ちょっとした旅ホーム
プチ存在感な城下町



(福井県丸岡町)
2004.8.13

 勝山からえちぜん鉄道を永平寺口で降り、そこから乗ったバスは山間を抜けて福井平野へ出る。広々とした青い田んぼの間に、新興住宅地がポンポンと現れる。このへんはもう福井市への通勤圏なんだな。

 30分ほど乗って、丸岡の中心らしい「本丸岡」で下車。
 丸岡は市ではなく町だが、人口は勝山市より多く、しかも増加中のようだ。福井市のベッドタウンになりつつあるんだろうが、中心地はこじんまりした城下町。本多作左衛門重次の「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」という有名な手紙にちなんで「日本一短い母への手紙」を企画として成功させた。なかなかやるやん〜、な町だ。

 この町のシンボル・丸岡城は、勝山のアミューズメント「勝山城」とはわけが違う。日本に現存する12の木造天守の中で一番古いホンモノで、重要文化財だ。

 
 (左)こんな時計台があった  (右)小川の向こうに城山発見

 小さい町なのでお城はすぐに見つかったが、腹が減ったので、ともかく福井のおろしそば。
 「山田そば」という小さなそば屋を見つけて入る。お盆の帰省で人口が増えているのだろう、家族経営の全スタッフは出前で大忙しのフル回転だ。
 やっと出てきたおそば&ビール、うまいねえ。

 腹もふくれて丸岡城へ。小さい城だが、この城の名物はなんといっても屋根。なにしろ瓦製造技術が完成する前に建てられた古い城なので、瓦が石でできている
 瓦1枚が20〜50kgあるっちゅー代物で、全部で6000枚。それを支えるための内部の構造材も迫力があるわけよ。エセ建築評論家としては押さえておかねばならん建物なのだね。

  丸岡城、こじんまり、でもどっしり

 
(左)地震で落ちたシャチホコも石  (右)これです、屋根の石瓦。手を伸ばしてナデナデしちゃう

 第2次大戦中の福井大地震で1度倒壊したらしいが、バラバラになった材木や石瓦をていねいに組み直して元通りにしたんだと。材木も7割は元のものが使われているらしい。たしかに、折れた手すりなども古い材に新しい材を継ぎ足した匠の技があちこちに見られる。
 それにしても木造天守の最上階って、なんでこうも真夏でも涼しいんだろうか。眺めもいいし。俺は別に城マニアではないんだが、古い木の香りと肌触り、眺めのよさ、建物としてのおもしろさを堪能できるから、こういう城は大好きだ。

 天守閣からの眺め。コンパクトな丸岡市街が全部スッポリ見える

 城から降りて資料館なども見学したら、こんどは庶民文化の極み、銭湯へ。こっちは現役営業中だぞ。
 丸岡の旧市街でたった1軒の霞湯、これがまた素晴らしい。福井銀行の向かいで静かな存在感を発散しております。しかし意外にも浴室は新しく改装されて、どなたさまも入りやすい。霞湯の詳細もこちらで。

  (左)お堀の脇に立っていたタブノキ  (右)霞湯

 湯上がりサッパリ、本丸岡のほうへ向かうと丸岡駅行きのバスが信号待ちをしてるじゃないか、下駄で猛ダッシュ。(わたくし神戸から下駄履きなんです)
 バスは15分たらずで北陸本線の丸岡駅へ到着。すぐに来た普通列車に飛び乗って、10分ほどで福井駅に到着。こんな田舎で待ち時間もなしにスイスイ行けるなんて運がいいわい。

 福井駅近くの居酒屋、あとは飲むだけ

 腹も減ったし、駅前商店街の中のオヤジ居酒屋へ。イカ刺しなどを食ってビール。うまいねえ。さらにビル地下の別の居酒屋へハシゴし、え〜っと何を食ったっけ、とにかく日本海の魚を食って、またビール。
 短時間でゴキゲンな酔っ払いを完成させ、神戸まで帰れる最終の鈍行&新快速で無事に帰りましたとさ。

 おしまい。
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