関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
【高知県】の激渋銭湯
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潮湯 (高知市)
相生湯 △(土佐清水市)(廃業)

潮湯

高知市潮新町1-8-19 →地図
TEL:088-831-2283
【営業時間】15:30〜21:30
【定休日】日曜日


 路面電車の桟橋通1丁目から5分ほど歩く。町名からして「うしおゆ」と読むのだろう。
 何の変哲もない、力の抜けきったような住宅地の中に、なに主張するでもなく湯を沸かして風呂に入れてくれる家、ていうかまあ銭湯なんやけど。
 しかしこれ、店とか商売とかいうケハイがないからね。

 

 
よく見たらたぶん風呂屋

 玄関の内側、間口ぶんのタタキに暖簾がかかっている。
 ゴムゾーリを脱ぎ捨てて中に入ると、幅の広い番台でオヤジが足をあげて寝そべっている。
 嗚呼もうこのユルユルおやじ。人が脱力しているというより、脱力が人型に化身している。

 天井の低い脱衣場だ。
 男女仕切り壁が変わっている。白塗りの壁が三ヵ所で四角く堀り込まれ、そこに散髪屋のように鏡が一つずつ嵌められている(うち一つは鏡が失われている)。
 この三ヵ所の掘り込み部分の女湯側はどうなっているのだろうか。とにかく初めてみるパターンだ。

 裸になって風呂へ。
 浴室は中央やや奥に、水色タイルの湯船一つだけポン。この湯船も変わってる、全体が浅くて、一部が掘りごたつみたいに足を下ろせるよう深くなっている。これもまた初めて出会う様式だ。
 湯は41度あるなしだろうか。しかも喫水線の10センチくらい下までしかない。

 掘りごたつ式の浅い湯に浸かりながら、男女壁に描かれた鯉のモザイク画をぼんやりと眺める。
 これがここでの入浴スタイルなのだろう。

 湯船と奥壁の間に、奇妙な空間がある。幅1.5mほどだが、とくに洗い場というわけでもなく、観葉植物と変な形の岩が並べられている。
 浴場設備という観点から見た場合には完全に無駄なスペースだ。しかし旅の観点で見ると、この土地の精神性を感じさせる興味深いスペースということになる。

 出入り口横に水風呂とおぼしき副浴槽があるが、ジャリやタイル破片などで完全に埋められ、ここにも変な形の岩が飾られている。
 おもしろい。ちょっとだけ。

 カマボコ天井はプラ波板で覆われている。
 カラン圧はよいが、シャワーは最後まで水だった。
 ふつうは出入り口横に積まれている椅子と桶は、なぜかいちばん奥のすみにきちんと積まれている。

 デッドスペースの多い不思議な空間。土佐清水の相生湯を思い出した。
 湯がぬるいために、入浴によって得られる肉体的な満足度は低い。しかしこの銭湯全体を覆いつくす脱力ゆるゆるのオーラは他では得がたいものがある。

 しばらく経つと、あの脱力オーラの正体を確かめにもっぺん行ってみたいとの気持ちがじわじわと忍び寄ってくるはずだ。 
(2014.7.28)

 
この奥に釜場がある
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相生湯△ ≪廃業≫

2014年10月に廃業されました。
レポートは営業当時のものです。
(原沢さん情報感謝!)


土佐清水市中央町3−3 →地図

TEL:0880-82-0805
【営業時間】14:00〜23:00
【定休日】5のつく日


 四国の南端、土佐清水。
 銭湯壊滅が当たり前の地方小都市にあって清水には至近距離に2軒の銭湯が健在だよ嬉しいのぉ。
 漁港の近く、市街地のほぼ中心部のカラー舗装地帯に現れた相生湯、こいつがまた独特のレトロな味わいを周囲に振りまいとるがな。

 
(左)中心街、いまはちょっと寂しい   (右)このタイルに描かれた屋号よし!

 なんちゅーても気になるのは2階の喫茶「モカ」ね。あとでコーヒー飲もうかと思って時間を聞いたら「夕方5時まで」・・・うむ〜時間がなくて残念!
 でも風呂の営業時間は長いぞ。さすがは漁師町だ。

 
(左)この玄関まわりも味わい深い   (右)男湯の脱衣場はモノ多し

 中に入るとタタキに番台があり、おかみさんが座っている。
 脱衣場は2階にモカがあるせいで天井は低い。そしていろいろなモノが多い。
 なかでも目を引くのは常連の石鹸箱だ。こうして石鹸箱だけが専用棚に整然と並べられているのは見たことがない。
 しかもよく見たら、一つ一つに漁船の名前が入っている! さすが漁師町!

 
(左)石鹸箱ビルヂング   (右)タオル使い放題!

 さらに、貸しタオルが浴室入口付近の籠に重ねられていて、無料で使い放題。これはいいね! 健康ランドやサウナではこれが標準だが(韓国の銭湯も)、一般銭湯ではほとんど見ない。小規模銭湯ならさほどカネもかからないだろうから、よそもぜひ取り入れてほしい。

 そして浴室へ進むと、おぉ! 海を思わせるオーシャンブルーな空間の真ん中に、これまたレトロ感あふれる楕円形浴槽が鎮座しとるがな。しかも非循環の旧式だ。
 お湯はややぬるめ。奥のほうに副浴槽がいくつかあるが、残念ながら機能していない。

 
湯船の内側手前に浅い部分あり

 男女壁側にカラン列があるが、シャワーはいくら出しても冷たいまま。その他の管理もわりと大雑把な感じで、惜しい!マークをつけたくなる。
 とはいえ漁師町の古銭湯がここに現役で存在しその異空間にスッポンポンで身を置く点に意味を見いだすのが変態的な銭湯クソオタクの保守本流というものであろう。

 相客は一人だけだった。
 上がっておかみさんに聞いたら、築80年になるという。常連の石鹸箱は多いが、「さみしいので以前のままにしてあるんです」・・・今はさほど客が多いわけではなさそうだ。

 女湯に誰もいなかったので、見せてくださった。ら・・・!

 
かわいー!

 手塚治虫のヒョウタンツギにしか見えん。頭の部分は浅くなっていて、子どもの安心のために境界がくびれているのだと思われる。
 地方色ゆたかな味わい深い銭湯だ。磨けば光ると思われるが・・・。

 湯あがり、うまい魚をたらふく食ってビールを飲んだあと、この銭湯から1分と離れていない旭湯にも行ってみた。
 こちらの外観は新しく改装されている。だが玄関の床タイル、上りがまちや木戸のレトロ感は意外にあなどれない。

 
(左)改装系  (右)見たことのない玄関の床タイル

 脱衣場には相生湯と同じく漁船名の石鹸箱がぎっしり並び、貸しタオル使い放題も同じ。これはどうも清水スタンダードなのだな。
 でも浴室は相生湯とは打って変わって機能的に改装され現役バリバリ、強力ジェットや気泡にサウナ&水風呂も備えて、快適さでは大きくリード。客も多く賑わっていた。
 しかも白ケロリンが見たことないほど山積みだ。

 四国の地の果て、土佐清水に残る対照的な銭湯2軒であった。 
(2012.1.8)
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