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【神奈川県】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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太平館 ★
東京へ行くことになったが、そっち方面へ行くならやっぱりまずは黒湯いっとこか。 なんでも横浜に異様に黒いのがあるとの話なので、あえて新横浜で下車した。 横浜線で1駅の「菊名」で東急に取り替え、また1駅の「大倉山」で降りる。線路脇を北へ歩くと庶民的な大曽根商店街になり、数分で煙突が見えてくる。 このへんかな~と右を向くと、おや? 寿司屋のゲートの向こうに・・・。 (左)あれはたしかに銭湯暖簾 (右)右が寿司正、左はおでん屋、小さな「温前町」 トタン屋根の母屋に黒瓦の小屋根、なかなか伝統派な面持ちだ。暖簾をくぐるとニス仕上げのこぎれいな玄関。来ましたよ東京ー、ってここ横浜か。 スッキリ美 戸を開けると、雲形の彫り込みがある古い木の番台にオバチャンが座る。 脱衣所は年季の入った板張り床、やはりニス仕上げ。建物構造は木の梁にしっくい壁の東京伝統型でなかなかの広さがあるが、ロッカーがすべて島状で2列ナナメ配置のために見通しが悪く、開放感はもひとつ。高い天井はクロスに張り替えられている。 さ~て浴室へ、と、浴室の入口が自動ドア! びっくりしたなあ、もう。しかしべつにこんなとこ自動ドアにせんでも・・・。 内部も東京標準スタイル、中くらいの広さで2段式天井。奥壁にデデーンと早川師の富士山ペンキ絵だ。波しぶき舞う西伊豆海岸からの名場面。 そしてその下に湯舟が並んでいる。 え~と黒湯は~っと・・・ギョ! なななんとこれは・・・これまでの経験じゃ黒湯はせいぜい全浴槽面積の3分の1くらいだったが、ここは4分の3が黒湯でっせ! 黒湯浴槽は深浅になっていて、それぞれ気泡つき。しかもこれ、あはははは~、あはははは~、なんやこれ、あはははは~、特濃ブラック黒い黒い黒いぞぉ! 透明度は2センチありましぇーーん。指の第一間接まで漬けたらもう爪が見えましぇーーん。 どれ、さっそくジャボンと・・・うほー久々、おもろい~。俺はどこ? 俺の手、どこ? あはははは~。さあみんなで笑おうあはははは~。 温度計は44度を指しているが、42~43度だろう。湯の感触もマッタリなめらかで気持ちいいが、それよりこのマックロケがおもろい~。 関西じゃ、マックロケのお湯に入るという経験のある人はフツーいてませんからなぁ。黒湯の話をすると、「黒湯って、体やタイルは黒くならへんの?」とよく聞かれるが、まあブラックコーヒーを思っていただければいいのではと。コーヒー飲んでも舌やコップは黒くならへんでしょ? 黒湯に浸かって気泡ブクブク、ブクブク。のぼせてきたら水を浴びて、またブクブク、ブクブク。たまらん気持ちエエ。いつまでたっても飽きないの~。 残る白湯浴槽はジェットつき。カラン下の溝はこれまた東京ならではのステンレス溝で清潔感よし。男女仕切り壁にはアルプス湖畔のモザイクタイル絵もあり。 上がりは飲み物の冷蔵庫と自販機もあり。残念ながら表の寿司屋もおでん屋もまだ開店前だし、脱衣所でゆっくりくつろいでいこか~。(2005.1.20) 昭和的に万国旗はためく大曽根商店街 |
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松島館
夕暮れ時にふっと現れるこのイニシエ~な姿にドキっとさせられる。 たぶん最寄駅は地下鉄高島町だが、京急戸部やJR桜木町からも遠くない、かといってそんなに近くもないという微妙な位置にある。 建物の奥は2メートルくらいの石垣の段差になっていて、ここが横浜の狭い海岸平野の最終地点であることがわかる。 事前に見た写真では、その段差に突き当たる狭苦しい路地にあって、ナナメからしか撮影できないディープな立地になっていた。 でも行ってみたら向かいは駐車場となって路地そのものが消滅し、正面から丸見えになっている。明るくなったけど、ちょっと残念…。 にもかかわらず、ローカル風情爆発の低い平屋建て、正面コンクリ壁の重厚感、上部窓から漏れる光、裏手にはレンガ造り外壁・・・大都市の都心近くにこんな銭湯が生きていることに驚きと喜びを感じさせられる。 (左)この石畳の幅がかつての路地の幅と思われる (右)玄関横タイル 中に入ると、年季の入った木の番台に、わりとそっけない感じのおかみさんが座っている。東京に比べて低い番台だ。 脱衣場は古めかしい空間で、柱や男女壁は重厚なるこげ茶色ワールド。天井は格天井ではなく、昔の安物の民家(たとえば俺の実家)と同じ、チープな桟に乗せ板のやつ。ロッカーは白い化粧合板だが、全体に時間が止まったレトロムードに満ちている。 テーブル上にさりげなく置かれた、ピンクのバラの一輪挿しがまたなんともね。 浴室はこぢんまりサイズで、2段式天井、奥湯船2槽、洗い場中央に島カラン、という典型的なミニ東京銭湯スタイル。床や壁のタイルは張り替えられ、天井ペンキもきれいで清潔感がある。 奥壁には西伊豆からの富士山ペンキ絵、サインはないけど丸山絵師の作品だな。 途中から貸切になった。 静かだ。さっきまでいた横浜駅前はあんなに賑やかだったのに・・・。かなり熱めの湯がじんじんと体の中までしみわたる。 誰にも邪魔されず、都会のエアポケットに首まで浸かるひととき。つくづく、銭湯は奇跡だ。 (2015年4月) |
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中華料理食いすぎで胃袋ヤバイ。でまた寝る前の腹ごなしに酔って銭湯、アカンっちゅうに。 地下鉄阪東橋駅から北へ3分ほど。ビルの谷間に忽然と現れる古い建物。暗くて見えないが、黒瓦に千鳥破風の伝統的な面構え。でも入口を自販機が挟み撃ちしていて、庶民的ちゅーか。 ここだけ異質 暖簾をくぐると玄関スペースも古い空間、しかもすでにここで濃い目のケハイが漂っている。 (左)福助ないがしろの傘立て (右)格天井、「男湯」の書体もなにやら・・・ 戸を開けると木の番台におばちゃんが座る。 白っぽく塗られた折り上げ格天井だが、けっこう長年の色素沈着。床は合板フローリング、ロッカーもチープな合板製で、その上に常連グッズがゴチャゴチャ置かれている。 そして、どういうかかわりかは知らねども、円と三角を組み合わせたようなデザイン画やオブジェがあちこちに飾ってある。だが正直言って・・・いや、とにかく並の銭湯とは異質なケハイが漂っている。 浴室は小ぶり。天井や壁のペンキはかなりハゲている。正面奥の壁にオランダ風車のモザイクタイル絵があり、その下に深浅2槽が並んでいる。 ややっ、気泡つきの深風呂は黒湯だぞ! 濃さはアメリカンコーヒーくらいだが、これは嬉しいねぇ。温度計は44度を指しているが42度くらい。 やっぱり天然温泉は気持ちよろし。じゅうぶん浸かって火照ったら、カランの冷たい水を頭からズバッとかぶる、この反復。酔ってるときはこいつがコトに気持ちエエのです。まあそのうち死ぬやろな。 しかしなんちゅーてもここの最大の見所は、男女仕切り壁にある4枚のタイル絵だ。1点あたりタイル24枚、すべて「鈴栄堂」の九谷焼。奥から、「耶馬溪の紅葉」「熱海の兜岩」「江ノ島から富士山」「日本ラインに帆掛け舟」の色鮮やかな名所図会シリーズだ。すばらしい。 なのに手前の3つは下のほうがシャワー増設のために切れてしまっている。じつに惜しい。 反対側の壁には、熱帯魚のモザイクタイル画がある。 そして脱衣所にもあった例のデザイン画が梁や柱に描かれている。男女隔壁の上には、同作者によると思われる翼のような妙なオブジェも飾られている。でも薄汚れ。 さらに脱衣所との境の上部ガラスには舞妓や芸妓の写真が、浴室から見えるように脱衣所側にテープで貼り付けられていたりする。うむむ・・・。 ともかく手加減なし、これでもかーのビジュアル攻撃。 にもかかわらず、華やかさは微塵もない。打つ手がすべて独特の濃度の上昇に直結している。ある意味すごいかも。 上がるとき、足拭きマットが黒ずんでいてオットット、思わずまたいじゃった。脱衣所の隅のほうも黒じんでるのぅ。 立派な外観に、黒湯あり、見事なタイル絵あり。マニア的におもしろいものもいろいろある。 だが・・・いろいろと、ともかく「惜しい!」 (2005.1.20) |
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大和湯 ★ 《廃業》
地下鉄出口から徒歩2秒。いきなりイニシエ全開の秒殺銭湯だ。 横浜市営地下鉄の吉野町駅。東1番出口から地上に出て、後ろを振り返るべし。問答無用の伝統建築黒瓦が覆いかぶさるように立っている。 中央手前が吉野町出口 もう一目見て堂々たる大型銭湯、ほれぼれするねぇ。そして関東へ来たらやっぱり黒湯だ、楽しみだ~。さっそく暖簾をくぐる。 (左)入口にも気品が漂う (右)関東名物、傘入れ自慢。奥の窓の桟も凝った意匠 下駄箱周辺からして豪華で、和の職人技を尽くした貫禄がある。 靴を脱いで上がると、ニス塗りの床が輝き、木の番台が聳え立つ。「これが日本の銭湯です」と胸を張っているかのような造りだな。 脱衣所は言うまでもなく折り上げ格天井、しかも関西人が腰を抜かすような高さ。この中で気流が起きとるで。大黒柱や柱時計も威風堂々。島ロッカー2列配置。 浴室へ。 こちらも高~い2段天井、白く塗られている。 まず目に飛び込んでくるのは奥壁の壁画。額縁みたいなタイル囲いの中に10cmほど奥行きをもたせ、そこにタイル絵で西洋の湖水風景が描かれている。でも不思議な線描き風で、こんなの見たことない。バックの山も変な形だ。 湯舟は奥に3槽が並ぶ。 右に深風呂ジェット付、45度近いアツアツのぎんぎん。きましたねぇ。 真ん中は浅風呂、43度強で気泡噴出。これもキクなあ。ガリウム石の入った壁のオリから湯が出るパターンね。 そして左に黒湯浴槽、けっこう濃いぞ。真っ黒な湯から気泡がプクプク出ている。入ってみたらかなり深いが、これがまたまろやか、しかも41度くらいのぬるめなので、なんぼでも入ってられる。極楽度そーとー高し。 カラン周りは新しくてきれい。島カランにもシャワーと鏡のフル装備で、使い勝手もいい。 熱いのと黒湯とを何度も往復し、この銭湯に満ちる幸福を残さず吸い取ろうとする俺。きっとあなたもそうするであろう。 いやまあしかし、メタメタぬくもった。上がってからも汗が全然ひきまへん。大満足。 (2007.1.17) こんなのが駅前2秒にあるなんて |
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みなと湯 ★
ひさびさの関東地方。以前から気になって仕方のなかったこの旅館兼業銭湯に宿泊兼入浴してやる~。 横浜っちゅートコは海沿いに南北に伸びている。 京急に乗って東京からどんどん遠ざかり、最南端が金沢区。もっと南下すると横須賀市に入って、その最初の駅が追浜(オッパマ)だ。 目指すみなと湯は金沢区にあるが、駅はこのオッパマが近い。オッパマってから少し逆戻ってヨコハマる作戦で接近するのが正解だ。 10分たらず歩いたあたり、看板に導かれて幹線道路から左へ入る。すると桜が咲いている。その花影に、ああこれよ千鳥破風もりりしい伝統建築がたたずんでいる。これが銭湯「みなと湯」だ。そして隣にあるのが「みなと旅館」。 朝電話したら、午後なら何時にチェックインしてもよいとおっしゃる。夜行バスで寝不足の俺はお言葉に甘えて、昼過ぎにいきなりお部屋にチェックイ~ン、続いてお風呂にダイビ~ン。 (左)向かいに池があって鯉が泳いでいる (右)みなと旅館、俺の部屋はこの右手の離れ まずもって玄関先の桜、池、鯉、そして阪急電車色の暖簾が激渋やおまへんか。 この暖簾をくぐりたい気もするけど、宿泊者は一般外来客と格の違いを見せつけなければならないため、宿泊者のみに許された特権的出入り口から入ることにする。 (左)一般人の玄関 (右)宿泊客は横の入り口から脱衣場へダイレクト・イン 脱衣場は古典的な東京型の木造建築、高い格天井に島カラン、つやつやの床だ。番台は後ろ向きのフロント型に改造されていて、昔はさぞやブイブイゆわしたんではないかと想像される威厳系バアサマが優雅にタバコをふかしている。 (左)番台は簡易フロント式に改造されている (右)脱衣場から見た番台 (左)宿泊者はこの左側ガラス戸から (右)折り上げ格天井に大阪十三の寿湯式照明器具 よき風情の空間だ。東京型クラシカル銭湯の脱衣場はじつによい。 だが脱衣箱に鍵がない。番台のバアサマに番号指定の鍵を借りるシステムになっている。建物の古めかしさに似合わずスーパー銭湯式だ。 指定された島カランに脱いだ服を放り込んで、いざ浴室へ。 (左)男湯(翌日営業時間前に撮影) (右)ワシのマークでファイト一発! おっとぉ! 意外にこぢんまりした浴室で、奥に深浅2槽のみ。奥壁にはペンキ絵の富士山ではなく、モザイクタイルで大きなワシが描かれている。これは珍しい。 天井は2段式の東京型で、壁などの水色ペンキはかなりはげちょろけになっている。痛みはあるものの、しかし雰囲気の渋さで何もかもが許される。 お湯は2槽ともアッチッチ。45度くらいありそうだ。それが気泡やジェットでかき回されて、漬けた足に突き刺さってくる。でもこれが関東の風呂なんだよなぁ。 常連の爺様にことわって水で埋めながら入るうちに慣れてきて、水なしでもなんとか入っていられるようになった。しかしせめてどっちかぬるめにできんものか。 ところでここは毎週水曜日に「じゃばら風呂」をされている。じゃばらとは和歌山県北山村で栽培されているキョーレツな柑橘で、大阪の銭湯は年に一回「じゃばら風呂」をするのだが、こんなところで、しかも毎週じゃばら風呂が行われていたとは! しかもこの日たまたま水曜日だったので、布袋に入れたじゃばらが浮かべられて芳香を放っているではないか。 アツアツのじゃばら湯で十分茹っての湯上がり、なんか飲み物ないかとフロントのバアサマに聞くと、「うちは水とじゃばらジュースしか置いてない」とおっしゃる。 じゃばらとのただならぬ関係を感じる。もちろん、じゃばらジュースを飲んだ。 翌日、営業時間前に女湯も見せていただいた。こっちもまたエエぞ! (左)女湯はチルドレン (右)カラン部分は湖と山の絵 (左)赤ちゃん台にカラフルなタオルケット。鏡の下は謎の箱 (右)女湯にだけ憩いの部屋が! 脱衣場のレトロムード、くつろぎ度は女湯のほうが上だ。悔しいなぁ。 ちなみに旅館部は、俺は値段の高いハナレ(4500円)をあてがわれたが、じつによく寝られる部屋だった。風呂上がりの夕方4時から3時間昼寝して、夜もグッスリ。今度は安いほうの本館にも泊まってみたい。こちらのみなと湯HPでチェックすべし。 (2013.3.27) |
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斗の湯 ★《廃業》
しかし日本人というのはどっち向いて生きとるんかね。斗の湯へ行かずに何やってんの? 東急横須賀中央駅から坂道をテクテク歩いて20分、いやもっとか。バスに乗って佐野4丁目で降りるほうが正解かも。 道路わきに、小さくて古くて美しくて国宝的で世界遺産的な1軒の銭湯がある。 一目見た瞬間、膝の裏から背骨を通って肩甲骨にかけての経絡秘孔すべてを中国バリで一度に刺し貫かれたような衝撃が走り、その場に崩れ落ちそうになる。 もうね、みんなマジ何やってんの? 家でポテトとか食いながらマツコの番組なんか見てる場合か? (左)傘立ての後ろで福助お出迎え (右)入口上部 立たなくなった膝をカクカクゆわせながら夢遊病者のように戸を開ける。 そこには嗚呼、俺を待つ、俺だけを待つ、愛しくてせつなくて心強くて美しくて小さくて国宝的で世界遺産的な空間が静かに用意されていた。 (左)素朴な番台、おかみさん人柄最高 (右)格天井の小宇宙 昭和12年の建物だそうだ。 愛の力で維持されてきた風呂特有のぬくもりオーラが歴史的に攻め寄せる。自分を保つのはもう無理だ。俺はもはや幽体離脱して空から見下ろしていた。裸の俺の肉体が今、膝をカクカクゆわせながら浴室へと入ってゆく。 (左)宝石箱 (右)夢 感動機能をすべて使い果たした俺の魂は、この時点で天に召されていった。 残された肉体はこの奇跡空間で贅沢にも普通に風呂に浸かり、体を洗った。 湯温もちょうど。気泡も快調。カラン上のタイル絵はだいぶ薄くなっているが、浴室・脱衣場ともによく清掃され、極楽浄土の様相を呈している。 客は俺以外に一人いただけだった。 みんな何やってんの? てかユネスコ何やってんの? (2013.3.27) |
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清水湯 ★
鎌倉駅から海のほうへ15分くらい歩いたかな。閑静な住宅地にポツンと現れる、昔ながらの風情が最高によろしいがな。 もう鎌倉駅からの徒歩エリアにはここ1軒しか残ってないらしい。それで週休3日やと! もはや待ったなしの危機的状況なのではないか、と思って来てみたら、おんやぁ…? なんや若者がいっぱいおるがな。こんな大勢と一緒に入るのはカナンぐらい大繁盛しとるで。 そうか海が近いから、海水浴やらサーフィン帰りに入っていくわけか。 繁盛してるのは大変よろしいが、大勢の若者どもと一緒に入るのは正味カナン。かくなるうえは歩いて5分ほどの海へワシも遊びに行ってから、頃合を見計らって再アタックぢゃ。 と出直してみたが…まだ混雑しとる! フーム、週休3日なのは客減少とは別の事情によるものみたいぢゃのぉ。 おや? 若者が多いせいか、その対比でいつしか自分が必要以上にジジイ化しとるのぅ。 (左)入口に「砂を落としてからお入りください」とある (右)オロナミン渋い 入ると番台には、意外にもまだまだ若い女性が座っておる。てっきり週に3日休まんと死んでしまうようなバーサマがおると予想していたのじゃがのう。 脱衣場も昔ながらのよき風情。格天井ではないけど高くてよいわい。 でも人が多いのでゆっくりはできん。さっさと脱いで浴室へ。 入った正面に、ちょっと変わった六角形の島カランがある。 その向こう、浴室の真ん中に湯船がドーンとあるのは関東では珍しいのぅ。真ん中といっても奥まで伸びて壁にくっついている。 その横に、鯉と金魚が描かれた九谷焼のタイル絵があるぞ。 湯船は2つに仕切られ、手前はブクブク気泡風呂、奥は深湯。いやはや、ちょうどええ具合のお湯じゃわい。 窓からは陽光が差し込んで明るい浴室だ。夏の湘南で、日の長い夕方の風呂…もうちょいすいてたら極楽なんじゃがのう~。 カラン列もおおかた埋まっていたが、男女壁側のシャワーつきのほうを確保した。 しばらくすると若者たちは上がっていったが、入れ替わりに地元のオヤジたちが入ってきて、常に賑わっている状態なのじゃ。ま、たまにはこういうのもエエわい。 水風呂はないが立ちシャワーあり。 営業日は少ないが、活気があってよろしい。レトロな雰囲気もばっちりぢゃ。 古くからの鎌倉エリア最後の1軒、週休3日でもいいから長く続けていただきたいものぢゃ。 じゃがワシとしては、次はぜひオフシーズンのすいているときに来て、のんびりしていきたいもんぢゃのぉ。 (2014年8月) 風呂はよいぞ |
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常楽湯
賑やかな大船駅から徒歩10分くらい。交通量の多い幹線道路から裏道に入ると、なにやら突然の田舎風情が展開し、1軒の古い銭湯が現れる。 しかも銭湯脇には燃料用と思しき大量の廃材が野積みされていて、ディープなケハイが濃厚に漂っとるで。 (左)突然の田舎風景 (右)近づくと古いながらも端正な面持ち (左)こんにちは傘隠れ福助です (右)古い看板 靴を脱いで中に入ると、番台にご高齢のおかみさんが座っている。 こぢんまりとした脱衣場は整頓されていて、なかなかの脱力空間だ。造りは古いけど、番台や脱衣場天井はチープな新建材で改装されている。 でもトイレは汲み取り式。このあたりにもまだ残っているのね。 と、そこでこいつが目に飛び込んできた! ラブリ~ 浴室入口脇にある流し台。なにこのかわいいタイル使いは。こんな流し台、西日本ではお目にかかったことがない。 その右に古い体重計があり、左には美しく咲いた真紅のアマリリス2鉢が置かれていて、この一角が大きなアクセントになっている。 浴室に入ると、外観から想像されたディープな印象は完全払拭された。ピッカピカやん。 奥に深浅2槽、洗い場中央に島カランのクラシックスタイルで、奥壁には丸山絵師による西伊豆からの富士山ペンキ絵がドーン。その下にヨーロッパ調のモザイクタイル画がある。 男女仕切り壁にもヨーロッパ調のモザイクタイル画あり。 お湯は深浅ともにジェットつき、43度くらいの俺的最適温度だ。 それにゆったりと浸かりつつ、しみじみと浴室を眺める。じつになんとも明るくてきれいな浴室、快適至極とはこのことやな。 ただし天井だけはペンキがハゲハゲ。そこまで手が回らんかったのね。 それとシャワーはいつまで待ってもぬるいまま、これも古銭湯のご愛嬌。 上がりは牛乳120円を飲みながら、脱衣場でノロノロとくつろいで帰った。 外観と内部のギャップが楽しく、気持ちの良いお風呂だった。(2015年4月) |
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不動湯 ★
湘南の名銭湯ここにあり。 JR辻堂駅の南口を出て南東に徒歩5分。静かな住宅街に、いきなり古式ゆかしき銭湯が現れる。 この美しさ、この気品。風呂バカの俺様、棒立ち。 (左)この松を見よ! (右)玄関戸の曇りガラスに、透明男女と透明逆さクラゲ 暖簾は出ていないが、開け放たれた玄関がお湯へと誘う。 入ると下足室、木の下駄箱がデカイ! 長靴?ブーツ?上等だ。 靴を脱いで脱衣所へ上がると、番台におやじ。神奈川料金は430円か・・・。 脱衣所は奥行きがなく、横に広い構造。こげ茶の板張り床が広がり、升目の大きな格天井はさほど高くない。前栽には溶岩や石灯篭が置かれ、池に金魚が泳ぐ正調クラシックなくつろぎ空間だ。 隅に木のロッカーがあるが鍵はなく、ほとんど使われている気配がない。他客は乱れ籠に脱いだものを入れて放置しているので、俺もそうする。 浴室も奥行きはさほどないが・・・なんと言っても目に飛び込んでくるのは、奥壁から左手にかけて積み上げられたド迫力の岩石群だ。こいつはたまげた。いろんな岩が混じっているが、浴室内にこれだけの岩を持ち込んでいる一般銭湯はそんじょそこらにないぞ。 湯舟は岩石群の手前に深浅2槽で、岩の間から勢いよく吹き出る湯が流れ込んでいる。湯温はともに43度くらい。 手前の洗い場スペースには島カランが2列あるが、シャワーと鏡があるのは男女隔壁ぞいのカランのみ。タイルは新しいもので清潔度高し。 もうひとつ目を引くのは、島カランから2段式天井(あまり高くない)に伸びる3本の円柱だ。1cm角の豆タイルがびっしり張られている。 夕方4時前、お客は7~8人。 富士山の壁画もいいが、大きな岩に包まれての入浴っちゅーのも旅情にひたれますなあ。熱めの湯も俺にはちょうど。 上がりは飲み物販売あり。 駅から近いのも嬉しい。列車の時刻までゆっくりしていこう。 (2007.1.17) 振り返らずにはおれません |
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中島湯
小田原駅から東へ8分くらい歩くと、南北の道路に面して古い銭湯あり。 大阪のレトロモダン銭湯みたいな凸型の看板建築、その下に赤トタンの破風玄関がかわいらしくついていて、暖簾の下には郷愁バリバリのコゲ茶色の引き戸。 帰りの列車の時刻が気になりながらも、これは入ってしまうでしょう。 入口付近の泣ける風情 戸を開けると、狭いタタキに靴がたくさん脱ぎ捨ててある。左手に下駄箱はあるんだが。 番台におやじが座っている。湯銭は380円? 神奈川は東京都ともに日本一高い430円のはずだが・・・「小田原はこの値段です」だって。まあ安いことはいいことだ。 板張り床の狭い脱衣所は、壁を合板で改装してあるが、木目調でなかなかよろし。でも時間もあんまりないから急いでハダカになる。 浴室もこじんまりで、2段式の天井も低め。奥2槽、手前カランの関東式だが、8つのカランがちょうど8人の先客で埋まっている。開店直後はやっぱり賑やかだな。 そして奥壁に出ました、富士山のペンキ絵。おだやか~な印象の富士山だ。 湯舟は深43度、浅42度くらいで、ともに気泡噴出。列車に長時間乗る前に、じっくり腰を温めていくとしよう。 床タイルやカラン周りは新しいタイルが張りかえられていて清潔。小さいけど、生活銭湯としては申し分ない。 8人が上がった後しばらく貸切になったが、すぐにまた3人ほど入ってきた。 地元に愛される、気持ちのいい銭湯だ。 (2007.1.18) 横から浴室を見たところ |
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