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【台湾】の激渋銭湯 | ||||||||||||
瀧乃湯 (台北市) | ||||||||||||
瀧乃湯
日本と同じく環太平洋火山帯に属する台湾にはあちこち温泉が湧いていて、台北から地下鉄(MRT)で行ける温泉もある。それが新北投(しんぺいとう)温泉だ。 台北駅からMRT淡水線で12駅目の北投駅から、さらにこの温泉へ行くために1駅だけの支線がある。 北投駅から。山麓に湯気が見える その終点・新北投駅を出ると、さっそくあたりから硫黄の香りが漂ってくる。 正面右前方に見える細長い北投公園に沿って坂を登ってゆくと、公園の東側に古びた日本家屋あり。ビルの谷間にひっそりと息づいている風情はなかなかのもので、通りかかった中華系観光客の団体が写真を撮ったりしている。 それが瀧乃湯だ。日本時代に日本軍が作ったという温泉で、建物全体に相当年季が入っている。 もろに日本です 入ると正面にフロントがあり、左右に「男湯」「女湯」と大書きされている。おっちゃんに100元を払い、左の狭い入口から男湯へ。 おっと、いきなり浴室だ。浴室と脱衣場が一体になった風呂場は九州によくあるが、ここには下駄箱すらないぞ。 見ると、壁際に設置された棚の下部に靴が入れられ、上部に脱いだ服が入れられている。だからそのへんを歩く場合は靴の人もハダシの人も一緒くただ。さすがにこれは日本にはないな。 風呂場は思ったより広くて、お客は20人くらいいる。ハダカの人たちを避けながらゴムゾーリのまま奥へ進み、空いている棚を探して服を脱いだ。 昔からほとんど改装などなされていない様子で、照明も薄暗く、かなりディープな空間。その大部分は2槽の大きな湯舟(中国語では浴池)で占められている。石造りのがっしりしたものだ。 入っている人は3〜4人で、他の人は湯舟の周囲に座ったり、石の床に敷かれた薄汚れたビニールマットに寝ころんだりしている。湯が熱いのかな。 まずは奥の湯船でかかり湯すると・・・ぎひぇ〜、アッチッチ! 熱うて入れんがな。しばらく湯舟の横に座ってかかり湯を続ける。 湯を舐めてみると、強い酸味+薄い塩味。町に漂う硫黄臭はまったくない。北投温泉といっても泉質はいろいろらしい。 少し慣れてきたところで中に入るが・・・うむむ〜、これはどう考えても47度以上あるぞ。 深さは腰くらいまでだが、それ以上はものの5秒も浸かれない。でも涼しい顔で長く浸かっているオヤジが2人ほどいる。 よく見たら、この奥の湯船に熱い源泉がドバドバと投入されている。ということは、手前の湯舟はぬるいかもしれんと思って、湯の中をソロリソロリと移動し、手を入れて温度を確かめた。思った通り若干マシだ。それでも44度くらいありそうだが。 とりあえずそっちに移り、首までしっかりと浸かる。あ〜、キクのぉ・・・。湯船の底も石造りで、足裏ざわりが心地よい。 浴室奥の増設スペースのようなところにシャワーとカランがあるが、水しか出ない。そこで水をかぶって体を冷やしては何度か浸かる。 壁に大きく注意書きがある。漢字をたどると、湯の中にタオル浸けるなとか体を洗うななど一般的なことが書かれてあるが、その中に「揉身禁止」みたいなことも書いてあった。お世辞にもきれいとは言えない風呂場だが、みなマナーよく静かに浸かっている。 一人の若者が入ってきて、あまりの湯の熱さに足先だけ漬けて足指を揉んでいたら、先に浸かっていたおじさんに「Hey, Hellow!」と声を掛けられて注意されていた。マナー知らずはどうせ外国人だろうと思われたのだろう(実際、日本人のようだった)。 近ごろ中国人旅行者のマナーが問題にされることがよくあるが、この風呂では恐らく、「日本人はマナーを知らないから教えたれ」というようなことになっていると思われる。 風呂場に滞在40分、最後には熱いほうで1分間我慢できるようになった。 亜熱帯性気候でふやけた体にビシッとヤキを入れる、大日本帝国的な強酸性の湯だった。 (2007.12.23) 外へ出たら雨だった。フロント横は経営者(台湾人)の住居で、部屋の中が丸見え |
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