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銭湯の聖地発見



(奈良県大和高田市)
(2004年4月10日)


 橿原で大和三山を歩きまわったあと、JR和歌山線で五條まで足を延ばして渋い銭湯に入り、再び30分ほど列車に揺られて高田駅(大和高田市)まで戻ってきた。
 乗ってきた列車はここが終点だったので、とりあえず駅を出てしばし散策することにした。

 大和高田市というのもちょっとかわった街だ。
 近鉄大阪線、南大阪線、JR和歌山線が走り、それぞれ「大和高田」「高田市」「高田」という3つの代表駅があって基本的に交通の便はいいのだが、その3つの駅の場所が少しずつ離れているため乗り換えはとても不便。
 商業地はその3つの玄関に分散していて、しかも真ん中のJR高田駅付近が最もさびれているため、中心部がどこかよくわからない。そのぶん、アーケード商店街が小規模ながらもあちこちにあって、複雑でちょっとおもしろい。

 小1時間ほど歩き回るうち、この街もまた渋い路地裏天国であることが判明した。それも奈良町や橿原の今井町・八木町と比べ、もっと庶民的で下町系のチープ&ディープな路地裏が炸裂している。とくに北片塩町あたりは濃い。

   
 (左)廃墟系の商店街  (中)火災一発、町内全滅まちがいなしの路地が密集  (右)お寺の屋根も丸太で支えないとヤバイ!

 そしてアナタ、銭湯もコレもんでっせ。もー足が疲れてんのに、夢中になって歩き回っちゃった。

   
 (左)高砂湯コレもん   (中)中央温泉コレもん、定休日   (右)日の本湯コレもん、奈良らしく右翼的ネーミング

 とにかくそそられまくりだが、さっき五條で入ったばっかりだ。腹が減ったしメシ食おう。
 いつものように盛り場を野良犬のようにウロついて、高田市駅近くの創作居酒屋「夢心」に入る。
 最近はこの程度の規模の街なら地元の人気店をだいたい探し当てる眼力がついてきたような。ここも値段の割に料理はよかったが、おかげで途中からお客は満員、店員は汗だくで、一人のんびり飲み食いできるような雰囲気ではなくなってしまった。といいつつしっかり食ってビールも焼酎も飲んで出る。

 しかしまー、せっかく五條のヒノキ風呂で三山制覇の疲れを癒したのに、ここにきて興奮して路地裏や銭湯をめぐり歩いたおかげでまた足が棒みたいにじんじんしている。銭湯めぐりで足が疲れるって、アホやな。

 仕方ない。また銭湯で癒そう。
 さっき見つけた3軒のうち、飲み屋からいちばん近くの日の本湯へ。木のロッカー健在の渋い銭湯だが、管理状態はかなりクタビレ系。ともあれ肉体疲労には熱い湯が嬉しい。冷水をかぶっては何度も入るうち、フクラハギの張りもやわらいでくる。頭もカラッポでダラ〜ンとなるね。

 JRを乗り継いで神戸へ帰ったら11時前だった。万歩計は3万8004歩(1歩70cm計算で約26.6km)。

*その後、大和高田には何度か訪れてあちこちの銭湯に入った。最初に入った日の本湯は残念ながら廃業されたようだ。大和高田の銭湯レポートはこちら。(07.5.2追記)

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