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瀬戸内ののどかな海沿いを走る呉線「忠海(ただのうみ)」駅の背後に立ちはだかる山。低いけど、この個性的な姿は一度見たら忘れられない。 なんせ、てっぺんに爪が生えています。あれはどうなっているんだろう。 駅を出ると、「黒滝山→」の立派な案内板が出ている。これに従って行くとさらに要所要所に案内板があり、迷うことなく取り付ける。 ![]() ![]() 駅から1.5kmほどで冒頭写真の地蔵院に着く。ここが登山口になる。寺の裏の墓場を抜け、山道に入ると、西国三十三霊場を表す石仏が次々と現われる。 ![]() ![]() 登山道は風化の進んだ明るい道で、須磨あたりの六甲山に酷似している。登るに連れて瀬戸内の素晴らしい風景が南側いっぱいに広がり、「乃木将軍の腰掛け岩」とか「平山郁夫がスケッチした場所」などがあって退屈しない。 またこの道は地元の体力づくりコースか何かに使われているらしく、あちこちに「ここで垂直飛び〇回」とか「腹筋〇回」などと書かれたポイントがある。しかしせっかく眺めのいい東屋に「休憩(5分)」なんて書かれてあると、なんだかゆっくりくつろげない。俺も小心者だな。 ![]() ![]() (左)爪部分を横から見たところ。爪の生え際には観音堂がある (右)観音堂 ほどなく爪の根元にある観音堂に着く。ここから山道は爪の背後にぐるっと迂回して頂上に至るが、鉄の鎖にすがって爪の右サイドを直登することも可能。せっかくなので鎖コースを登る。 ![]() 鎖を上りきった岩塔からは、すばらしい風景が広がる。忠海の東西二つの港がすっぽり見える。正面には大三島が横たわり、その間に浮かぶ大久野島は戦時中「毒ガス製造工場」があった島だ。 ここまで地蔵堂からわずか30分ちょっとだった。 ![]() ![]() 連続写真、中央部ややズレてます 後ろ(北)を見ると、もう一つ岩塔がある。そっちが頂上かと思って移動したら、さらに北側にもひとつピークがある。そこが本当の頂上で、迂回路が合流している。 ![]() ![]() (左)第2のピークから、最初のピークごしの瀬戸内風景 (右)黒滝山の北にある白滝山 頂上には日陰もあまりなく、カンカン照りで暑くてたまらない。登山道はここから北の白滝山へと続いているが、とにかく暑いしチャッチャと下りる。下りは地蔵堂までアッっちゅーまの15分だった。 ![]() ![]() (左)地蔵堂から。老人が道に出てじっと海を見ていた (右)病院の看板も山のかたち というわけで黒滝山は、わずかな時間で手軽に登れて眺めもいい、地元に愛されるキュートな山だ。 (05.7.22) |
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