東海・北陸ちょっとした旅ホーム
城端
(じょうはな)



(富山県南砺市)

 2008年1月13日

 昼下がりになると雪が激しくなった。
 岐阜県の白川郷から高岡へ下るバスに乗り、城端へ。ここからはJRの城端線が出ているが、せっかくだから町を少し歩きたいと思って、城端の庁舎前で下りた。

 とたんにまた雪がひどくなった。たまらず庁舎に逃げ込んだが、ここにいても仕方がない。庁舎から信号を渡ってすぐのところに銭湯があることを調べていたので、そこへまず入ることにした。風呂に入っている間に雪が小降りになるかもしれない。

 宮の湯

 こんなところに銭湯があるなんて、救いの神としか言いようがない。
 他に客はいなかった。貸し切りだ。
 少し前まで城端には3軒の銭湯があったが、桂湯という有名なレトロ銭湯は近年廃業し、元遊郭だったという城端ラヂウム温泉は2007年に焼失。残った最後の1軒がここ宮の湯のようだ。

 つま先まで冷え切った体を湯にのばす。浴室は奥壁一面が窓になっており、外は段差になっていて見晴らしがよい。雪見風呂だ。
 アツアツの湯は水質のよさを感じさせる。じっくり浸かって茹っては、降りしきる窓の外の雪を眺めつつ、信じられないくらいに冷たいカランの水を頭からかぶる。
 至福だよ至福。

 さてと。
 風呂から上ったはいいが、依然として大雪だ。湯冷めするっちゅーねん。

 庁舎の裏から古い街道らしき道に出た。神社も公園も雪のみだ。

 
(左)なんかしらん小さな神社の大木   (右)境内か公園かそんな感じ

 駅は北端にある。城端の町はそこへ向けて街道沿いに細長く続いている。
 歩いてゆくと、いつしか貫禄のある古いまちなみになった。

 
(左)渋い路地を抜けて行く   (右)この建物群がカッコイイ

 
(左)向こうに大きな寺が見えてきた   (右)立派な門

 巨大な山門は善徳寺、城端のヘソに位置するシンボルだ。というか城端という町自体がこの寺を中心に発達した門前町であるらしい。
 でもそんなことより雪やどりが先決だ。大きな山門の下に入り込んで、やっと一息ついた。雪が降っている場所と、雪のかからない場所とでは、まるで別世界のようだ。

 
(左)山門の下は静寂空間   (右)本堂のほうを見ると・・・おや? あの三角は?

 
(左)三角の中へ移動。ふつうの寺の本堂入口へ続く   (右)三角から山門を振り返る

 三角は本堂への通路確保だった。そうか、これがないと屋根から落ちた雪に玄関先が埋もれてしまうのだな。
 しかしいつまでもここで雪やどりしているわけにもいかない。

 
(左)外へ出ると、雪はますます強い   (右)本堂の四囲は完全にむしろで覆われている

 善徳寺周辺にはきっと寺内町の趣きある路地が広がっているのだろう。でもこの雪ではこれ以上の探索はキツイ。なにせ風呂上りだし。はは・・・マジで冷えてきた。
 善徳寺の北側から坂を下り、路地を選んで歩きながら駅方面へと歩いた。

 坂を下る

 
(左)路地を抜けて   (右)飲食店の多い道を抜けて

 しかし時間的にまだ開いている飲み屋もない。まあ今夜は富山に宿をとっているから、ここであまりゆっくりしているわけにもいかない。
 駅へと続く国道筋に出て橋を渡ると、まもなく城端駅に着いた。

 
(左)融雪水の出ている橋を渡る   (右)橋の上から川上、善徳寺方面を振り返る

 
(左)城端線の終点、城端駅   (右)こういうJRの盲腸的なローカル線も少なくなった

 
(左)列車内の天井の扇風機が懐かしい   (右)走り出した列車の車窓から、雪の砺波平野

 銭湯に入った以外は、めしも食わずお茶も飲まず、雪の中をつま先歩きで通り過ぎただけの城端だった。
 城端は小さな町だ。でも大きな寺の山門を中心に、くっきりとした印象の残る町だった。
 いつかまた来る日まで、しばしの別れ。

 おしまい。  (記:09.3.5)
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