ちょっとした旅ホーム
猫崎半島断念記
(兵庫県豊岡市)



(2004年9月10日)

猫崎半島へ

 1枚だけ残った青春18きっぷ、使用期限は9月10日まで。
 でも9月に入って忙しくて、最終日の10日しか休めない。なんか最近、天候不順なんだが・・・10日も予報では雨だなあ。

 と考えつつ関西道路地図を見ていて、また変なものを見つけた。

  これは現地にあった案内板

 兵庫県の日本海側、城崎の隣の竹野町というところに、なにやらウニョロウニョロとした小さな半島のようなものが飛び出ている。そしてそこに「原生林」「猫崎」という文字がある。半島の長さは1kmちょいしかない。
 しかもどうやらこれは兵庫県の最北端のようだ。
 この形、最北端、そして「原生林」「猫崎」・・・そそられる。

 よく見るとこれは竹野川の河口に位置し、ほそ〜い付け根部分は海水浴場になっているようだ。
 ということは、おそらくこの猫崎半島は陸けい(繋)島だな。陸けい島。覚えてますか、中学校の地理で習ったでしょう。川から流れ出た砂が潮流で寄せ集められ、本土と砂の架け橋で結ばれた島。
 一番の有名どころは函館だな。北海道と函館山とをつなぐ架け橋の砂洲の上に函館の町があるわけね。

 さらによく見ると、この半島の背骨に沿って点線が書き込まれている。この山道を歩いて半島を縦断し、先端まで行けそうな感じだ。
 よし決めた。ここを歩いて兵庫県の北端を極めよう。

 ところで竹野は同じ兵庫県内とはいえ、鈍行列車だと極めて不便。調べたら姫路回りより福知山回りのほうが速い。福知山って京都府なんだが。

 ともかく朝の6時台に起きて出発。今にも降りそうな曇天模様だわい。
 僕は腰痛持ちのため長時間乗りっぱなしは辛い。出発して2時間で福知山へ到着。ここでいったん途中下車して1時間ほど街を歩くことにした。細かい雨が降ったりやんだりしている。

 (福知山ぶらぶらはこちら


猫崎半島縦断を断念

 しばらく福知山市内を探索し、駅へ戻って次の列車に乗る。18きっぷの最終日だけあって、乗り合わせた人たちはほとんど18組っぽいな。
 福知山から2時間弱で城崎着。列車はすべてここどまりで、1駅隣の竹野へは20数分の待ち合わせ。
 駅から出たら飲泉所があったので、城崎温泉の湯を飲む。おっ、さすがにまったりしてるなぁ。
 城崎は15年ぶりだが、駅前はけっこう変わったような印象だ。なにより観光客の顔ぶれが違う。昔はもっとじじむさかったと記憶しているが、若いカップルや親子連れ、外国人などが目立つ。

  駅前に新しくできた豪華外湯「さとの湯」

 腹が減ったので駅前のそば屋でそばを食う。うーん、マズイ。こないだ福井でうまいそばを食いすぎたな。
 そばを食ううち、なんかものすごく雨が降ってきた。ほとんどジャジャ降りだ。こんなんで山道を歩けるのか? でももしかしたら山を越えて海へ出たらやんでるかも。
 とりあえず次の列車で竹野へ。
 乗車10分たらず、正午すぎに到着。おぉ、思ったとおり雨がやんでるぞ。

 猫崎の付け根まで約2km、早足で歩く。旅館と民宿だらけの竹野の町を抜けると海へ出た。おー、広いな大きいな。砂浜も水もきれい。これは素晴らしい海水浴場だ。
 そして西に横たわるのが猫崎半島だ!

   
 (左)波、荒い  (中)竹野浜と猫崎半島  (右)猫崎をバックに砕け散る波

 ところでこれがなぜ猫崎という名前かは、前もって調べておいた。真横から見ると、猫がうつぶせに寝そべっているように見えるからなんだと。別名「キューピーさん」とも呼ばれているらしい。キューピーが仰向けに寝ているようにも見えるんだと。
 でもここからじゃ猫の形には見えない。上の真ん中の写真でいうと、2つのコブのうち右側の大きいほうが猫の背中に当たる。左の低いほうはしっぽかな。頭の部分は背中の向こうに隠れている。

 それより雨がまた降り出した。傘をさして半島へ急ぐ。

陸けいの砂洲上にある日帰り温泉施設「北前館」。
海で泳いですぐ温泉につかれるのはナイス!

 半島付け根の登り口に案内板あり。半島背骨の山道は「危険箇所多い」だと?
 とにかく登りはじめる。最初はコンクリで舗装されている。でも雨がどんどん降って、もうズボンびしょびしょ。
 10分たらずで小さな公園のようなところへ出た。ここが猫のしっぽ部分の頂上のようだが・・・やはり案内板があり、この先の道が危険であることを告げている。原生林保護のため、あえて道を整備してないらしい。

  
 (左)猫の背中をしっぽから眺める   (右)地層の浮き出た断崖下の海岸を見下ろす

 そして山道の入口には、ごていねいにこんな立て札まで立っている。

   その向こうはこんな道

 うーむ、たかが1kmちょっとの半島を縦断するくらい、とナメてたな。傘をさして普通のスニーカーで歩けるようなところじゃなさそうだ。いちおうヤブ漕ぎを覚悟して長ズボンははいてきたが、この時点ですでにパンツも靴下もぐしょ濡れ、しかもこの先の道は雨の重みで木の枝が垂れ下がってトンネル状になっている。つまり傘もさせない。でもカッパも持って来なかったし・・・しかも両側は断崖っぽい。
 これは無理すると死ぬな。県北端の猫崎にはロマンを感じるが、なにも命をかけるほどのロマンでもあるまい。それに全身濡れ鼠のドロドロになったら、このあと電車に乗るのがさすがにチト恥かしいもんがある。

 非常に残念だが、断念だ。クソー、今度天気のいいときに登山靴を履いて来て、必ずリベンジしたる。

 立小便でマーキングして早々に山を降り、竹野の裏通りを歩いて駅へ戻る。

   
 (左)砂洲にあった立て看板。そういう土地柄   (中)裏通りは濃厚な郷愁空間   (右)竹野川河口の漁村

 城崎まで戻り、再び列車の時間待ち。

  小さな地ビールレストラン

 腹が減ったので1本列車を遅らせて、駅前の地ビールレストランへ。こんなん昔はなかったな。城崎ビールはデュンケル、ピルスナー、ヴァイツェンと揃っている。悩んだ末、まだ昼だし軽くヴァイツェンを注文。これがじつにさわやかでウマかった。食い物は一番安いカレーを食った。
 そのあと「さとの湯」の前にあった足湯に足をひたす。これは無料。

  足湯&俺の足

 「さとの湯」の外見は日本建築ふうだが当然鉄筋コンクリ造り、案内板によると内部はスーパー銭湯っぽい。露天風呂はもちろん、低温サウナやハマームなどもあるようす。でもあまり賑わっている感じでもない。まあこういうところは団体客なんかで稼ぐんやろけど。
 たまにはこういうところに入ってのんびりするのもいいもんだが、800円か・・・。
 じつは城崎の隣の豊岡に、兵庫県浴場組合リストに載ってない銭湯が何軒かあるらしくて、そっちが気になってるんだよな〜。
 足湯から足を出してタオルで拭き、ぐしょぐしょの靴下をはく。


骨董都市・豊岡

 というわけで外湯めぐりの町・城崎まで来ながら温泉にも入らず、わざわざ隣町の銭湯探索へ。ま、常人に理解してもらおうとはこれっぽっちも思わんね。

 豊岡市は兵庫県但馬地方の中心地だが、観光地でもなんでもないし用事もないので、歩くのは初めて。
 ほぅ、駅前に大きなショッピングビルがある! これは福知山よりずいぶん賑やかだ。人口はだいぶ少ないみたいなんだが。

  駅前、意外にも賑やか

 市の中心部を2時間近くゆっくりと歩く。レトロなモダン建築がいっぱいあって退屈せえへんで、こりゃ。飲み屋なんかもけっこうあるし。うーん、意外な穴場を発見した。

   
 このようなレトロな建物がいたるところに残っている。普通の一般民家も窓などがちょっとおもしろかったり

   
 (左)市役所もレトロでかわいい   (中)山陰合同銀行   (右)そしてこれは消防会館

 
 豊岡で唯一の映画館。「千と千尋の〜」に出てきそうな怪しい雰囲気だが、ちゃんとロードショー上映中

 さて、お目当ての銭湯は・・・電話帳に載ってた3軒のうち、1軒は廃業、1軒は跡形もなく、結局「京極湯」1軒だけ発見して入湯。これがじつにエガッタんじゃわいな〜。
 まったく、城崎で観光客向けのチャラチャラした施設に入るより、こっちのほうがよっぽど旅情があるわいな。俺はね京極湯の詳細こちら。

  京極湯、いい銭湯でございました

 湯上がり、この渋いまちで飲みたかったが、帰りの列車を考えるとここでゆっくりはできまへんのや・・・まったく、県内とは思えない。
 駅で缶ビールを買い、とりあえず福知山まで・・・うひゃー、列車が混んでるなあ。立ちっぱなし。また腰がヤバイよぉ。

 (このあとの福知山ウロウロはこちら

 とりあえず豊岡はこれでおしまい。
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