メ シ つ き 文 化 遺 産
激渋食堂メモ
広島県の渋~い大衆食堂
こがね食堂(広島市、本通駅)(閉店)
南星★(広島市、胡町電停)
博美食堂(広島市、銀山町電停)
水主亭(広島市中区、「舟入町」7分)

森田食堂(呉市、呉駅)
大衆食堂 稲田屋★(福山市、福山駅)

今友(三次市、三次駅)

こがね食堂 (閉店)
2017年11月10日で閉店されました。
レポートは営業当時のものです。


広島市中区袋町4-1
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電話/082-248-3018

【営業時間】11:30~22:00(L.O.21:00)
【定休日】日曜日


 広島市街地の真ん中、広電とアストラムラインの本通駅から徒歩3分ほど。
 入ってすぐ左手におでん器とおかずのガラスケースがあり、奥へ長くテーブル列とカウンター席が続いている。なかなかの収容力だ。

 
居心地よし

 店内は美しく整い、店員のおばちゃんやカウンター内の大将の対応もいい。
 ただし値段は、うどん400円、ラーメン550円、カレーライス600円、親子丼700円、瓶ビール大700円など大衆食堂としてはややお高め。
 でも一品もののおかずが豊富なのと、めし(大160中150小130)や汁(味噌汁100円豚汁150円)が安いので、組み合わせてマイ定食を作ったり、居酒屋づかいをするもよし。
 おでん器も大きく、独特の真っ黒いだしにいっぱい浸かっていてそそられる。

 老若男女が利用しやすい、ザ・大衆食堂の優良店だ。
(2014年12月)
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南星 
広島市中区薬研堀3−15
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電話/082-241-3466

【営業時間】 10:30~19:00
【定休日】 日曜・祝日


 薬研掘の繁華街に、ささやかな食堂がある。
 通りから少し斜めにずれた玄関は、通りゆく人々に遠慮がちに会釈しているかのようだ。
 しかし窓枠やガラスからは、ただものでない年期と味わいを感じさせられる。

 
(左)手前の窓ガラスとか   (右)この扉とか取っ手部分とか

 店はテーブルが8つほど。65年ほど前から完全に時間が止まっている。天井がとても高く、並みの食堂にはない落ち着きが感じられる。
 古いけど隅々まで清潔。テレビもなく静かな空間だ。

 
(左)しゃれた喫茶店のようでもある   (右)天井ワンダホー

 奥におかずケースがある。カンパチ甘露煮を取り、ご高齢のおかみさんに温めてもらうべく手渡しながら、めし小110円と味噌汁110円を頼む。
 他の短冊メニューも、うどん300円台~500円台、丼物500円台など、どれも安い。

 
(左)カンパチ甘露煮カボチャつき280円、うんまー!   (右)しめて500円、安すぎる!

 ゆっくり、しずかにいただく普通のメシ。ホンマうまいわ・・・。

 建物の雰囲気とともに特筆すべきは、開店当初からこの店とともに歩んできた、物腰やわらかく品のあるおかみさんのお人柄だ。
 この人に運んでもらい、お茶を入れていただくだけで、料理は倍おいしくなる。魔法というほかない。

 聞けば、原爆投下で焼け野原になったこの地で、1950年ごろに建てられた建物だそうだ。
 はじめは洋食屋で、高い天井はその名残り。のちに現在のような大衆食堂になった。

 次に広島へ来ても必ず寄ろう、と決意させられる小さな名店だ。
(2014年12月)
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博美食堂
広島市中区幟町9-14
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電話/082-221-4652

【営業時間】
 (月〜金)10:30~14:00 16:30〜21:00
 (土曜日)10:30〜14:00
【定休日】日曜・祝日


 広島・銀山町のカワイイ食堂、博美食堂で朝昼兼用めし食おう。周囲のビルに圧されるようなプチサイズに思わず落涙。

 
(左)表に手書きメニュー  (右)裏から見たらさらにこでぃんまり

 ちっこーい店にカワイイ博美おばーちゃん……かと思ったら、年配のおっちゃんが二人でやっている。
 でもこのおっちゃん二人もなんかカワイイ💜どっちかが博美おじちゃんなのかな~。

 店は奥に細長く、年季の入ったたたずまい。壁のホワイトボードにメニューが書かれているけど、外に出されていたのと同じだ。
 それとは別に、入って右手になかなかいけてるおかずケースがある。メニューの「博美定食600円」は、そこのおかず2品+めし+汁+漬物、とのこと。それにした。

 
(左)メニューこんだけみたい  (右)博美定食600円

 おっちゃんの手作り感のあるハンバーグと、オムレツ&唐揚げの皿をチョイス。味噌汁にワカメ大量。これで600円ならオトクだね。また来たい。
(2016年12月)
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水主亭
広島市中区加古町1-21
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電話/?

【営業時間】月~金 9:00~13:30
      土曜日 9:00~12:30
【定休日】日・祝


 広島・平和公園南の角地にある食堂。
 入るとテーブル席がいくつかあり、ご高齢のおかみさんが一人でやっている。あとで聞くと昭和13年生まれだそうだ。

 
(左)厨房方面 (右)三角形の敷地

 ふだんはおかずケースにおかずが並ぶらしいが、金土はカレーとうどんしかないとおっしゃる。
 「ほなカレー」と言うと、おかみさんはごはんテンコ盛の上に昨日の残りの玉子焼きと焼肉を乗せてから、「ちょっと来て」と俺を厨房に呼ぶ。そしてカレーの寸胴をかき回して、「好きなだけ入れて」とおっしゃる。
 お言葉に甘えて、好きなだけ入れた。とはいえ俺も歳をとってそんなには食べられない。

 
(左)厨房に招かれた (右)カレーを自分でかけた。右上ラップ皿は焼飯

 カレーはなかなかスパイシーだ。
 さらに、「焼き飯作ったから」と焼き飯を一皿つけてくれた(上の右写真)。もー腹パンパン。
 たくさんのメシ=サービスという、昔の人の感覚だ。

 原爆の時のことや子どものことなど駄弁りながら食ってたら、
 「今日はどこまで行くの? おにぎり作ったげよか?」
 と、すっかり母親化してしまうおかみさんであった。

 おかみさん

 山盛りカレーと焼飯を食って、そのうえおにぎりまで食ったら、炭水化物のとりすぎで下腹突出体型がさらに深刻化してしまう。俺は中年のオッサンなんだ。

 カレー好きなだけ食って焼き飯つきで400円。おにぎりは遠慮しといたが、たぶんタダ。
 「80歳になったらやめる」とおっしゃっていた。計算すると2018年には満80歳になられることになる。早めに行くほうがいいだろう。
 (2016年12月)
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森田食堂
呉市中央1-9-3
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電話/0823-23-6340

【営業時間】08:00~21:00
【定休日】日曜日


 呉出張の多い人に教えてもらった。呉駅のすぐ横、便利な場所にある。昼間からなんかオカズでちょっと一杯いっとこ。

 中に入ると、ビニールクロスのかかったテーブル2つとカウンターだけのコンパクトな空間。店のおばちゃんが2人ほどいる。
 座ってフト振り返ると、おかずケースがすごいぞ!!

 
(左)入口方面を振り返ると… (右)おお! すべて冷蔵!

 選び放題だ。昼飲みにこれ以上のダンドリはあるまい。
 刺身類も充実していて激しい目移りに襲われるが、よく考えたら財布のゼニコが乏しいので、落ち着いて玉子焼きと納豆を選ぶ。なんぼか忘れたけど、どっちも100円台。
 とりあえずこれで焼酎お湯割り。

 
(左)おかずケースから (右)うどん類300~500円、丼物500~550円

 麺類・丼物・カレーライスなどの一般的メニューもだいたい安い。中華そば400円。
 みそ汁100円のほか、牛肉スープ、豚肉スープ、鶏肉スープ各350円など見慣れないものもある。
 ここを教えてくれた人が「湯豆腐がよい」と言ってたのを思い出して、それを注文。

 湯豆腐300円

 とろろがいっぱい乗っており、アテとして優秀だ。
 おり酒300円も飲んで、さーそろそろ帰ろうかなと思いつつ、ここを教えてくれた人になんとなく「森田食堂に来ましたよ」とメールしたら、「瓶ビールは頼みましたか?豪快なのが聞けたでしょう?」みたいな返事が来た。
 いやもう酒はええねん。しかし豪快なんって? 聞けたって……?

 結局頼んでしまった。
 すると店のおばちゃん、ビール瓶をポーーーーーーーン!
 いや、確かにこれは豪快。なるほど、これは聞かずに帰ったら損やわ。くわしくはみなさんもぜひ森田食堂へ行って瓶ビールを頼んでみてネ~。
(2016年4月)
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大衆食堂 稲田屋 
福山市船町1-18
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電話/084-925-1392

【営業時間】 11:00~20:00
【定休日】 木曜日


 さびれかけた商店街のアーケード下に、見た瞬間に「おぉっ!」と声を上げてしまう古い大衆食堂がある。
 看板、外壁、タイル、そして店頭に掲げられた「開」の招き布と「関東煮」の赤い張り紙……普通のチープな食堂とは明らかに異なる、格調高いオーラをまとっている。

 
(左)只者ではない  (右)中央奥に関東煮ブース

 いくぶん厳かな心持ちでドアを押して中に入ると、けっこうな広さがある。
 コンクリ打ちっぱなしの床に、分厚い木の長テーブルが4つ5つ。半分近い席が埋まっていて、みんな静かに飲み食いしている。
 奥に厨房があるが、手前にも半畳ほどのミニ料理ブースがあって、店主っぽいおじさんが関東煮を煮ている。

 空間全体に色濃く漂うイニシエの微粒子。ここには長年維持されてきた独特のしきたりがあり、それに則って飲み食いするのみ。ということを瞬時に理解させられる。

 
(左)メニューは限定的なイニシエスタイル  (右)関東煮1本150円×2

 まずは関東煮とビールを頼んだ。関東煮1本150円。
 「1本」とはどういうことかと思うと、それは甘く煮込んだモツ串だった。関東煮はこれ1種のみ。大根・玉子・コンニャクといった馴染みの具材は一切ない。

 モツ串の甘みはかなり強い。一味を多めにかけてビールをやりつつ壁メニューを観察する。
 ここでも品目はかなり限られている。基本は肉と玉子だ。
 それを飯に乗せた肉丼650円、肉玉丼700円。
 もしくは、うどんかそばに乗せた肉うどん・そば530円、玉子うどん・そば530円、肉玉うどん・そば580円。

 
(左)肉玉丼700円  (右)漬物130円

 あとは、めし、味噌汁、漬物、冷奴。そしてビールと酒。それだけだ。

 壁に「昔ながらのお店です」と書いた赤い紙が貼られている。
 この店は大正時代の創業らしい。おそらくは、その当時のメニューをそのまま守って現在に至っているのだろう。

 座って、食べて、飲む。それだけで誰もが大正時代の人になる。
 奇跡のタイムカプセル食堂と言うほかない。

 
夢見心地な体験
(2015年1月)  
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今友

三次市十日市中3-16-19
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電話/082-462-2653

【営業時間】 未確認
【定休日】 無休


 三次駅から西へ10分ほど歩く。市役所前を通り過ぎて馬洗川の少し手前を右へ曲がると、古めかしいまちなみが連なっている。
 日が暮れて真っ暗な中、骨董品のような旅館の向かいで1軒の食堂に灯がともっている。

 1階部分の屋根に乗った屋号看板があまり見ない形状で、そこに大きく筆書きされた「今友」の文字が心を鷲づかみにしてくる。

 
素通り不可能な店構え

 店内はそこそこ改装されて明るく、思ったより古臭さはない。
 カウンターと座敷があり、高齢のおやじさんと中年の息子で切り盛りしているようだ。どちらも控えめな印象。

 
他客おらず

 壁の短冊ではうどんや丼物が400~500円台、おでん1個100円、手書きボードには一品ものがいろいろ。山あいのまちらしく「川ハエの甘露煮」とか「ししとう味噌」とか、なんかの煮こごりなどもあって気になる。

 
(左)何の刺身やったかな・・・   (右)川ハエ甘露煮

 
(左)ししとう味噌   (右)鴨鍋800円

 どれも安い。ほかに客もおらず、頼んだものが着々と出てきてありがたい。
 短冊メニューはおやじ、ボードは息子と分業しているような感じもする。

 メニューに「手打ちそば」があったので、「とろろそば」を頼んだら、これは手打ちではなかった。
 「手打ちそば」だけが手打ちらしい。

 それにしてもこの暗く静まり返った古い通りで、こんな感じのいい店がこの時間に開いているのは奇跡だ。

 夢を見ているかのようだった
(2014年12月)
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