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ぜいたくな小学校---伏見名水散歩 (京都市伏見区)2004.9 |
仕事の合間に、チョロッと伏見へ。 というのもこの夏、越前大野へ行って名水に目覚めてしまったわけよ。で、なんとなく検索してたら、京都の名水郷・伏見のとある小学校では校庭から名水が湧いていて、遊びまわって喉の渇いたジャリどもがその水で喉をうるおしているのだという。 けしからん。 で、さっそくそのナマイキなガキどもの巣窟を探索してきた。 京阪・近鉄の丹波橋駅から西へ徒歩数分で、問題の伏見板橋小学校にあっけなく到着。 校門になにやらいろいろ掲示してある。 井戸の利用は児童優先 校門の鍵は開いていて、どうやら平日の午前8時から午後5時まで、つまり小学校が開いてる時間内は、どなたさまも勝手に中に入って水を汲んでもいいらしい。 小学校の安全管理についてとやかく言われるこのご時世に、なんともおおらかなことよ。 さっそく校門を入る。右手に運動場、左手に小さな林がある。その林の中にありました。「白菊の井戸」と名づけられております。 (左)地元民が次々に汲みに来る (右)ジャージャー出ております いわれが書いてある。井戸の深さは58メートルとのこっちゃ 飲んでみた。 スッキリと口の中に染みわたる。大野の水にはやや甘味があったように思うが、ここの水はまったくクセのない水だな。うまいよ。水温は18度くらいか? ご近所の人が次々にポリタンク持参で汲みに来る。名水がとりもつ学校と地域の縁。これだけ近所の人が来てれば小学校の安全性はむしろ高まるだろう。 しかし近所の人も、この水でご飯を炊いたりお茶やコーヒーをいれたりしてたら、水道水なんか飲めなくなるだろうな。それもまあ、いいような悪いような、いやまあ、うらやましいことではあるんだが。 ちなみに、僕が行ったときには、水を飲みに来る児童はいなかった。 ところで伏見には他にも街角のあちこちに湧き水がある。いくつか見て回った。 板橋小学校から南へ500メートルほど下がると、伏見の中心商店街である大手筋に出る。そこからちょっと南に折れたサティの向かいに湧く「トレビの泉」。 ザバザバ出てます 立地がすごい。カラオケボックスの隣。周囲はガチャガチャした商業地で、うるさくてしょうがない。 それでもやはり次々と汲みに来る人が絶えない。 飲んでみると、むむっ、微妙に金属臭。これは水を汲み上げるパイプか何かのにおいではないか。明らかにさっきの板橋小学校の水のほうがうまいな。 そこからさらに南へ200メートル行くと、山本本家酒造の横に湧いている。 ここも人が多い こっちは水量が少なく、かなりチョロチョロ。順番を待って口に含んでみると・・・ぬるい。味は板橋小学校と似たような感じだが。 「ぬるいですね」と横にいたおじさんに聞くと、「この建物内で冷やしたのが飲めるよ」と言う。どうやらここは酒造会社が酒造りのために汲み上げ、いったん溜めたものを地域に提供しているようだ。酒造りのオコボレやな。 まあそれをさらに冷やした水だけを飲みにわざわざ酒造会社のショールームに入るのも、よけいなプレッシャーがありそうなのでパス。 さらに西へ150メートル行くと、黄桜酒造の「カッパカントリー」がある。レストランがあり、地ビールも造っているらしい。そういや腹が減ったが、レストランは残念ながら閉店時間か。せめてショールームで地ビールでも買って飲むとしよう。 「酒酵母で造ったビール」というのがあったのでそれを買い、中庭で飲んだが・・・何これ、ビールとちゃうな。何の味といえばよいものか・・・ちょっとゲロみたいな風味。ウーム・・・。思わず他のビールを追加で買って口直しをせざるをえなかった。(もしかしてそれが狙いか?) ちなみにここには黄桜資料館があって酒造資料がいろいろ展示してあるが、歴代の黄桜テレビCMを大画面で見れるのがおもしろい。昭和初期のから現代のまで全部見たら、そのあと数日、頭の中が「かっぱっぱー、るんぱっぱー」になっちゃった。 ところで、ここでも水が飲める。カッパカントリー向かいの建物の中庭に、和風の鹿追チックなしつらえ。しかしなんかチビチビとしみったれた出方しとるなあ。植え込みの中の水栓をひねるとドバーっと出た。ここも酒造用の溜め水なんでしょう、山本酒造の水とほぼ同じような印象。 カッパの水 さて、最後に伝統ある「御香水」でしめようか。 桃山御陵前駅から東へ3分ほど歩くと御香宮神社に着く。これまた派手に彩色された神社やねぇ。寄付金たんまりな感じ。 なんかすごい 拝殿の横に、御香水。むかーしむかしから湧いている水だそうな。 味は板橋小学校の水と同じだった。水量はさほど多くはない。 伏見にはほかにもまだ名水を飲めるところがあるみたいだが、この日の名水散歩は時間の関係でこれにて終了した。 味はどこも似たようなものだったが、冷たい水がジャージャー出ている板橋小学校が、そのロケーションともに気に入った。 しかしやっぱり、大野の「御清水」を超える感動はなかったな。そらしゃあないか。 おしまい。 |
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