はき出し窓を全開にしてパソコンに向かっていると、電車が通るたびに桜吹雪がそこらじゅうに舞い散る。
いい感じだな。
あまりの日本列島桜吹雪絶好球ど真ん中攻撃を見逃すわけにもいかなくなり、阪急電車で西宮北口、乗り換えて宝塚、さらにJRで三田へ。何の用もないんだが。
東京の人は「みた」と読むかも知れないが、これは「さんだ」と読む。兵庫県三田市。丹波篠山の手前である。
丹波の手前にふさわしく元々じじむさい田舎町だったが、山を削って「フラワータウン」「ウッディタウン」とかいう大規模なニュータウンが作られてからはすっかりワケのわからない街になった。
でも地図を見ると、三田の中心部「三田町」はけっこう味わいのありそうな街路の形状。僕くらいの地図オタクになると、地図を見るだけで街並みの絵がある程度浮かんでくるのである。
三田駅から正面の商店街を歩き、武庫川にかかる相生橋を渡ると、右側一帯が三田町だ。川に沿って新町通り、その隣に本町通り。
新町通りに一歩足を踏み入れると、高タイムスリップ度のぽたぽた焼き系街並みに溶け込むように、いきなりヒナビ系の銭湯がある。これだな、三田市で1軒だけ残った「新地湯」。

(左)駅から続く商店街 (中)武庫川を渡って右手が新町。道がぐっと細くなって・・・ (右)赤い小橋を渡るとすぐ左手に新地湯
風呂にはあとで入ることにして、1時間ほど三田町を散策。狭いエリアを徹底的に歩き回る。すばらしいヒナビっぷり。
寺が異常に多い。しかも、どの寺も由緒ありげでしっとりと味わい深く、シャチホコや懸魚などの装飾にも見るものあり。

(左)新地の街並み、右手は光明寺 (中)50mくらいしかない小さな商店街 (右)古い家を使った老人と子どもの交流スペース

(左)味のある西方寺の楼門 (中)感涙の路地、正面に寺 (右)「はり」を打つ「釘宮さん」・・・太そう!

(左)新地の桜 (右)そして三田といえば三田牛
ありきたりな新築住宅もそこそこ入り込んでいるが、思った以上にいい感じの街並みだ。とくに道のくねり具合がよろしい。できるだけこのまま保存してほしいなあ。
さて、風呂へ入るか・・・と新地湯へ戻ると、なんとこの時代錯誤系ジジムサ小銭湯から、若い女性が2人連れ立って出てきた。しかも茶髪カール・ミニスカ・ヒールブーツ・まつ毛パタパタのドギャルギャルした20歳前後である。
ウウム・・・三田では今、「新地湯」が最先端なのか。たしかに珍しいダルマ型の湯船だったが。「名銭湯・阪神間」にあげといた。
上がりは駅前地区をぶらつく。今年最初のツバメを見つけた。
商店街の居酒屋「こおちや」でビールと魚をつまみ、また電車を乗り継いで帰る。
気の早いツバメ。さかんに鳴いていた
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