関西の激渋銭湯
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【徳島県】の激渋銭湯
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昭和温泉★ (徳島市) (廃業)
養老湯 (鳴門市)
(廃業)
宝温泉 (小松島市)

貞光温泉★ (美馬郡つるぎ町)
(廃業)

昭和温泉 ≪廃業≫

2015年に廃業されたようです。
レポートは営業当時のものです。


徳島市昭和町6丁目48−2 →地図
電話:088-654-7454
【営業時間】15:30~22:00
【定休日】6のつく日


 徳島駅から歩いたらだいぶ疲れた。3kmはあったやろ。よい子はバスに乗りましょうね。バス停「昭和町7丁目」の真ん前ですからね。
 そのバス道からちょっと南やけど、手前の建物がないので丸見え状態の銭湯あり。白い三角巾のような看板建築でレトロな面持ち。
 表の戸も開けっ放しの解放感がエエ感じやわ~。裏に回れば釜場に燃料の薪が見える。

 
(左)バス通りからちょっと入る   (右)ええ味だしとんな

 中に入るとタタキに番台のオールドスタイルやけど、脱衣場との間に仕切りがあって別室みたいになっている。
 番台には感じのいいおかみさんが座っておられる。

 
(左)もろたカレンダー3種類貼り   (右)こんなに客が入るのか

この仕切り付近は多種類のカレンダーなどでゴチャっとした感じだが、脱衣場自体はわりとスッキリしている。板張りの床が心地よい。

 
(左)ロッカーの一部が本棚状態   (右)浴室方面はスッキリ

 
(左)かわいい3枚羽   (右)え

 ロッカーはマンガ書架となっており本来の機能は果たせず、プラ籠を使う。ええねんこれで、と問答無用の脱力全肯定だ。
 ユルイ脱衣場でノロノロ裸になって、風呂場へと進む。

 するとこの浴室がエエのんやコレが!

 
(左)細かな床の玉石タイル   (右)奥の岩から湯が出る

 
(左)副浴槽   (右)天井フラット

 いや、とくに何もない。男女壁に接して、昔のタイル張りの深浅主湯ぽん。奥にブクブクの副浴槽ぽん。そんだけ。壁画も飾りもなんもなし。
 なにがエエのんかというと、お湯だ。抜群にエエ。少し熱めだが俺にはちょうどの絶妙湯温。イキイキとしてるのに柔らかいお湯。
 それがもう溢れんばかりに満々と沸かされ、入るで、ええのんか溢れんで知らんで、それ~っ、と入ったらホラ言わんこっちゃないザァ~っと大洪水やウッホッホ。

 むろん温泉ではない。軟水化されているわけでもない。でも肌の野郎とヒフの野郎が手を取り合ってピクピクっと小躍りしよんのよ。よほど井戸の水質が良いのだろうか。
 いやもうあちこちの風呂さんざ入りまくっとるけど、お湯だけでこんだけ喜びに満ち溢れて幸福の渦にもみくちゃにされることってあったかな。

 そしてよく見たら、古い浴室やけど隅々まで完璧にピッカピカに磨きこまれているぞ。奥の副浴槽の底の角の隅っこを指でツーッとチェックしてもキュッキュいうほどだ。
 おそらくは裏で薪をくべてるじいさまが毎日ムキになって、いや愛情を込めてせっせとタワシで磨いておられるのだろう。その情景が目に浮かぶ…。

 その風呂を、俺様貸切。
 なんかもったいなくてなかなか上がれず、いやー困った困った。

 長風呂でツルンツルンになってやっと上がり、番台のおかみさんに、「なんですかこの気持ちのエエお湯は、道後温泉に勝ってますやんか!」と詰め寄った。
 おかみさんは静かにこうおっしゃった。
 「いえ~普通の水道水ですよ。このへんは土地が低くて昔は塩田でしたから、井戸を掘っても塩が混じってアカンのです」

 すすす、水道水やと!?
 まあ徳島の水道水源は吉野川、それを薪沸かしすれば気持ちがエエのは当たり前なのかもしれない。しかし半世紀を生きたオッサンが水道水でこれだけのハッピー天国に包まれるとは…。

 もうね、水道水がどうの温泉がこうのというのは、ここでは意味がないわ。説明できん。入ったらわかるって。
 これこそがプロの作る風呂ということなんかもなぁ~。
 おかみさんのお人柄込みで★つき。また行こっと。 
(2014年9月)

※3軒ほど隣に徳島うどんチェーンの「とば作」あり。安くてメニュー豊富!
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養老湯 ≪廃業≫

廃業されたようです。
(ポン太さん情報感謝!)
レポートは営業当時のものです。


鳴門市撫養町林崎字北殿町130
TEL:088-686-4051
【営業時間】?
【定休日】?
【入浴料金】大人230円


 
どこにも屋号が書いてないが、電話帳には養老湯とあるから、そうなのだろう。
 JR鳴門駅から南東へ徒歩数分。小さな漁船がいっぱい係留された撫養川に出ると、対岸に白っぽい煙突が見える。文明橋を渡り、最初の信号の次の路地を左(北)に折れて2筋目を右へ。すぐ近くに醤油屋か何かの煙突もあってちょっとまぎらわしい。

 素朴な民家風の建物だが、水色に塗られた玄関周りがかわいらしい。暖簾は片側にだけかかっている。くぐると正面に熱帯魚の水槽が2つ。濃厚に藻類が繁茂している。そして木の下駄箱、鍵受けはあれど鍵はなし。

 
 
(左)水槽はこの下にもう1つ  (右)靴泥棒なんていやしない

 年季入りまくりの木のあがりがまちに上がって靴を入れ、木の戸を開けると、激しいタイムスリップ空間が当然のごとくに現れる。
 番台には90に手が届こうかという婆さん。こじんまりとした脱衣場に溶け込むように鎮座する黒ずんだ木のロッカー、体重計には貫目表示。聞いたこともない力士の名前が並んだ番付表がしっくい壁に貼られている。
 すごみを感じるほどだ。天井だけは真新しい板に張り替えられている。
 婆さんに300円を出すと、黙って70円のつり銭をくれた。230円とは安いなあ。

 
(左)使い込まれた木のロッカーには漢数字  (右)番台周辺

 浴室へ。期待通り、石畳の床。まあ当然でしょう。石と石のスキマには1cm各の細かい群青タイルが詰め込まれているのが珍しい。
 湯船は仕切り側に深浅の主浴槽と、それに一部つながる形で隅にぬるめのサブ浴槽。奥にもう1つ小浴槽があるが、これは湯が張られていなかった。
 浴槽のへりは天然石で、外側の段も同じ。いいねえ~。ええぞお~。

 トプ~ンと浸かる。ちょうどいい湯かげんだ。客は他にだあれもおらず、静寂そのもの。石の感触をじっくり楽しむ。
 こういういにしえ度の高い田舎銭湯はえてして天井のペンキが剥げまくってたりするが、ここは壁上部から天井にかけて、神戸・大阪でよく見る新しいパネルで改装されている。ほう、まだまだ続ける気があるようだな。なんかホッとするよ。

 ここで特筆すべきは、仕切り壁の上部に繁茂する観葉つる植物。湯気抜きからの光とお湯の熱でけっこう繁っており、プチ・ジャングル風呂のような感じになっている。玄関の熱帯魚といい、生命力に満ちた自然派銭湯だ。

 ひなびた小銭湯にしては脱衣所で牛乳などのドリンク販売もある。うれしいねぇ。
 
(03.12.13) →徳島旅行記
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宝温泉


小松島市横須町8−36 →地図
電話:0885-32-3040
【営業時間】15:00~22:00
【定休日】水曜日


 JR牟岐線の本数が少ないから路線バスに乗った。ケータイでピコピコ調べてみたら沿線に銭湯があるようだ。
 小松島競輪場の近くの「横須」というバス停に目星をつけて下車すると、いきなり道路の真向かいにドーンとおましたぞ。ビュンビュン車が走る国道に面して、暖簾がバタバタと風に吹かれている。

 さっそく暖簾をくぐると狭いスペースに下駄箱がある。
 靴を脱いで戸を開けると、番台に柔和なバアサンが鎮座。なんかホッとするわ~。

 脱衣場はそこそこ改装されているが、造りは昔ながらの郷愁系。天井で3枚羽が回っている。

 浴室へ入ると、コンパクトながらも6人ほどの客がいる。
 主湯は男女壁に接して深浅、古いタイル張り。浅はジェット2つ。湯温ちょうどで心地え~わ~。カラン・シャワーも快調で嬉しいねぇ。

 奥の角に扇型の副浴槽があり、周囲岩張りのジオラマ風になっている。この凝った湯船がなんと水風呂だ。
 しかも下のほうに女湯とつながっているらしき穴があり、木の柵みたいなので仕切られている。こいつはレアものだ。

 そしてこの銭湯のウリは、乾式サウナが無料という点だろう。脱衣場からは小さな覗き窓があってサウナ内部が見えていたが、浴室側はステンレス製の入口で中は見えず、混んでいるときはやや入りづらいかも。

 常連客らは、相撲や競輪の話で賑やかだ。
 特別なレトロアイテムが多く残っているわけではないけど、土地柄を感じさせる脱力の空間。旅の途中で立ち寄ってくっきり印象に残る、ええ感じの風呂屋だ。 
(2014年9月)
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貞光温泉 ≪廃業≫


2011年12/31に廃業されました。
(シロヤギさん情報感謝!)
レポートは営業当時のものです。


美馬郡つるぎ町貞光字西浦1
TEL:0883-62-2227
【営業時間】15:50~22:00
【定休日】日曜日
【入浴料金】大人340円


 ひたひたと満ちてくる幸福感。やられましたでヒサビサにぃ~。

 ここどこやねん、と言わずにおれない美馬郡つるぎ町貞光。吉野川の中流域にある地味~な町だが、南にそびえる剣山への参詣道に沿って「二重うだつ」の古い家並みが続いていて、それなりの風情が漂っている。

 JR徳島線貞光駅からその街道筋を2kmほど南へ下ってゆくと、道に突き出し看板が見えてくる。
 右に路地を入ると、さらに電飾看板が据えられている。「恵那温浴剤」とあるから人工温泉のようだが、こんな辺鄙な田舎町にあって、このやる気。胸がはずむわ~。

 
(左)これが目印   (右)あれだな! やや殺風景な2階建て

 

(左)入口の戸に味がある(営業前)
  (右)夜には入口の看板が光る

 看板を左に狭い路地を入ると入口が開いている。暖簾はないけど、玄関内側に見える木製下駄箱が俺をさそっていやがるぜ。
 赤字で「男湯」と書かれた木のガラス戸を開けると、そこは期待通りのコンパクト木造空間だ。番台の男湯側に感じのいいおやじさんが立っている。

 

(左)番台周辺とおかみさん(浴後)   (右)簡素にして感涙の美空間


 特筆すべきは床板のツルスベっぷり、これはもうギネス級。即座に這いつくばって頬ずりしたくなる。ゾーキンがけの神がここに鎮座しておられることは間違いない。
 そして次に目をひかれるのは、脱衣所の隅に飾られた似顔絵群だ。政治家やスポーツ選手などで完成度は高い。おやじさんに聞くと、ご自身で描かれたものだとおっしゃる。これはぜひともラッキー植松氏に来てもらわねばいかん。

 ただものでなさに感じ入りつつ浴室へ。

 
言うことなし

 出ました、細かいタイル張りのかわいらしい楕円湯船! やっぱり地方銭湯はこうでなきゃ。
 湯船内側の段の幅が腰をかけるには狭いけど、手前側だけ幅広になっている。そのさらに内側の底にぐるっとパイプが通され、全周から気泡がポコポコと噴出中。
 ていうかこの気泡、おまえは金魚の飼育水槽のくたびれたブクブクかと叫びたくなるユルさはいったいナニ。だがこのアンタわしをおちょくっとんのか的にフザケた具合の気泡が意外にも、大腿骨および恥骨さらには脊椎から肩甲骨までをユルユルコポコポとにくすぐり続けやがる。それによって、頭蓋内の空洞化を伴う絶対的脱力効果がじわりじわりと精神面に及んできやがるやないの。
 けっこうたまらんキショクよさがある。

 お湯は清澄にして42度強、俺的最適温。看板にあった「ラジウム泉」効果なのかなんなのか、じつに心地よい。
 奥隅に副浴槽あり、こちらは入浴剤入りでややぬるめ。こっちはこっちでくつろげる。

 カランは快調、シャワーもきっちりついていて使い勝手よし。男女隔壁は木枠にガラスブロックがはまっているというレトロな逸品だ。天井の形状もレア。
 壁下部などは新しいタイルに替えられているが、全体に古い浴室をピカピカに磨き上げてあって清潔度が高く、なんとも快適だ。お湯も気持ちいいし、上がるのが惜しくてついつい長風呂してしまう。

 ようやく上がったら番台はおかみさんに代わっていた。
 この銭湯は昭和35年からやっているそうだ。思ったより新しいが、男女壁の鏡に書かれた広告の電話番号は局番が「甲」とある、そんな時代のまんま大事に丁寧に使われてきたのだな。
 「この床が足の裏に気持ちいいですね~」と言うと、「主人が毎日拭いてるんです」とおっしゃる。あの似顔絵描きのご主人だな。

 床にとどまらず、いたるところすべてが磨きこまれて文句のつけようがない。
 ご夫婦が愛情いっぱいにお湯を沸かし続ける、四国内陸に隠れた小さな名銭湯だ。銭湯好きならここに行かずして結願はならず。

 ちなみに、この町の隣には「うだつのまちなみ」で有名な脇町(美馬市)がある。そこをぶらぶら歩いていたら、下写真のようなのを見つけた。
 こうなってからでは遅い。今もがんばる貞光温泉を応援しよう! 
(2009.9.16)

 
(左)倉庫みたいな建物前の路面にプレートが埋められている   (右)拡大
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