだが、あくまで背もたれだけ。

 湯気でかすんで最初のうちはよく見えなかったが、奥壁に大きなタイル絵がある。湖に朱塗りの太鼓橋がかかっているが、後ろの山のかたちは北海道の駒ケ岳だ。とすると大沼公園だな。

 カランは入口近くにシャワーなしが4組と、奥にシャワーつきが6組ほどある。圧力よし。台座部分にはこれまたどっしりと御影石が据えられている。

 先客は2人いたが、やがて貸切になった。とたんに限りなき静寂が訪れる。

 あがりは飲み物販売あり。スコールを飲む。
 おかみさんによると築80年、大正時代の建物だそうだ。

 外観から浴室まで部分的に改装されてはいるが、大鳥居、通路カランなど初めて見たもの多し。脱衣所の高級木材や石の湯舟の重量感、タイル絵なども大切に残されている。その反面、シャワーも設置されていて使い勝手も悪くない。
 激渋銭湯の聖地、大和高田・・・恐るべし。
(2006.1.29)

 
紺の鶴亀オリジナル暖簾も渋い
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畝傍温泉


2012年10月、廃業されたもよう。
(pacific18さん情報感謝!)
レポートは営業当時のものです。


檀原市内膳町2丁目4-18
TEL 0744-23-0302
【営業時間】午後4時30分〜午後11時
【定休日】毎週金曜日


 近鉄八木西口駅の西出口から徒歩1分、建売新築住宅群の中にポツネンと残る古〜い銭湯。おニューな街並みにまったく不釣り合いなオーラを、頑固に強烈に放出し続けております。
 大和高田の日の本湯とたいへんよく似た外観だ。平屋建ての軒の中央に入母屋破風っぽい2段式の立派な玄関が取り付けられた威風堂々系。
 違いといえば、こっちは破風に反り(てり)が入ってること。日の本湯は直線。反ってるほうがシャープで洒落者だな。

 
塀から玄関庇へ瓦がナナメに連なるのも日の本湯と同じ

 さらにこっちは破風の先端にえべっさんの鬼瓦(というのだろうかこの場合?)が乗っている。そして両すそには、この界隈でよく見かけるかわいらしい桃みたいな鬼瓦。宝珠かな?

 
 
(左)鯛を抱えて大笑いのえべっさん  (右)ピーチだよん

 暖簾をくぐると新旧合体空間

 暖簾をくぐって下足室、正面や上がりがまちには古〜い木が健在だ。
 アルミ戸を開けると、低い木の番台におやじ。おぉー、脱衣所はコンパクトだが、建物外観にふさわしい木造いにしえ空間ですなあ。
 格天井に3枚羽プロペラがぶら下がっているが回っていない。男女仕切りの上には神棚があり、前栽の一角に外便所というレトロの王道。
 ロッカーはケヤキ一枚板の上等もん、しかも浮き彫り漢数字。このタイプは古くても美しさがほとんど損なわれない。昔のもののほうが今のものより優れているという顕著な例だな。
 タナ上に常連の桶が賑々しく並んでいる。浴室入口には細かい角タイルびっしり。

 浴室へ。カマボコ天井に大きな湯気抜きが開いており、なかなかの開放感。地元のおやじ客が4〜5人入っている(午後5時ごろ)。
 床と壁は新しいタイルで改装されている。床のタイルはあまり見かけないものだが、ざらっとしてすべりにくく、なかなかよろすい。
 湯舟は壁に沿って深浅2槽。ふちに紺色の細かい角タイルがびっしり張られた古いタイプで、外側を大阪式座り段がぐるっと取り囲む。
 深い湯舟の湯温は42度くらい。おっ、腰痛持ちのラブリーパートナーこと電気風呂ちゃんがあるぞ。
 浅い湯舟も深いほうと同じ広さがあり、こちらはややぬるめ。ジェット2連&気泡がゴキゲンで、常連客はここでくつろいでいる。しかも湯舟の内側にはくすんだ渋緑の丸い豆タイルが張られていて嬉しいな〜っと。
 入口脇には新しく設置されたとおぼしき水の立ちシャワーもある。

 タイムスリップ丸出しの外観と脱衣所、適度に改装されて清潔な浴室、古いが電気も気泡もある湯舟・・・と、ひたりまくれる絶好球。もしこれで冷水風呂があればホームランなんやけどな。
 上がりはドリンク販売もあり。渋い脱衣所でのさらなるくつろぎタイムが保証される。 
 (2004.8.21)

 
並びはすべて新築の建売住宅。がんばれ!
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敷島湯

廃業との情報をいただきました。
(2007年7月)
レポートは営業当時のものです。


桜井市粟殿99
TEL : 0744-43-6967
【営業時間】午後3時30分〜午後10時
【定休日】毎月5.15.25日


 JR桜井線に乗るたび、桜井駅の少し北の線路そばに見える煙突が気になっていた。
 で、この日は山之辺の道を歩く前に、まずはこの銭湯探索に直行だ。

 桜井駅から北東に歩いて10分たらず。古い商店などが並ぶ狭い通りをゆくと、あの煙突がチラリと見える。かなり痛んでいる感じ。
 近づくと、通りから10m近く奥まったところに銭湯発見。まだ昼前なので当然暖簾は下りていないが、青瓦の玄関小屋根の下に田舎情緒爆発系の渋い木の戸が少し開いていて、そこで柴犬が番をしている。
 そのようすがもうたまらない。近寄ると、柴が元気よく吠えかかってくる。よしよし、あとでまた来てやるからなと約束して、とりあえず山之辺の道へ向かう。

 
これ見て入らずにおれますか、あなた?

 そして夕方。たっぷり汗をかいて戻ってきた。今度は暖簾がさわやかに揺れている。柴は左奥の犬小屋につながれている。
 暖簾をくぐると、玄関スペースは小さなお寺のような渋い木の空間。下駄箱は新しいが、脱衣所への戸や上がりがまちの風情がたまらない。瞬時に”ほっこりオーラ”に包まれる。
 使い込まれた木の引き戸をなめらかに開けると、これまた使い込まれた木の番台がお出迎え。誰も座っていなかったが、すぐに表からじいさんが来た。

 
(左)郷愁オーラがオーレ♪の玄関スペース  (右)脱衣ロッカー

 脱衣所のいにしえ度も高い。さすがはまほろばの地。前栽、木のロッカー、そして男女仕切り壁がまた泣くしかないような激渋の年代もの。
 めずらしいのは天井で、ゆるいカマボコ型のコンクリ天井になっている。こういうのは初めて見た。

 浴室は飾り気のないシンプル空間。
 湯舟は中央にタイル張りの深風呂、その男女壁側にL字型の浅風呂がある。ジェットもなにもなし。湯舟のフチには濃抹茶色の1×2cmの細かい長方形タイルがびっしり張られている。
 歩いてくたびれた体をゆったりと沈める。あぁ〜むぅ〜、・・・どうしても声が出てしまうのぉ。
 湯温は深が42度くらい、浅は40度くらい。深の底面はちょっとデコボコしていて、年季を感じさせられる。
 首まで浸かりながら壁に目をやると、低い位置に普通の民家的な格子窓がある。開け放たれて外気が吹き込み、なんとも気持ちいい。

 カランの水はかなり冷たく、湯は思い切り熱湯が出る。これも古銭湯の味わい。シャワーもあるが湯圧弱い。
 出入り口横に男女壁をぶち抜く共用の水鉢あり。お湯で茹だってはその水を浴びまくる。
 水鉢の横の男女壁の下にくり貫かれた共用の排水口があり、使った湯は湯舟周りの溝からその穴に吸い込まれていく。これも古いスタイルだ。

 上がりはサイダーなどの販売あり。奈良から続く山之辺の道の終点にある、素朴な味わいの銭湯だ。
(2005.9.17)

 
外へ出ると、とっぷり日が暮れていた
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錦湯 ≪廃業≫

2008年頃に廃業されたもよう。
レポートは営業当時のものです。

奈良市奈良阪町
TEL. ?
【営業時間】午後3:30〜6:00
【定休日】月・水・金


 きーちゃんという方からメールをいただいた。

奈良の北、奈良坂町に「錦湯」という、あなた好みの銭湯がありますよ!

 ん? そんな銭湯、組合名簿にもタウンページにもないけど・・・定休日について教えを請うと、驚愕の週休3日、1日2時間半だとぉ?
 まさしく隠れ湯というほかない。

 奈良阪は奈良市街地の北のはずれの丘の上、般若寺の前を通る古い街道筋だ。俺は東大寺あたりから迷いながら歩いて行ったが、バスなら「奈良阪南口」というバス停が近く、本数も多い。

 奈良阪南口でバスを降りるとすぐにコンビニ「サークルK」がある。その脇の路地を入り、バス道の1本西の道に出て、ゆるい坂道を少し北上する(ヤフー地図)。
 すると坂の頂上っぽいあたりに見えてきまっせ古い煙突、そして入母屋破風の玄関小屋根。期待に違わぬ日本建築だ。
 でも妙にきれいだぞ。壁などもきれいに塗り直されている。営業時間の短さから、ソーゼツなるボロ銭湯を予想したんだが。

 
(左)こぎれいな外観   (右)石畳のエントランス

 暖簾をくぐると狭い下足室、造りは古いがここもこぎれい。下駄箱も新しいスチールロッカー。
 戸を開けて脱衣所に入ると、年季の入ったコゲ茶の番台におやじさんが座る。

 
(左)下足室の天井隅まできれい   (右)番台の横は入口がスロープになっている

 こじんまりした脱衣所には、古い木製ロッカーと、「大昔から使っている」鏡。そして10円で動くマッサージ器。ものはみな古いが、どれも大事に管理されてきたことが伺える。汚れた感じがまったくないんよね。

 
(左)古〜いけどピカピカの鏡   (右)使い込まれたロッカー

 小さな浴室は、真っ白なタイルだけの激しくシンプルな空間で飾り気ゼロ。
 豆タイルの張り巡らされた大きな主浴槽と、奥に小さな浅風呂がある。たっぷりなお湯は42度強、あ〜ぬくもるねぇ〜。大きな吐息が俺のOKサイン。
 カランまわりは新しい紺色の大判タイルで改装されており、清潔感がある。

 先客1名が帰ったあとは、湯に体を浮かべてひたすら静寂に身を任せる。誰も知らない小さな極楽ですよ。チャプチャプ、しみじみ。

 
超シンプル浴室

 上がって話を聞くと、おやじさんで5代目で創業はなんと300年前、江戸時代やがな。建物は昭和初期のものだそうだ。
 営業時間が短いのは、お客はすべて地元の高齢者で、6時を過ぎると誰も来なくなるからとのこと。だがそのたった2時間半の営業のために、おやじさんは昼からお湯を沸かしている。
 「商売にはなりません。でも入りに来られる高齢者の方がおられますから」
 泣ける。

 古いとはいえ、中も外もきれいに管理され、入口のスロープにはすべりにくいシュロ素材が使われている。おやじさんの愛情と人柄がにじみ出る。
 「跡継ぎもおらんし、ようがんばってもあと2〜3年・・・」
 そんなことをおっしゃるが、この小さくてきれいな隠れ湯が消えてしまうのは惜しいねぇ、なんとかならないか。みなさん、奈良観光の帰りは錦湯へ。
(2007.1.28)

 
(きーちゃん情報感謝!)
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宝湯

廃業との情報をいただきました。
(2008年9月)
レポートは営業当時のものです。
(大きい風呂しか入られへん神戸市民さん、情報感謝!)

御所市御国通り3丁目361
TEL : 0745-62-2262
【営業時間】午後4時〜午後11時
【定休日】火曜日と木曜日


 葛城古道を歩いて足くたくた。やっとたどりついた旧市街地の静かなまちなかにたたずむ銭湯。JR御所駅から南へ徒歩5分ほど。
 渋い千鳥破風の平屋建てだが、暖簾をくぐると下駄箱などは新しいものに換えられている。

 
昭和初期のクラシックな造り

 戸を開けたら番台におばちゃんが座る。古い木のものだが外側はベニヤが張られている。
 脱衣所は格天井がけっこうな高さで気持ちいい。木のプロペラが男女一つずつぶら下がっている。だが壁はベニヤで改装、ロッカーも合板モノ。
 前栽部分は脱衣所を広げてマッサージ機を2台設置してあるが、ここの窓が開けっ放しで、表の通りから俺の尻が丸見えだ。開放的ですわ。
 古い建物に逐次手を入れてあり、その経営努力は素晴らしい。でも、いにしえファンとしては残念・・・という皮肉なねじれ現象。

 おっ、浴室の出入り口の横が山水画のエッチングガラスになっている。いいねえ、僕はこれが大好き。
 浴室内部も改装済み。天井はカマボコ型だが、湯気抜きがない。改装で取っ払ったのか? 奥壁のタイルには白樺の絵が入っているが、これは既製品だな。

 湯舟は男女隔壁に沿って大きな深浅主浴槽、浅いほうはジェット2連。やや熱めの湯が、くたびれた足腰にまことに気持ちよろしい。手前には電気風呂もあり、ちょうどいいぐらいの電撃。フクラハギと腰を徹底的に癒しまくる。
 湯舟のフチには青竹風タイル、外側座り段やカランまわりなどには小さめ正方形の柄入り青タイルが張られている。いずれも初めて見るタイプだがじつに僕好み。でも湯のカルシウム成分なのか、水際部分に白いものがかなりこびりついている。
 一見新しそうだが、後で聞くと改装後20年ほど経っているとのこと。毎日磨いておられるのだろう。
 田舎の古銭湯らしくシャワーは弱めで、湯温安定せず。

 宵の7時前、お客は僕を含めて3名ほどだった。
 上がりは飲み物いろいろあり。
 おばちゃんは神戸の灘出身とのことで、しばし神戸の話題に花が咲く。
 細部は改装されているが、昔ながらの雰囲気がぼよよーんと漂う、のんびりくつろげる銭湯だ。

 ちなみに、ここから東へ5分ほど歩いたところに葛城湯という激渋銭湯があるのだが、行ってみたら「しばらく休業します」との張り紙があった。宝湯のおかみさんに聞くと、この3月末に廃業されたとのこと。狂おしく残念だ。 
(2005.5.21)→御所旅行記

 
廃業した葛城湯
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大黒湯 ★

2010年、廃業されました(涙)。
建物はすでに撤去されたもよう。
レポートは営業当時のものです。
すこうさん情報感謝です)

五条市須恵3丁目2-20
TEL.07472-2-2932
【営業時間】午後4時〜7時30分
【定休日】月・水・金


 激感動をありがとう! 泣いたねワシャ。

 JR和歌山線の五条駅から正面の坂を少し下ると、いかにも田舎風の商店街が交差する。そこを右折したらすぐ。駅から歩いて1分くらい。
 深き味わいの外観。黒壁だ。
 大きな切り株をそのまま使った看板には「温泉 大黒屋湯」と書かれてある。でも商店街の看板や、立派な四角柱のレンガ煙突には「大黒湯」と書かれている。

 
(左)上部に「煙返し」の装飾あり    (右)この切り株がまた

 期待に胸を膨らませて暖簾をくぐると下足室、正面に鮮やかな大黒様のタイル絵がある。木製の下駄箱も渋い。

 
(左)大黒湯だぞと(傘立て邪魔)  (右)下駄箱と入口の戸がまた

 脱衣場は格子の天井をはじめ、古いベンチなどいにしえの木製品がふんだん。ただしロッカーは化粧合板の集成材モノに換えられている。

 さて、で、何が感動かって・・・浴室に入ったとたん、エエ〜ッ! と思わず声をあげてしまいましたワタクチ。
 浴室の真ん中に深浅の主浴槽がある配置はごくフツーの小銭湯と同じだが・・・なななななんと、その湯船が木なんやがなオカーチャン。厚みのあるどっしりとした木の湯船にお湯がなみなみと沸いとるんやがなオトーチャン。
 そして、大阪圏に特徴的な、湯船の外側をぐるりと取り巻く腰かけ段、そこもやはり木!

 なんともいえぬ贅沢感に溢れたこの光景。アホのようにあちこちの銭湯へ行っている俺も、こんなの初めて見た。京都の船岡温泉も露天がヒノキ風呂だが、なんせここは主浴槽だからな・・・。
 思わず、そこに浸かっていた地元のじいさんに、
 「ほおー、ここは木のお風呂ですねぇ!」と見りゃわかることを言ってしまう。

 あとで番台のおかみさんに聞くと、腰かけ段の部分はコウヤマキ、湯船上部はヒノキだそうだ。ヒノキ部分は傷んで3度交換したが、マキは開業以来70年間そのままらしい。
 マキ材は長さ3メートル、幅30cm、厚さ4cmくらいの立派なもので、それが3辺を取り囲んでいる。もはやこういうのはなかなか手に入らない。70年間お湯にさらされて、フシの部分はへこんだりしているが朽ちた感じはない。

 浴槽全体にプーンと木の香りがただよっている。
 湯舟の香りも強いが、釜場で燃やされているオガクズの香りもほのかに相まって、もはや森林浴状態。
 ザブ〜ンとつかると、心なしか湯がマッタリとやわらかく感じる。いやはや〜、こりゃヘタな温泉より気持ちエエがな!

 おかみさんによると、ヒノキ材が傷むたびに「タイルに張り替えよか」との話が出たらしいが、それでもやはり木の湯船をなんとか維持してきた。でも磨かないとヌルヌルになるので手入れが大変とのこと。
 言うべき言葉はただひとつ、「ありがとう」。

 木の浴槽以外に、棺桶サイズのタイル張り浴槽がある。これがまた激浅で、寝そべると息子が水面に出るくらいの深さしかない。が、これはこれでなかなかオツなもの。隅に大黒様の像があり、手に持った打ち出の小槌から湯が出てくるしかけになっている。

 カランまわりなどは新しいタイルに張り替えられており、建物は古いが清潔感のある、素晴らしいお風呂。おかみさんもフレンドリー。
 この1年間に入った銭湯の中で最も感動したかもしれん。
 遠い、営業日少ない、時間短い、と悪条件が3拍子揃っている。だが銭湯好きなら、訪れる価値は無限大だ。 
(2004.4.10)→五條旅行記 
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旭湯

2008年1月、火災で焼失しました。
レポートは営業当時のものです。


五條市本町1丁目7−31
TEL .0747-22-3184
【営業時間】聞き忘れました・・・
【定休日】毎月4、10、16、22、28日


 JR五条駅から南西500mあたり、国道24と168の交差点「本陣」はややこしい6差路になっている(細い路地も含めたら8差路かも)。その中から市役所へ行く道を選ぶべし。
 すると右側にこの古めかしい銭湯が黙って現れる。

 
(左)市役所への道の右手に・・・   (右)出ましたよこの貫禄

 
(左)横から見る。れんが煙突にステンレス継ぎ足し   (右)浴室の外壁もれんが!

 まさしく俺好みのニオイがプンプンきやがるぜ。顔のニヤつきがどうにも止まらない。誰か俺の頬を張ってくれ。

 
(左)玄関小屋根の下に美しい木彫り屋号   (右)暖簾の奥に斬新なタイル絵

 玄関まわりはすべてイニシエの木製。戸を開けると下足室で、下駄箱は大きな木札を上からドンと差し込む時代錯誤タイプだ。
 脱衣所へ上がると半楕円形の番台があるが誰もいない。しばらくしたらばあさんが外から入って来たので湯銭を払う。
 けっこう高い格天井に稲荷の神棚、しっくい壁に木の脱衣箱。ああ逆流する時間にもまれて裸になる俺、こんなとこで何してるのか。

 
(左)ロッカーのフタのみ合板、なのに漢数字   (右)男女隔壁の上に稲荷

 浴室への引き戸も木製だ。しかも幅が狭くてじつに渋い。
 それを開けると、ぽあ〜っといい香りがする。弱いハップのような・・・何かな?
 こじんまりした浴室は古い白タイルのシンプル空間だ。4人ほど先客がいる。
 湯舟はタイル張りの深浅2槽。湯舟のフチには角張った御影石が乗っている。周囲に大阪式座り段があるが、この座面に大判のカラフルなクラッシュタイルが使われているのが珍しい。いいねこれ。

 お湯は・・・うわっち、深いほうは熱いぞ! 45度以上あって、誰も入ってない。でも俺はこれくらいなら平気だ。うむ〜、びしっと銭湯の味を体に焼き付ける感じでよろしい。なにかわからないが香りがいいのもよろしい。
 肩までどっぷり浸かり、あとから来たおやじ客が手を入れて「熱っ!」と言って水栓をひねるのを涼しい顔でチラリだ。
 浅いほうは水が投入されて42度くらいになっており、くつろげる。隅に大国様の置物があり、その打出の小槌から湯が出てくる仕掛けになっているのがおもしろい。

 カランまわりのタイルはかなりキてる。桶を置くカラン下の台は洗い出しになっているが石が大粒で粗く、へたに足なんかこすった日にゃあ血が出そうなハードボイルドな味わいだ。
 鏡は立ってひげを剃る位置にあるので、立ってひげを剃った。

 上がりは飲み物販売あり。
 入るときには気づかなかったが、脱衣所の目立つところに「じっこう」の紙が張られてあった。湯舟の香りはこれだったか。でもじっこうってこんな香りやったかな?
 とにかく、いい香りの熱い湯でぬくもって幸せだった。 
(2007.3.18) 
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日の出湯 


2011年、廃業されました。
レポートは営業当時のものです。


吉野郡下市町下市2903
TEL. 0747-52-0477
【営業時間】15:12〜21:00
【定休日】日曜日

【入浴料】300円


 近鉄吉野線がすっかり山の中に埋没してからやっと辿り着く駅、下市口。ここで下りて吉野川にかかる千石橋を渡り、国道309に沿って南へ15分くらい歩く。
 と、秋野川にかかる橋のたもとにたたずむは・・・ああ、涙ちょちょぎれダイナマイト系の銭湯やおまへんか。

 
川の上流に見えてくる

 風呂がどうの以前に、風景として素晴らしい。ジスイズジャパン。今ここに銭湯がありそれに巡り会えた奇跡がこの胸にあふれて俺は空も飛べるはず。

 情緒たっぷり年季どっしりの入母屋づくり。玄関上には小さな唐破風なのかアーチ状の小屋根がついていて、そこに苔が生えている。
 アーチの上には「日の出湯」の電照看板、これは三角柱を横にしたような形をしている。さらにアーチ下側には屋号にあわせた旭日海軍旗柄の装飾ときちゃうんだ。
 その周辺の壁やなんやの洗い出しのイニシエ風情が俺の急所をモロに突いてくる。

 早鐘のような胸の高鳴りをかかえて木の戸を開けると、ああもうこの世界に今まさに巡り会えた奇跡がこの胸にあふれて俺はいったいどうしたらもこうしたらもありゃしない。
 タタキに低い激レトロ番台があるが、よく見たらこれにも真っ赤な朝日マークが入っている。その上には立派な神棚あり。下駄箱は言わずもがなの木製骨董品、鍵が木の板のデカイやつ。

 脱衣所は格天井で、男女壁の上部には透かし彫りがある。
 こげ茶色の木製脱衣箱には「壱、弐、参・・・」の漢数字・・・と思いきや、「弐」は中の部分が「貝」の字になっているさらに古い書体だ。
 浴室入口の両サイドにはタイル絵もある。「椿」と「鶴」で、表面に凹凸があるマジョリカ風。
 脱衣所中央に置かれた古い木のベンチも渋い。壁に飾られている絵などもいい味を出している。

 もうこの時点で俺は前後左右から強烈パンチを連打されている状態、立っているのがやっとだ。
 でも風呂に入りに来たんだった。ふらふらと裸になって浴室へ進む。

 風呂場は比較的新しい白タイル張りだが、新しいといっても建物に比較しての話で、イニシエ風情は十分だ。
 まず目を引かれるのは、カマボコ型天井の上部壁にあるモザイクタイル画。おだやかな山、川、森が涼やかに描かれている。

 男女壁に沿って深浅の湯舟があり、ふちや外側段には黒御影石が使われている。浅にはジェットもある。
 ちょうどいい湯加減のお湯はやわらかい。あとで聞くと、井戸水と水道水が半々だそうだが、水道水もこのあたりじゃ水質が悪かろうはずがない。
 湯船奥の一段高いスペースには、濃緑と白、細かな笹の葉柄の見たことのないタイルがびっしりと貼られていて、思わず目を見張った。

 カラン周囲にはかわいい花柄タイルが使われ、壁の中断には青っぽいひし形模様のマジョリカタイル。その上部にはガラスブロックがはめられている。
 出入り口の横には扇形の水鉢もあって、見所いっぱいだ。

 あがっておやじさんに聞くと、この建物は昭和元年築だが、風呂屋はその前からあったらしい。浴室は、以前は石畳の床だったそうだ。
 おやじさんは元々この隣家に住んでいたが、昭和32か33年頃、この風呂屋の主人から「跡継ぎがおらんからやらないか」と言われて引き継いだ。いまは一人でお湯を沸かし続けておられる。
 お客は近所の常連ばかりだが、おやじさんは一人一人に「ありがとうございます」ときちんと挨拶する、真面目で気持ちのいい人柄だ。

 下市は割り箸の産地だ。昔は夜11時頃まで工場が動き、客が来たという。
 現在の営業時間は午後3時半から9時だが、3時12分に客が来るので開けている。
 遠いけど、銭湯好きなら間違いなく感動できる。行くしかない。 (08.8.7)

 
隣の吉野町の世界遺産にも負けてない
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わらびを公衆浴場 


2012年3月、廃業されました。
(台風被害による地盤のゆるみ)
レポートは営業当時のものです。


吉野郡十津川村平谷715-2
→地図
TEL. 0746(64)0118
【営業時間】PM4:30〜8:00
【定休日】水曜日

【入浴料】300円


 近鉄大和八木駅から日本最長の新宮行き路線バス(奈良交通)で4時間。十津川温泉は紀伊半島中央部の山奥のダム湖のほとりに湧く高温泉だ。
 十津川温泉バス停の真向かいには「庵の湯」がある。新宮方面へ橋を渡ったところには「憩の湯」がある。十津川村は「掛け流し宣言」の村であり、それらの温泉施設も悪くない。
 が、あえて無視して7〜8分歩くと、国道沿いのダム湖側に廃業旅館みたいな建物が見えてくる。

 
(左)ダム湖の色が青いのは温泉成分のせい?  (右)右端の電柱の左に見える白い建物(の隣)

 その建物の陰に隠れるように、小さな小屋がつながっている。これだ!

 
(左)質素そのもの  (右)この看板がたまらない

 十津川村に数ある温泉浴場でもダントツの素朴さ、小ささ。当サイトとしてはもうここしかおまへん。
 去年あたりまでは他の温泉施設と同様に朝10時から夜9時まで営業していたらしいが、今年からは夕方から3時間半だけになった。上りの最終バスは15:59だから、ここに入ったらもう帰れない。
 必然的に、限りなくジモ専(地元民専用浴場)化したといえる。

 暖簾をくぐると、狭い入口廊下におばちゃんが2人ダベっているので、そのおばちゃんにお金を払う。男湯入口はすぐ横にあるが、女湯は階段を下りたところにあるらしい。十津川村には基本的に平地というものがないからな。

 小さな脱衣所は板張りで味がある。古い建物だが適度に改装されていてボロさはない。木の棚にプラ籠があるだけでロッカーなし。
 そして浴室へ・・・。

 
(左)脱衣所   (右)浴室、右から入る

 これまた小さい! 右上写真では右側が入口で、1mも置かずに湯船がデンとあり、その左側も1mと置かずに壁だからこれで全部。
 右下写真は入口付近から洗い場を見たところ。小さな浴室の大部分を湯船が占めているプチサイズっぷりがおわからだろう。

 
(左)右カランが源泉、左カランは水   (右)洗い場の窓からはダム湖が見える

 浴室へ入るや、やわらかい硫黄の香りに包み込まれる。湯船のへりは水色のタイル張りだが、温泉成分が茶色くこびりついている。
ナトリウム炭酸水素塩泉・塩化物泉ということで、源泉が出ているカラン周辺の湯は細かな気泡のアワアワで真っ白になっている。温泉はカランをひねればいくらでもドバドバ出てくるが、源泉温度70℃なのであまり入れると熱くて入れない。逆に水を多めに出すと、湯の白濁はすうっと薄くなる。

 まったり、ふわふわの極上の湯だ。たまらん。からだじゅう、たまらん。
 43〜44度の熱めをキープすれば、アワアワ加減を損なわずにじっくり味わえる。その温度調節も楽しい。
 洗い場にシャワーはないが、それぞれ水と湯のカランがある。湯はもちろん源泉だ。

 開店直後から45分間ほどいた。すでに先客あり、地元じいさん2人。その人らが出て貸切になったあと、40代くらいが一人来た。
 山奥のヒナビのミニ極楽空間。まるで九州あたりのジモ専の趣きだ。ディープな温泉好きにとっては、もしかしたら近畿最高峰かもしれない。
 狭いので人が多いとやや辛いかもしれないが、まあそういうことはあまりなさそう。
 こうして思い出すだけで、今すぐにまた行きたくなる。そんな風呂だ。

 
上がったらもう夕暮れ
 
 ちなみに、バス停でいうと「十津川温泉」の次の「蕨尾口」が近い。新宮行きのバスは18時台まであるから、風呂から出て本宮・新宮方面へ移動する場合はそこを使うとよさげ。
 ただし、八木方面から来た場合は「十津川温泉」で下りて歩いたほうが早い。なぜならそのバスは十津川温泉で必ず15分くらいトイレ休憩をとるから。
(2009.11.7)
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美好湯 ≪廃業≫

2014年に廃業されました。
レポートは営業当時のものです。

奈良市福智院町7 →地図
TEL .0742-23-8063
【営業時間】16:30〜23:00
【定休日】毎月4、14、24日


 近鉄奈良駅から南東へ徒歩10分少々、福智院町バス停の手前。江戸時代の街並みが残る奈良町に溶け込む、渋い小銭湯だ。

 低い番台には70歳くらいのばあさんが座り、客はじいさんが数人。脱衣場は格子の天井や剥げたしっくい壁などにひなびた味わいが色濃く残っている。
 ロッカーが3ヵ所に分かれて配置されているのがちょっとめずらしい。

 浴室はシンプルで、男女仕切り壁と奥の壁とに接して四角いメイン浴槽と、ややぬるい気泡浴槽が1つずつ。浴室の壁や湯船は最近改装されたようで、建物の外観に似合わずタイルはピッカピカ。

 しかし床は昔のままの石畳だ。石と石の間はタイルがはめられて排水のための溝になっているパターンだが、石畳が湯船を頂点に大きく傾斜しており、しかも排水溝が下流部でぐぐっと深くなっている。
 これほど変化に富んだ床を持つ銭湯はめずらしかろう。じつに味わい深し。
 
(03.7.11)
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勇湯 ≪廃業≫

2015年2月1日に廃業されました。
レポートは営業当時のものです。

奈良市半田横町13  →地図
TEL : 0742-23-4358
【営業時間】 15:00〜22:00
【定休日】 第1第3月曜日


 近鉄奈良駅から北へ7〜8分ぐらい。奈良女子大学の東の住宅地を行くと、通りに味のある看板が出ている。

 
(左)あれに見ゆるは・・・    (右)銭湯なら!

 伝統的な入母屋造りの日本家屋に、玄関部分を増設したような感じ。その緩傾斜屋根が一種独特だが、そこもすでに年季バリバリ。これが奈良といふものか。
 玄関の戸は昔ながらの木枠の引き戸だが、これがアンタ、けっこう新しいぞ! 新しいのを古いスタイルのまま新しくしてあって古い感じが新しい!

 
(左)古いのが新しくて美しいなら    (右)あがりがまち、渋すぎるなら

 入ると、美しい木の番台にやさしげなおかみさんが座っている。
 脱衣場は、壁などは改装されているが、木の脱衣箱をはじめ随所にイニシエの物品が息づいていて、ほ〜っと溜め息が出る。
 浴室寄りの一角には乾燥サウナも設置されている。

 
かなり低い番台

 
(左)ナント立派な平城京的脱衣箱    (右)ガキには読めまいこの数字

 
(左)天井ファン    (右)神棚も美しき哉

 
(左)浴室方面    (右)その手前にある海岸風景のタイル絵

 浴室へ突入して、まずは床に驚愕。旅館の風呂などの床によく使われているような、不定形の大きな石の薄切りみたいなのが張り巡らされているぞ。
 あとは全体的に20年くらい前に改装された感じで、湯舟は深+浅+電気、ジェット、漢方薬風呂と、こういっちゃなんだが意外にも揃ってる。
 カランにもシャワーがちゃんとついている。水圧やや弱いけど。
 建物は古いがしっかりと現役感が強い。お客も地元の爺さんが連中が途切れずに来る。

 上がりはビールなど飲み物販売もあるし、玄関脇のスペース(下の左写真)でほっこりと休憩するがよし。
 かなりキてるマッサージ器もある。10円入れたらグイッグイッと背中の皮膚が挟まれて痛いくらい。

 
(左)この憩いスペースが郷愁    (右)ちなみに便所はこの路地奥

 創業者は伊勢にルーツがあるそうだが、おかみさんは神戸の元町出身とのこと。映画監督の河瀬直美一家も来るらしい。でも奈良女子大の学生はめっきり減ったそうな。
 ほかにもいろいろ聞いたけど、酔ってたので忘れたよスマヌ。

 脱衣場の雰囲気がやたらとくつろげる、いにしえの奈良の都のよき銭湯だ。
(2008.4.26)

※2011年5/26、ふろいこか〜ラジオに登場!
※2012年12/1、関西てくてく銭湯開催!
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