ああ日本の地方都市<ちょっとした旅ホーム
たいてい古い「新町通り」



(奈良県五條市)
(2007年3月18日)


 青春18きっぷでJR和歌山線をぶーらぶら。

 和歌山線は和歌山から紀ノ川に沿って東の上流方向へと走ってゆくが、県境を越えて奈良県五條市に入るや、紀ノ川は吉野川と名前を変える。五條は山深き吉野の里の入口にあたる。
 奈良県の各都市には近鉄が縦横に走り、10分に1本ペースでダイヤが組まれている。が、その中で唯一、近鉄が通っていないのがこの五條市。JRのローカル線でしか行けないヒミツ都市だ。

 そろそろ夕方だしここで風呂に入ろうかなと思ったが、そういや古い街並みが残る新町通りというところがあるらしいので、五條の一つ手前の大和二見駅で下車した。
 駅前で国道を渡ったところから東へ、新町通りがちょうど始まる。少し歩いて信号を一つ渡ると、小さな峠のような地形になっており、その低い坂の下から古いまちなみが現れた。

 
(左)坂を下ると古い町   (右)シャッターつき旧家

 道は茶色の砂利道ふうの舗装がなされているが、予算の関係か倉敷や竹原のようにレトロな街並みを懸命に再現するふうでもなく、自然な感じがなかなか好感度ね。
 寿命川という小さな川の向こうに、モロ計画倒れの道らしき高架が現れた。吉野川を渡るつもりだったんだろうなあ。もしかしたら廃墟マニアには有名な物件なのかもしれん。

 
(左)がっしりした橋脚   (右)天国への道、場所はここ(ヤフー地図)

 新町通りは吉野川の堤防に沿っている。すぐ右手がそれなので登ってみた。
 堤防に上がるや、狭い新町通りから解き放たれたように雄大な空間が広がる。

 写真ではわからないが遠くにピラミッド型の高見山が見えた

 五條の中心地方面へ進むに連れて、まちなみの古くささは増してくる。

 
(左)さらに進むとこんないかつい家   (右)ゴージャスなうだつ

 
(左)街並みに合わせて改装したとみられる牛乳屋   (右)センスのいい看板

 本町に入ってしばらくすると、道がゆるくカーブして、なかなかよろしき風情になってくる。やっぱり道と川は曲がらなあきませんね。直線反対。

 
(左)西川のほとりにこんな商店あり   (右)まもなく国道168に出る

 国道168に出たところで新町通りはいちおう終わり。大和二見の駅前からわずか1kmちょいだった。
 五條の市街地にはほかにも迷路のような路地がいろいろありそうだったが、この日はとりあえず銭湯を優先した。
 五條には3軒の銭湯がある。全部イニシエ系だが、この日営業していたのは五條市役所(近年まれに見るボロ市役所で好感を感じる)の近くの旭湯だけだった。
 一通り見て回ってから、旭湯に戻って入浴した。アッチッチの正統派古銭湯だ(レポートこちら)。
 ちなみに、以前来たときにヒノキ&コウヤマキの湯舟に激感動した大黒湯は、原油高騰のあおりを受けて営業日が減っているらしい。(と書いて念のためタウンページで検索してみたら・・・げげっ、大黒湯の名前がない! まままま、まさか・・・)

 
(左)旭湯   (右)栄湯は真横キワキワに何か建設中でますます発見が難しくなりそう

 湯上がりほかほか。でも開いている飲食店は相変わらず少ないなあ。駅前に続く須恵の商店街で中華料理屋を見つけ、マーボードーフなどを食べて帰った。
 それにしても、とにかく大黒湯が心配・・・。 (07.5.2記)

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