関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
   レトロ銭湯へようこそ
関西版

松本康治、戎光祥出版
定価:1600円+税
レトロ銭湯へようこそ
西日本版

松本康治、戎光祥出版
定価:1600円+税
  お 風 呂 屋 さ ん で も 買 え る
 【大阪市港区】の激渋銭湯
港区<大阪市激渋銭湯トップ
寿温泉 ★

千代見湯/吾妻温泉 →廃業銭湯(大阪市)

寿温泉

港区弁天4-10-12
電話 06-6572-1893
【営業時間】16:00〜23:30
【定休日】月曜日


 高いイニシエ度と豊富な設備とを兼ね備えた満足銭湯。ワシャうれしいわ。

 環状線の弁天町駅から北西へ歩いて5分ほど。風呂桶を持って歩いているおじさんの後をついていくと、やや殺風景な古くさい面構えの銭湯登場。大阪伝統の凸玄関だが、その奥行きが広い下足室スペースを表している。

 
(左)筆記体の屋号は細かいタイルづくり   (右)玄関スペースけっこう広々

 暖簾をくぐると、年季の入った木としっくい壁、格天井がスッキリとお出迎え。
 正面の木の戸に手をかけると、これがまた長年使い込まれて角がツルツルに丸くなっている。むほー、このやさしげな手触り。さぁさぁさぁキマシタで〜〜〜。

 んで脱衣所へ。出ました、そのまんま東、いや、そのまんま昔。

 
(左)びしっと美しい折上げ格天井に木製プロペラ  (右)入口を振り返る。冷蔵庫の左奥は前栽

 半楕円の木の番台がまた渋い。ややくすんだしっくい壁が、わが辞書から「平成」の2文字を一瞬にして消去する。
 脇の前栽にはサザンカがピンクの花びらを散らし、千両万両が実をつける。
 古いけどきれいに管理されている心地よい空間。ロッカーのみ新しい。

 
入口の上には額縁入りの浮き彫り招き猫

 そして我は浴室へ行く、心の命ずるままに。
 そして我、フルチンで驚愕。す、すばらしい! 石の風呂!

 床は石畳が奥まで敷かれている。石と石のすきまには水色タイルはめこみ。
 湯舟は真ん中に深浅主浴槽、フチと座り段は黒御影の王道スタイルだ。

 どれ、さっそく入ってみるか・・・おっ、42度強かな、マイベスト温度。
 深風呂は内側の段に白御影が使われ、浅風呂の底には玉石タイル。ニクイところを突いてきやがるぜ。
 その奥に別の浅い浴槽、そこはなにやらものすごい勢いで底から気泡が噴出している。うほー強烈、こりゃゴキゲン。
 さらに奥に電気風呂、これが普通の倍の広さで電極も2人分。この2槽は41度くらいかな。

 全体的にゆったりとスペースがとられていて、古い石材やイチョウの葉型タイルなどをを慈しみながらじっくりくつろげる。渋銭好きならニヤつかずにはおれまいて。



 ところが、この銭湯はこれだけではすまなかった。
 奥に一段上がってカランが並んでいるが、その横手の壁が一部なくて、もっと奥まで廊下みたいに続いている。はて、なんだろうとコワゴワ進むと・・・なんと、まだ風呂の続きがあった!
 小さな薬風呂(レモン)、水風呂、そしてスチームサウナ。スチームは3〜4人サイズだが、ゆったりした空間で居心地がいい。
 しかしこれ、手前の浴室からはまったく見えまへん。初めての人は気づかへんで。
 増設や小改修を重ねたせいか無駄な意味不明スペースがあるのもおもしろい。

 上がりは前栽を眺めながら牛乳いっときましょう。脱衣所にはテレビも新聞・雑誌もあって、ソファーでゆっくりくつろげる。
 品のある番台のおかみさんがおっしゃるには、昭和35年に建てられたものらしい。奥の秘密風呂スペースはかつて庭で、池と滝があったとか。それも見てみたかった。

 とにかく、レトロさもさることながら、広くてお風呂メニューも多くて、いろんな人が楽しめる名銭湯だ。
(2004.12.30)

 正月準備もおこたりなく

※2010年4月よりオリジナルポストカードを番台にて販売中。買って帰ろう!
※2010年7/26、ふろいこか〜ラジオに登場!
※2010年11/7、ふろいこか〜2010開催。盛況御礼!
このページの頭大阪市激渋銭湯トップ