|
||||||||||||
東京都【東部】の激渋銭湯 (京浜東北線より東) |
||||||||||||
東京都(東部)<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
帝国湯 ★(荒川区) 大門湯 (荒川区) 金町湯 (葛飾区) 大黒湯 ★(足立区・北千住) 梅の湯 ★(足立区・北千住)(廃業) タカラ湯 ★(足立区・北千住) 日の出湯 (台東区・三ノ輪) 燕湯 ★(台東区・御徒町) 梅の湯 ★(台東区・蔵前)(廃業) 大正湯 ★(墨田区)(廃業) |
||||||||||||
東京都【西部】(京浜東北線より西)はこちら/多摩地区はこちら | ||||||||||||
帝国湯★
すべてが素晴らしい、という銭湯が存在する。 たとえば、ここなわけです。 JR常磐線の三河島駅から南東へ徒歩7〜8分、住宅街の狭い路地に奥ゆかしく現れる伝統的な東京銭湯建築。 破風の下の「ていこく湯」の透かし彫りにまずやられる。 ただもんやない 暖簾をくぐれば東京らしく中央に傘入れドーン。 上がりがまちの木のへりのカーブ具合にもしびれるやないの。 胸ときめかせつつ引き戸を開けて脱衣場へ進めば、これまた東京らしく番台に雲形装飾があり、おかみさんが座っておられる。 そして出ました、高い高い折り上げ格天井。 しかも折り上げ部分の下に、さらに支えのような木組みがあり、その部分にも手彫り装飾が刻まれている豪華さだ。 大黒柱に据えられた振り子式の巨大柱時計もカンロクやのぉ。 男女仕切り上に丸太ノセ 脱衣場の傍らには庭があり池がある。その風情の王道直球ぶりにホァ〜っとため息だ。 脱衣場中央、島状に置かれた脱衣箱に衣類一式を脱ぎ入れて浴室へと向かう。浴室入り口は東京銭湯定番の全面丸見え透明ガラス張り。 浴室に入るや、正面奥壁の富士山ペンキ絵がドーンと目に入る。しかもこの岩に砕ける波しぶきの力強さは、今はなき早川師の絵ではないか。 よく見ると隅に「西伊豆、早川」とサインがあり、富士山の手前には水上セスナが描き入れられている。女湯側を眺めると、セスナの代わりにどういうわけか人参にまたがって空を飛ぶウサギが描かれている。この脱力こそが銭湯か。 故早川師の形見の絵 ペンキ絵の下には九谷焼の鯉のタイル絵があり、その下に湯舟が三つ並ぶ。 中央湯舟は浅くてジェットつき、その水流の勢いでお湯がオーバーフローしているのが嬉しいやないの。 その左右は珍しくもダブルの深風呂で、右は気泡、左は薬湯。入ってみるとこれがどちらもめっちゃ深くて、立つとへそとミゾオチの間くらいまで沈む。こんなに深いのは東京では珍しいのではないか。 湯はすべて熱めで43度以上ありそう。薬湯は「千葉実母散薬湯」の濃いお湯で、いい香りがする。 男女壁には湖風景のモザイクタイル画があり、反対側の壁側には脱衣所横から庭がずっと続いていて、その緑の風情が風呂場の情緒をさらに盛り上げている。 うーむ、これはよいわ。 建物、雰囲気、お湯、壁画、どれをとっても「これぞ銭湯」の魅力に満ちている。 これでもかとお湯を堪能し、上がったら脱衣場ベンチには新聞各紙が用意されている。これは嬉しいぞ! 庭の一部に休憩スペースを押し広げてマンガ本なども置かれている。 至れり尽くせり、もうこれで十分。東京最高級なレトロ銭湯ここにあり。 (2011.4.13) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
大門湯
はじめて乗ったわ都電荒川線。東尾久という停留所で下りて、北へ狭い道を入ると、すぐ正面に銭湯らしき姿が見えてくる。 近づくと道が分岐になっている、その要の場所だ。こういうとこにはたいてい神社や祠がありそうな感じだが、そこで堂々と腰を据えて煙をはく、まさに地霊かヌシのごときランドマークっぷりが渋い。 (左)奥に・・・おお、あれか! (右)どっちの道に対してもナナメ向き (左)側面から (右)玄関前に生えている不思議な物体、なんやこれ! (左)玄関の床タイル (右)渋い入口 靴を脱いで入ろうと引き戸に手をかけたら、その磨り減りっぷりにマモーミモーと泣きむせぶ。 中では雲形目隠しの渋い番台に、ブレザーを着たおやじさんが座っている(帰りはおかみさん)。 すぐ目の前に脱衣場が展開する。折り上げでない、升目のおおきな格天井。大黒柱に柱時計。開け放たれた庭に、大きな槙と根張りのごつい大木が伸びている。その縁側を回り込んだ先に便所がある。 脱衣場には隅にソファ一つと丸いテーブル、丸イスが柱の影に隠れるように置かれているだけで、他に何もないシンプルスタイルだ。 ザ・オーソドックス銭湯 裸になって浴室へ。 正面に逆さ富士のペンキ絵が素晴らしい。丸山さんだろう。女湯側には地味目の低山が描かれているのが見える。雲の中に浮かび上がる幻想的な山だ。 男女壁には端から端までヨーロピアンな山水風景がモザイクタイルで描かれている。 湯船は左奥を占めるように広々と浅めの風呂、この底にモザイクタイルの金魚が何匹も描かれていてめっちゃエエやんか。 湯は熱く、44度近い。体にじんじん迫ってくるこの湯に浸かるうち、なんとなく「これは明確な風呂哲学のもとに沸かされているな」と感じられてきた。 右隣にミクロバイブラというやつなのか、細かい気泡で白く泡立つ座りジェット×2(冷枕つき)の浅い湯船。これも熱め。 その右隣は深い湯船で、40度ちょいのぬる湯だが、半分に切ったレモンが8切れ浮いている。いやーこういうの嬉しいわぁ〜。 洗い場は両サイドと島カラン1列、すべて丸鏡とシャワーつき。 見上げると2段天井のペンキは古びてきているが、カラン回りなどはすべてタイル更新されて清潔度が高い。 立ちシャワーが一つあり、その水シャワーで冷やしては熱い湯をじっくり味わう。 上がりはアップルジュース110円。 立地の渋さも含めて、ストレートな東京銭湯をきりりと味わえる、よきお風呂屋さんだ。 (2014年12月) 手前のもつ焼き「おとみ」がまたゲロ渋い |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
金町湯
帝釈天から矢切の渡しを経由して、だいぶ歩いたぞ。金町駅からなら5分やけど。とにかく暑いわ風強いわで全身バッサバサ、はよ風呂入りたい! その風呂飢餓状態でたどり着いてソッコーで…のつもりが、なんかしばし外観をポーッと眺めてしもた。うーむ完成形よねぇ。 暖簾の内側もじつに風情よし。 (左)木の板に細かいタイルを嵌めこんだ細工 (右)木のかまちヨイ! (左)玄関正面 (右)傘立ての裏に隠れている!章仙(鈴栄堂)の九谷焼だ 中へ入ると、昔ながらの雲形装飾が施された番台に、穏やかなおかみさんが座っている。 が、その周囲には目隠しの間仕切りがガッチリ作られていて、この時点でまだ脱衣場が見渡せないようになっている。番台をフロント的に脱衣場から分離する方法としては簡易ながらも有効な造りやな。 風呂代を払ってから、間仕切りに設置された第2の暖簾をくぐって脱衣場へ。 脱衣場はわりとコンパクト。だがお客がいっぱいおるやないの。 間仕切りスペースに削られたぶん狭く感じるが、折り上げ格天井がズボーンと高くて、客が多くてもノビノビ感は失われていない。3枚羽扇風機や、庭からの外便所もよき風情だ。 浴室も繁盛、にぎやか! タイル等は更新されていて古びた感じはない。でも正面奥壁にドーンと中島絵師の富士山ペンキ絵がある伝統スタイルだ。よいねー。 富士山の下に二つの湯船がある。左は気泡&ジェットの浅湯だが、右は円形浴槽で…ムムッ、お湯が回転しているぞ。これはまさしく関西でいう「人間洗濯機」やおまへんか。でもこれも関西より浅めだ。 お湯は両方とも緑色の薬湯。 湯温はやや温めだが、麦飯石が使われていて心地よし。 男女境側にスチームサウナ(無料)がある。こいつは下からどんどん熱気が噴き出てきてソートー強烈だ。 水風呂はないが、男女境のカラン列が取り払われて立ちシャワーブース二つになっている。かつての石鹸置き台に腰かけて座りシャワーも可能だ。 それにしても人気銭湯やなぁ。子ども連れ2組を含めて浴室17人、脱衣場8人、合計25人もいた。この規模の東京伝統銭湯でこんなに人がいるのは初めてかも。 それも十分に納得だ。シンプルながらもよく考えられ、メンテもよく、快適にお風呂を楽しむことができる。近所にあったらそら通うわな。 湯上りは年季の入ったベンチに腰かけ、トマトジュースを飲んでスッキリサッパリ〜。 (2014.8.18) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
大黒湯★
ついに入りましたで。東京のキング・オブ銭湯。 北千住駅から北西に徒歩10分ほど歩き、国道4号線を渡って少し西へ入る。と、現れるのはお寺のようなこの建物。全体がハフハフうるさいっちゅーくらいに破風っております。 およそ東京の伝統的銭湯はこういう宮作りだが、ここはその頂点に君臨する。まさしくキング、ここまでやるかと。 だがよく見ると唐破風の下は玄関になっておらず、本来前栽のあるべき場所に暖簾がかかっている。フーム・・・。 (左)本来ここが玄関のはず (右)青い山が描かれたシャッター部分が入口(営業時間前) なぜならそこに煙突があるからだ (左)唐破風の下には鳳凰のゲギョ (右)その下には木彫りの大黒様 まあともかく入るべェ。暖簾をくぐると、東京銭湯らしく傘立てが存在感を示す。前栽の半分ほどを下足室にしたようだ。 なぜ東京の傘立はこんなに立派なのか 靴を脱いで左手に自動ドア。そこから入ると、唐破風の下部分がロビーとフロントになっている。奥には畳スペースもあり、そのさらに奥に旧女湯の前栽が残されている。 ふむ〜。うまいこと改装しましたな。思った以上に広々していて、ソファでテレビを見ながらゆっくりくつろげる。日常銭湯として大変よさげ。 でも、せっかくの立派な破風玄関が玄関として機能していないのは俺的には残念だ。電動のSLみたいなもんで、立派であればあるほど、どこかちょっと寂しさが漂う。古いものが現役であるところにイニシエ系銭湯の面白みがあると思うんだが……。 でも一般人にはどうでもいいことなんやろな。 フロント脇から脱衣所へ。 おぉーー、すごいぞこの天井! めちゃくちゃ高い折り上げ格天井。しかも、だいぶかすれてはいるが、京都のお寺の天井みたいに格子の1マス1マスに花鳥風月が丸く描かれている。これまで見た銭湯の天井の中で間違いなく最高級な逸品。 そして正面には大黒柱がデーンとそびえ、壁はしっくい。まさに本格的な寺社建築だ。 一方、床は合板フローリングで、ロッカーは半分ほどが100円返却式、隅に牛乳の自販機あり。いまどき系な脱衣所だ。しかし天井が異様に高いぶんノビノビ感がある。フロント改装の割には広さ十分、ここにもテレビがあってくつろげる。 浴室へ。骨格はまさしく典型的な東京伝統系の大型木造銭湯。ズバーンと高い2段式天井で、窓枠にも古い木がしっかり使われている。 正面の壁には早川師のペンキ絵、西伊豆からの富士山。その下に広々と浴槽が並び、手前に島カラン2列の洗い場。男女仕切り壁にはタイル絵と、レイアウトも伝統的な東京定番様式だ。 ここではそれにプラスして、水風呂、別料金サウナ、露天風呂がある。露天はしっかりした岩風呂で、小さな庭もある。カランまわりも配置がゆったりしていて使い勝手は二重丸。 と。どこでもホメられてばかりの有名銭湯ではあるが、しかし俺としては正直言ってイマイチ満足できない点もあった。あくまで一関西人の意見として、このさい書いておこう。 まず湯船が全部浅い。東京では概して浅い湯船が多いようだが、1ヵ所くらいは深い浴槽があるものだ。ところがここではその1ヵ所が狭いうえに座浴ジェットになっている。 広くて深くてたっぷりの湯に浸かり、水圧に腹をシメられて「ぶぁ〜」と声を出すために銭湯へ行く関西人としてはどうしても欲求不満が残る。 ちなみに関西の銭湯では、浅い浴槽はあくまでサブ的な「子ども風呂」もしくは「寝風呂」だ(ただし最近のスー銭などでは浅い湯船が多い)。 ま、文化の違いに文句をつけたらあかんのかもしれないが。 次に、男女仕切り壁のタイル絵。端から端まで「木曽路」の道中が描かれた立派なもので、わりと新しそうだが、構図や色使いが…あんまりゲージツ的とは言い難いかも。 そして、カランまわりのタイルはスー銭的に無表情な大判モノで、歴史ある銭湯ならではの味わいは残っていない。 とまあ、俺的には若干中途半端な印象も受けたので、以上のごとく、畏れ多くて誰も書けないだろうからエラソーにほざかせていただいた。 ただしこれらの不満点はあくまで「キング」の称号に比してのもの(それとて別に大黒湯が自称してるわけではない、ゴメンネ)。一般的に見ると名銭湯であることは確かで、当然★つきだ。 お客も多くて繁盛していた。銭湯初心者を連れてくるのにもよさげ。(2004.1.21) なんにせよキングは話題にのぼる |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
梅の湯★ ≪廃業≫
北千住駅から徒歩7〜8分。 西口を出て「サンロード1010」(セントー、ではなくセンジュ)を少し行くと、右手に「宿場町通り」という商店街がある。それを北上して外れのあたり、だんご屋「かどや」の隣にコインランドリーがある。 その角をひょいと曲がった瞬間、タイムスリップしたような錯覚に陥る。 表通りから引っ込んだ路地奥、この銭湯へ来る人以外は立ち入らない静まり返った空間に、むくりのついた大屋根が大きく構え、千鳥破風の小屋根の乗った玄関がつつましく光を放つ。 渋い。ひたすら渋い。 (左)だんご屋「かどや」の奥っちょ(左のほう)に煙突発見 (右)玄関。ちょいとごめんよ、てな 横に広い脱衣場は高々と折り上げ格天井。大黒柱はもちろん、梁に使われている材木の太さがハンパじゃない。こんな木、今じゃ屋久島にでも行かないとお目にかかれまへんで。番台のおばちゃんによると築70年、ゆがみも腐食もまったくないそうだ。 全体に照明は暗めで、どことなく湯治場のような雰囲気。脱衣場の隅に一段上がるくつろぎスペースがあるし、その後ろに立派な縁側のついた広い庭があるし、ますますもって温泉っぽい。 庭の池には太鼓橋がかかり、端っこには巨大な溶岩の小山がある。おばちゃんによると「富士山の溶岩」だそうだ。便所もこの庭の脇にある。 (左)湯治場風情の脱衣場 (右)休憩スペース。このうしろが庭 浴室は広々しているが、浴槽は奥に深浅2槽が並ぶだけのシンプルな東京伝統スタイル。浅いほうにジェット2連。湯温は43〜44度くらい。 奥の壁には富士山のペンキ絵ではなく、関西にもよくある「アルプスと湖」のモザイクタイル絵だ。 カランは手前の洗い場の両サイドのほか、中央に島カランが2条に分けて配置されている。島カランはシャワーも鏡もない背の低いもので、4×4=16組がズラリ並ぶ。 湯船のつつましさに比べて、洗い場の広さ、カランの多さが際立つ。昔はさぞや大勢の人がここでいっせいに体を洗っていたのだろう。 ・・・ははあ、さては東京の銭湯はそのために湯がこれほど熱くなったのかも。熱ければすぐに出るから回転が速いだろうし、湯も汚れへんからな。 でもこのとき(金曜夜8時すぎ)は、お客は俺のほかに2人だけだった。 どこへ行っても人だらけの東京の中に残る、エアポケットのような空間。まことに落ち着ける。 (2004.5.14) 夕暮れに浮かぶ、むくり屋根のシルエット |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
タカラ湯★
北千住の駅からだと北西へ15分ちょい歩くかな。何度か曲がるので、くわしくはこちらのHPで。 東京にしては静かな下町の、素朴な横丁にデーンと現われる。玄関の小屋根以外は青トタンになっているが、ぎんぎん伝統系の立派な構え。何が立派ちゅうて、この軒先の七福神のすかし彫りを見よ。 東京スタイルの短い暖簾をくぐり、靴を下駄箱にしまうと、中へは自動ドア。フロント式で、ロビーの奥には・・・おぉ、これか、ごっつい庭だ! この銭湯は知る人ぞ知る、「キングオブ銭湯」ならぬ「キングオブ庭」または「キングオブ縁側」と呼ばれておるのだ。それを見るために、子ども2人を連れてやってきた。 たしかにこいつは庭っちゅーより日本庭園、こいつあいいや。広いなあ、奥までずーっと続いているぞ。 男湯の脱衣所へ入ると、ここも横は全面ガラス張りで、ロビーから続く庭。しかも縁側がぐるっとついていて、ここまでの風情はたしかに並みの銭湯ではお目にかかれない。それになんやあの池にかかるバカデカイ石橋は! 脱衣所は、フロント式に改造したにしては狭くない。見上げれば東京らしくバーンと高い空間、こいつも庭に負けじとがっしりした格天井だ。隅は折り上げ式にカーブしている。 その他は改装されて古さなし。 浴室へ。ここもきれいに改装されているが、造りは伝統的東京銭湯。当然ながら高ーい二段式天井、そして奥に湯舟が並ぶ。富士山のペンキ絵がないのはチト残念。 だがそんなことより、やっぱりここも横は全面ガラス張り、ロビーからずっと続くゴージャス庭のゴージャス池に住むゴージャス錦鯉を眺めながら風呂に入れるってんだチキショメニャロメ。 湯舟は、中央のメインは浅いけど、ジャスミンか何かサワヤカ系入浴剤入りの気泡風呂で、一部が電気風呂になっている。 右は深めの白湯で、座浴ジェット。左側には熱めのじっこう入り薬湯と、さらにその横にぬるめの・・・えーと、オゾンラジウムかなんかそんなの。どっちも底から気泡ブクブク。 以上4浴槽中3つに何かしら入浴剤関係が入っており、しかも全部気泡ブクブク、そして湯の温度が全部違う。これはいいね。東京には気泡風呂が多くて嬉しい。でもだからといって全部せんでもという気もするが。 カラン関係ももちろん快調。 脱衣所に上がると、窓際のソファでおっさん達がくつろいでいる。なんせキングオブ縁側ですから、これはくつろがずにはおれんわな、そら。 でも脱衣所でもロビーでも、くつろぎオヤジたちのタバコの煙が俺&子どもにはチト辛く、近寄れなかったのが残念だ。(注:その後、禁煙になったようです) しかしまー、こんな銭湯が近所にあったら家の風呂なんか絶対入らんな。(2006.4.3) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
日の出湯
焼き鳥のあとなぜかタイ料理、飲み食いしすぎて胃袋ヤバイ。でまた酔っ払った状態で、寝る前の腹ごなしに銭湯へ。 地下鉄三ノ輪駅から南東へ徒歩5分、ちょい西へ入る。コインランドリーの脇にフト石畳があり、その奥正面に激渋の銭湯玄関が現れる。堂々たるむくりの入母屋破風の下に唐破風、懸魚も立派。 このイキナリ感が東京銭湯の醍醐味やねえ。 (左)ぼわーんとお迎えですわ、これが (右)暖簾の内側から外を見る 翌日の昼間に撮影。木と湯はくつろぎの必須素材でございます 暖簾をくぐると正面にナナメ配置の傘入れが目立つ。入口はその裏手にある。まったく東京人の傘入れ好きにも困ったもんだ。って別に困らんか。 などと言いつつ入ろうとしてビクッ! 自動ドアだ。 脱衣所へ入ると番台はなく、男女隔壁の中ほどに幅広のフロント・・・でも向きは番台と同じで、おねーさまがお座りになっている。変わってるなぁ。 脱衣所の骨格は伝統型で天井が高いが、壁などはきれいに改装済。 男女壁の対面が庭になっており、そこの掃き出し戸だけ昔ながらの風情が漂う。外には広めの縁側があり、庭の石にはコケがむしていてナカナカよろし。 浴室は床、壁、カランまわりなどシンプルなタイルで全面改装済、ここも古さなし。 奥壁に早川師による西伊豆からの富士山ペンキ絵がドーン。その下にはちょっと変わった魚のタイルがはめ込まれている。 湯舟は奥壁に沿って並ぶスタンダードスタイルで、左から薬湯、深(ジェット2連)、浅(電気&気泡)。薬湯には実母散の布袋が浮いていて嬉しいな〜。 でもこの電気風呂、こんな浅い風呂の底に電極つけたら、腰や背中に電気を当てられへんがな・・・。 ほかに立ちシャワー2機あり。 男女壁の対面壁は全面窓になっており、外側は脱衣所からずっと庭がつながっている。池や岩が配置され、心なごむ景色。昼間に入るといいやろねぇ。 上がりは脱衣所にドリンク自販機。 建物外観に似合わず全面改装きれいでシンプル、そのぶんやや味気ないが、浴室から眺められる庭の風情ナイスです。 (2005.1.22) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
燕湯 ★
山手線の内側で唯一、早朝6時からやってる貴重な銭湯だ。 上野と秋葉原の間の御徒町駅から南西に3分ほど歩くと、ビジネス街の真ん中に高い煙突が見えてくる。 ちょっと京都っぽい3階立てに千鳥破風の玄関。国の有形文化財に登録されているらしい。朝っぱらからこんなのにお目にかかれて嬉しいねえ〜。 清々しい白暖簾 やや小ぶりな銭湯だが、脱衣場は高〜い折り上げ格天井の伝統建築で、木の香ただよう落ち着いた雰囲気。 ロッカーの幅が広い。場所柄、旅行者が多いんやろね。こういう配慮は嬉しいな〜。 浴室も、奥に深浅の湯舟が配置された東京の伝統スタイルで、明るく清潔。 目をひかれるのは、浅いほうの湯舟は奥に溶岩(富士山の溶岩か?)を大胆に貼り付けてあって、そこから滝のように湯が落ちていること。 そしてその溶岩につらなるように、富士山のペンキ絵だ。男女境の真ん中に山頂が来るように描かれている。ニクイ演出やんか。 湯温は44度を指していて、朝からシャキッとさせられる熱さだったが、「ぬるかったら番台へお知らせください。熱い湯を出します」と書いてある。朝っぱらからこれ以上熱いと倒れるっちゅーねん。 お湯は限りなく澄み切っていて、たまらなく気持ちいい。深いほうの浴槽は気泡風呂になっている。 カランまわりは、ちょっと物を置くスペースが広かったり、鏡が横に全部つながった大きな一枚ものだったりで、きわめて使い勝手がよい。 旅行者の強い味方の、うれしい銭湯だ。 (2004.5.15) ビジネス街にこの風情 |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
梅の湯 ★ ≪廃業≫
浅草の少し南、地下鉄浅草線蔵前駅から西へぶらぶら〜っと数分歩く。民家や町工場が混在する地味なまちなみに突然、鮮血のごとく真っ赤な二重破風が現れる。 いったいこれはナニゴトかと。なぜ赤いのかはわからんが、お稲荷さんをも超えるインパクト。緑の松に白鶴のゲギョも見事。玄関まわりの渋茶もエエ味出しとるで。 外観に続いて下駄箱周辺スペースも木製系イニシエのかほりが漂う。男女入口には目隠しアールついたてが設置されている。 中に入ると番台におかみさんが座っている。 脱衣所はわりとこじんまりしている。折り上げ格天井、男女壁上に磨き丸太、落ち着いた東京伝統スタイルだ。浅草で人波にもまれてきただけに、ほっと脱力のタメイキが出ちゃう。おっさんだもん。 この日はもう暑くて暑くて、はよ汗を流したいのでダッシュで浴室へ。と、まず目に飛び込んでくるのは例によって奥壁のペンキ絵だ。西伊豆からの富士山、早川師の作品。 湯舟の配置は東京銭湯には珍しく男女壁に沿って深浅が並んでいる。深はユルイ気泡、浅にはジェットといつもの東京式。 お湯は42度くらいの適温だ。ゆったり浸かって見上げれば、水色2段式天井の窓から煙突が見えている。あーもう、言うことないね。 洗い場は、外側壁にカランが並び、湯船との間にも島カラン1列。カラン周辺や床などは白っぽくて明るいタイルに改装されていて、古さはない。 東京銭湯らしく、清潔で使い勝手よし。水をかぶっては何度も浸かる。 まだまだ日の高い3時台、相客は高齢者ばかり3〜6人というところ。 あがりは飲み物販売あり。風情のある脱衣所でだらだらしていこかのう。 よく見ると、壁にずらっと写真やサイン色紙が並んでいる。この銭湯は映画やドラマのロケによく使われているらしい。 湯舟で背中を流しっこする白黒写真の山城新吾から、赤い破風の玄関先で微笑む和服姿の田中麗奈まで、新旧いろいろあって楽しめる。 さすが東京、お笑い芸人ばかりのクソ関西とは違います。(2008.7.28) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ | ||||||||||||
大正湯 ★ ≪廃業≫
「行きつけの居酒屋に連れて行ってやる」と友人に言われて地下鉄で森下というところへ来たが、残念ながら休み。仕方なくそのへんの店を2軒ハシゴしたあと友人と別れ、夕方見つけておいたこの銭湯へ。 また酔っ払って銭湯、アカンっちゅうに。 森下駅から北東へ徒歩数分、交差点にデーンと現れるどっしりした伝統建築。みごとな破風造りでありながら華美な感じはなく、がっちりとした質実剛健な面構えだ。 (左)目隠しが目立つのも東京銭湯の特徴 (右)側面、ごつい2段式天井から湯気が立ち上る (左)懸魚はないが、下にナゾの模様 (右)骨太な暖簾がまたなんとも 暖簾をくぐると古い木の下駄箱が健在。そして出ましたニス塗りツヤツヤ仕上げ。これ関西の銭湯もやるといいのになあ。 (左)古いけどキレイ (右)待ってましたこの雰囲気! 戸を開けると、新しい番台に感じのいいばあさんが座る。 脱衣所は典型的な東京型伝統建築。そしてどこもかしこもニスでツヤツヤ、ピッカピカ。 気持ちのいい空間だ。「来てよかった」感が全身から湧き上がってくる。 (左)関西にはない島ロッカーナナメ配置 (右)前栽方面の広い2辺開口も東京式 折り上げ格天井にしっくい壁、大黒柱に古い柱時計、丸木組みの男女隔壁 浴室ももちろん東京銭湯の典型的古典的伝統的正統的風景。 正面の壁一面にペンキ絵の富士山が聳え立ち、その下に章仙作の九谷焼タイル絵、鯉の滝登り&カワセミ。その下に浴槽が並んでいる。 小さな深風呂には気泡、大きな浅風呂にはジェット2連というのも東京典型パターンだ。湯舟の湯は44度くらいありそう。熱〜い湯に浸かりながら、まわりをゆっくり見物する。 窓枠は古い木のまま。タイルはみな小さめで味わい深い。男女仕切り壁にはモザイクタイルで描かれた海原。 それらが隅々まで磨き上げられている。心意気だねぇ。 上がりは酔い覚ましにトマトジュース。番台のばあさまによると、昭和32年に建てられたらしい。 まったくもって正統派の美しき東京銭湯。夜10時すぎから11時頃までいたが、お客は若いのが3人ほどだった。もったいないなあ。 (2005.1.23) |
||||||||||||
この頁の頭<東京<激渋銭湯トップ |