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【大阪市西成区】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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千成温泉★ (花園町駅)(廃業) 大黒湯 (岸里駅)(廃業) 福寿湯★ (岸里駅) |
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千成温泉★ 《廃業》
長〜い鶴見橋商店街の中に1軒の銭湯あり。 アーケードのせいで全体がわかりにくいけど、水色パネルに金文字屋号と赤い温泉マークが浮かび上がり、その下には賑々しい宣伝看板と、ツルミバシった下町風情で俺をさそう。 (左)赤くらげ (右)横から見たら脱衣所部分は木造瓦屋根2階建て 靴を脱いで脱衣場へ入る戸の脇に、黄金に輝くビリケンさんがおるやないの。 中へ入ると、番台におかみさん。中規模の内部は改装されているものの、小さな前栽つきの伝統的な造りだ。 見回すと、浴室入り口に洗濯機が3台、乾燥機1台が並ぶ。前栽の手前にはたくさんのマンガ本。その横に大衆演劇ポスター。テレビ2台のうち1台は競輪競馬競艇情報専用チャンネル。 これぞニシナリック銭湯というものね。 (左)洗濯機とガラスのエッチング・アートの調和 (右)バクチTV ところが浴室に入るや、そんな下町ックな雰囲気は一変する。 渋い。美しい。上品。道後温泉を思い出したと言えば誉めすぎか? 床は石畳で、スキマは同系色グレーのタイルで埋められている。 中央に石造りの深浅主浴槽どーん。周囲の座り段も石造り。湯船内側にはやはりグレーのタイルが張られ、なんとも落ち着いた雰囲気をカモシまくっている。 カラン下の台も石でできていて、さほど広くはない空間だが伝統的な高級感にどっしりと包まれている。 (左)おおぉ! (右)どっしり重厚ナリ それでいて目を壁に転じると、今度はカラフルな絵が俺を喜ばせるやないの。 右側にはイグアスのような滝のモザイクタイル絵。左側の男女仕切りはステンドグラス風になっていて、2人の天使が楽器を奏でる絵と、青空白雲の絵とが交互にはめ込まれている。 (左)雄大ナリ (右)かわいいステンド タダ者やなさげなセンスに感心しながら、お湯に浸かろやないか。 たっぷりナミナミのお湯の底を見ると、隅に何か沈んでいる。備長炭だ。こんなふうに湯船の底にそのままバラバラと沈んでるのは見た記憶がないぞ。 主浴槽だけではない。 奥にはスチーム室と押ボタン式打たせ湯(強力!)室が並び、その横にチベタイ水風呂がある。その背後は岩張りの風情。 手前のほうには薬風呂(この日はラベンダー)があり、豪快なブクブク気泡とデンキの2槽に分けられている。 カランも快調。1席ずつにかわいらしいゴミ入れが置かれていたりする細かい気配りも嬉しい。 気持ちよーく使えるぞ 渋い浴室、楽しい壁画、充実設備、清潔管理。 ニシナリアンのおっさん連中がちょっと羨ましくなるような名銭湯やないの! 脱衣場へ上がったところにある石の流し台がまた渋い。浴室入り口には熱帯魚の摺りガラス絵もあるし。 んで入るときには気づかなかったが、脱衣場の片隅に小さな水槽が置かれており、何かと思ったら1匹のドジョウが入っている。 ふつーのドジョウ。田んぼにいてるやつ。にゅるっとね。 (左)石の流し台 (右)玄関スペース壁にこんな絵が書かれている。ほのぼの〜♪ ニシナリのセンナリ。ツルミバシったナイス銭湯。気に入った。(2011.3.16) |
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大黒湯 《廃業》
地下鉄四つ橋線の岸里駅から松虫通を西へ約5分。 手前の建物で3分の1ほど隠れているが、ピンクと濃緑のタイルがなんともいえぬ雰囲気を周囲に発散させている。「湯屋だ!」との主張。すばらしい。 アプローチの石畳がまたたまらない。 最初通りかかったときは営業時間前だったのだが、その閉じられた木の扉に心の琴線をくすぐられまくり、看過できずに開店時刻まで近くのファミレスで時間をつぶして入った。 (左)これを見て素通りできるかっ (中)めでたく開店 (右)内側からの風情 のれんをくぐると下足室も石畳。玄関周りのレトロっぷりがじつによろすい。 戸を開けて脱衣室に入ると、こじんまりした空間。番台やロッカー、壁などは新建材で改装されているが、天井には年代ものの2枚羽プロペラがぶらさがり、庭には小さな池とシダなどが生えていて風情よし。 ただしここで問題が。 番台の上に設置された大きなスピーカーから、ラジオの音が流れている。その音のデカさといったら・・・度肝を抜かれたよ。NHKラジオのようだが。 これ、サービスのつもりなんやろけど、なにもこんなにデカイ音でなくても・・・。 浴室へ。うひゃー、ここも大音響ラジオがこだましてるよ。 でも、おっ、これはこれは期待通り、僕の大好物パターンな浴室の造りだ。 床は石畳で、スキマに紺と白のタイルを市松張り。男女仕切り壁に沿って深浅の主浴槽は古〜い石造り。浅いほうはジェットつき。湯船外側の腰掛け段も古い石。こじんまりした空間ながら、湯船が大きくとってあって嬉しい。 奥に小さな湯船がもう1つ、そこには生薬入りの布袋が沈んでいる。 カランまわりはこぎれいに改装されているが、ここには渋ーい六角形の茶色タイルと、黒御影石&大理石。そして出入口の正面には扇形の水鉢。 さらに男女仕切り壁には、大黒様のタイル絵がある。この大黒様、目の大きい高木ブー系で、妙に色っぽい。 うーむ、うーむ。つくづく僕好み。改装も最小限でセンスいい。 なのにこの大音響ラジオが・・・。アナウンサーがしゃべっている声は慣れて気にならなくなるんだが、曲が始まるともううるさくてたまらん。 よっぽど番台のおばちゃんに「なんでこんなにデカイ音でかけるのか」と言おうかと思ったが、初めて来た一見客にいきなり言われても、ここはこれでずっとやってんねやろうしなぁ・・・。 とにかく、このラジオさえなければ星付き確実なんだが。常連さんがこれを読んでたら、ぜひおばちゃんにひとこと言ってあげてほしい。「音がでかすぎる」って。 それでも、雰囲気の渋さのあまり1時間近く滞在した。(2004.4.27) (左)小窓も渋い (右)見えにくいが、2階部分にも窓の横などに装飾がある |
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福寿湯 ★
地下鉄岸里から10分弱、じゃっかん街はずれ的なあたりまで歩いてきたら現れる、ウグイスのフン色の渋いタイル張り。 写真が暗くて恐縮だが、凸型玄関を改造して入り口を横にしたような造りか。 そして暖簾をくぐるや・・・ (左)右端が入口 (右)下駄箱スペース広大! どんだけ客きとってん!…とにかく靴脱ぎ放題な玄関に度肝を抜かれる。 「よーしこれ全部靴で埋め尽くしたる!」との欲求がメラメラと湧き上がるのを抑えきれない。 (左)伝統的な入口 (右)すっきり美しい脱衣場 中へ入ると昔ながらの番台で、おだやかなおかみさんがニコニコと座っておられる。 脱衣場は非常にスッキリ清潔、風呂上がりの牛乳くつろぎタイムが早くも楽しみになっちゃうよ。 そして裸になって浴室へ入るや・・・ (左)おおおおぉー! (右)むごごごーー! 大阪伝統の石畳だが・・・な、なんて美しいんだ! 徹底的に磨き抜かれている。石のスキマにハメられた地味な玉石タイルもみなピカピカやんけ。 どっしり石造りの湯船もツルッツル。ああああーもう俺きょうはここでスッポンポンで寝る! 泊まる! とダダをごねごねしちゃうぞぉー。 (左)ジェットは岩風呂 (右)タイル絵の下には薬湯がある 新しい設備や改装したばかりの風呂屋がきれいなのは当たり前だ。しかしこの古いに違いない浴室がここまで美しいのは、店主の愛情抜きには決してなしえない。 大阪の伝統的な風呂の美しさを知るにはうってつけのお風呂屋さんだ。さあみんなをさそって、あの下駄箱を埋め尽くそう。(2014.2.20) ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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