メ シ つ き 文 化 遺 産
激渋食堂メモ
青森県の渋~い大衆食堂
南部屋食堂(八戸市 本八戸駅)
三ツ星食堂 (八戸市、本八戸駅)

南部屋食堂
八戸市六日町39
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電話/0178-24-5500

【営業時間】11:00~18:00
【定休日】不定休(用事のあるときだけ休み)


 八戸の中心街は駅から遠く、バス移動が中心になる。
 いちばん賑やかな十三日町の交差点から一つ南の交差点近くに、そこだけ津軽海峡冬景色みたいな状態の食堂がある。
 建物、暖簾、日よけテント……すべてがくすみ、色あせ、青ざめて、疲れ切ったような表情を見せている。

 
(左)少し勇気がいる (右)玄関左のスキマが厨房

 ガラガラっと戸を開けて入ると、やや薄暗い部屋にテーブル三つだけ。予想通り店内はかなり古びていて、整理整頓とも言い難いが、不潔感はない。
 おとなしくて線の細そうなおばちゃんが一人でやっている。
 先客は意外にも40~50歳くらいの女性一人、オムライスを食っている。

 
(左)メニューは少ない (右)テーブルは清潔

 定食400円、ヤッスー。とりあえずそれを注文した。
 安いわりに、作るのにけっこう時間がかかっている。15分はゆうに待ったころ、皿が順次運ばれてきた。
 メイン皿は、春巻きとイカリング揚げ、カボチャやトマトが一切れずつ。小鉢は二つ、小松菜とろろがけと、スナズリと小芋の味噌あえみたいなん。味噌汁はシジミ汁。
 おかずの量はそれぞれ控えめだが、400円でこの品数は十分だ。小鉢も手の込んだものが丁寧に作られている。味もこの値段としては十分うまい。

 さらに支那そば400円も注文。わざわざ支那そばと名乗るくらいだから中華そばとは違うとのことだろうか。魚介系スープのあっさりしょうゆ味で、麺は強く縮れている。これもなかなかよい。

 
(左)定食400円 (右)支那そば400円

 帰るとき、「安いのに丁寧に作ってもろて、うまかったです」と言うと、おかみさんは線の細い声でゆっくりとこうおっしゃった。
「いえ……じょうずによう作られないんです……けど、体にいいものをと思って作らせていただいてます……」

 なんちゅー謙虚なお方なのだ。こんなセリフ、関西の食堂のおばちゃんからは聞いたことないぞ!
 雪深く厳しい冬を長年耐え抜いていると、こんなふうに奥ゆかしくなるのだろうか。ありがたや、もったいなや……。
(2016年8月)
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三ツ星食堂
八戸市長横町11
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電話/0178-44-5591

【営業時間】 ⒙:00~04:00?
【定休日】第1第3日曜


 夜も更けてから八戸に着いた。八戸はけっこう飲食店文化が栄えてて、夜だけやってる大衆食堂もあるらしいので行ってみよ。
 繁華街の南東外れあたりの交差点近くにデジタル文字看板、あれやな。

 古くて小さなビル?

 暖簾をくぐるとコの字のカウンターのみ10数席。厨房が広々しており、永六輔みたいな大柄で白髪のおやじさんが一人でやってる。先客一人が何か麺類を食っている。
 何時までですかって聞いたら、3時か4時か、やと。4時か5時って言ってたかな。でも3時に終わってそれからどうすんねん。

 
(左)カウンターから厨房方面 (右)この裏は麺類500~600円台。夜なのに安い!

 テーブルメニュー以外に、その日の一品ものもある。
 ビールとともに、モツ鍋定食750円のご飯なしを注文。それと一品のシマホッケ。

 
(左)ホルモン鍋定食のご飯なし (右)シマホッケ、北海道からこればっか

 やがて、ぐつぐつ言いながらモツ鍋が来たぞ。うまーーい。ホルモンたっぷり。これは値打ちある。
 キュウリとウリの間のような浅漬けが添えられている。これがたぶん名産の糠塚キュウリだな。
 飲み食いしてるうちに食欲が増進してくるパターンで、最後にラーメン500円。あっさり魚介出汁系。海苔がエエやん。

 ラーメン500円

 おやじさんは黙々と料理を作っているのだが、ちょうど24時間テレビの感動ドラマをやってて、作りながらも時折じっと見ている。
 注文が切れて暇になると、おやじさんは客に背を向けて本腰を入れて見始めた。

 こんな八戸の地でおやじとドラマを見て感動を分かち合うとは、旅ってオモシロイネ。
 そして深夜でも定食だのカツ丼だのが必要とされているんだな。(2016年8月)
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