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【大阪市城東区】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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菊水温泉★(鴫野駅) 鴫野湯(京橋駅)(廃業) 昌の湯★(緑橋駅) 本町湯(緑橋駅)(廃業) まねき湯(緑橋駅)(廃業) 諏訪浴場★(放出駅)(廃業) |
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菊水温泉 ★
暖簾をくぐってタイムスリップ! ということはままあるが、ここはもう周囲のまちなみ自体がすっぽりとタイムスリップしとります。 JR鴫野駅から10分くらい。南へ歩いて第二寝屋川を渡って下水処理場の西側、道順説明不能な狭い路地の中にひっそりと隠れている。 3丁目の夕日もたいがいにしいや、というようなクランク状の路地裏を、風呂道具一式を袋に入れたおばちゃんがヨチヨチ歩いている。あとをついて行ったら・・・。 (左)燃料の廃材が整然と積まれている (右)屋号はナール体だが、木彫りっぽい せまーい路地、クリーニング屋の向かいに大阪伝統凸型玄関あり。でも路地が狭くてナナメからしか見えない。 暖簾をくぐるとフツーに玄関。サッシ戸を開けて脱衣場へ進むと・・・。 (左)黄金の番台 (右)光り輝く脱衣箱、ケヤキ一枚板に漢数字浮き彫り (左)男女境の鏡に映る脱衣箱 (右)格天井から下がる3枚羽のファン ここは本当に大阪市内で、下水処理場の裏なのか? この静寂。この渋さ。全部が茶色の柿渋世界。そして小さな前栽には池があり、鯉が涼しげに泳いでいる。悩めるジパングの子羊よわれにつき従ひて菊水の門をくぐれ、とすべての人が聖者と化す確率87%の超ホーリィ空間だ。 ウソだと思うならば、戦中戦後を生きた年配の方をいっぺん連れてきてみるがよい。彼の頬に一筋の涙が光る確率88%だ。1%サービスで上げといた。 浴室はわりと新らし目のタイル張り 浴室は大きな深浅の主浴槽がデーン。こぎれい感が心地よい。 奥の掘り込み部分にはデンキ&ジェットの副浴槽あり。その上の壁にはモザイク画があるが、西洋なのか文明開化なのか、馬車に婦人のシルエット図。さっき脱衣場でさんざん漢数字浮き彫りの脱衣箱を見せといての西洋婦人。ホワイ? とにかく貴重。味わい深し。(2009.6.9) とことん落ち着ける ※2011年6/26、ふろいこか〜ラジオに登場! ※2011年12/23よりオリジナルポストカードを番台にて販売中。買って帰ろう! ※2013年から毎年春に関西てくてく銭湯開催! ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。同書を番台にて販売中です。 |
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鴫野湯 《廃業》
環状線の大阪城公園駅から北東へ徒歩5〜6分。ドデーンドデーンと真新しい巨大マンションが林立し、交通量の多い再開発地域だが、クレオ大阪東の東側向かいにひっそりと昔ながらの路地がある。この路地、ひょいっと足を踏み入れるだけで妙にホッとするような心地よい空間だ。 |
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昌の湯 ★
うむ〜、こんな渋い銭湯を見逃していたとは! 地下鉄緑橋駅から北東へ徒歩7〜8分。市バスなら中浜バス停から3分。 下町の狭い路地に面して銭湯あり。タイルばりの外観は平面ビルっぽく改装されてフツーな印象だが、奥の部分は瓦屋根でイニシエのかほりが漂っている。 その横には燃料の薪が積まれ、停められた軽トラの荷台にも薪が積まれている。この密集市街地で薪沸かしを貫いているとは見上げた根性だ。 (左)脱衣所棟、浴室棟、そして薪 (右)玄関上のガラス模様 暖簾をくぐって「おおっ!」とのけぞった。京の三条大橋に舞妓さん二人。ここは大阪のベタベタ下町城東区。なぜなんだ、理由を述べよ! 驚くのはまだ早い。靴を脱いで脱衣所に進んでさらに驚愕! (左)なんかしらんがスバラシーぞ! (右)この脱衣所! (左)この神棚! (右)浴室入り口のタイル装飾! むーん・・・タイル装飾が神がかっている。そして脱衣所全体を覆う激レトロなオーラがたまらん。 しかも番台のおやじさんに金を払おうと思ったら、320円やと!「うちは古いからね」って。いつからのもんかと思ったら、昭和13年築っちゅーからオドロキや。オドロキ桃の木サンショの木、と思わず古さに古さで対抗してまうがな若大将はん。 木のロッカーはふたの中央にガラスがはまっていて、そこに番号が書かれている。んで貫目表示の体重計やら木製身長計やらは当たり前田のクラッカー。時計の針が全面逆回転の世界やがな。 圧倒されつつ浴室へと進んでまたフルチンで棒立ちや。 床は石畳でスキマに青緑タイル市松張りや。排水溝はなくて排水穴へ向かって床が微妙に傾斜してる古いタイプや。入り口付近の石の床には滑り止めの切込みが引かれているが、その無骨さがたまらん。 ほんで真ん中に湯船ドーンや。お湯たっぷりや。 座り段の部分にはピンクと水色のパステル調タイル市松張りや。奥壁にモザイクタイル画、入江に帆掛け舟と松の木や。 んでその絵の下のカラン手前にベンチ式の石の座段や。横壁のカラン下には桶置き台なっしゃ。そのかわりカランまわりには見たことない矢筈みたいな形の細長い飾りタイルが張られてとる。 他にも、入り口脇の水鉢や排水溝の一部が女湯とつながってる。これがまた味わいがおまんがな。 水鉢の逆側には立ち水シャワーもあって、お湯以外の風呂設備はないけどクールダウンはバッチリや。 古いのは古いけど、ボロい感じはなくて快適に入浴できる。 薪沸かし、低料金に始まって、脱衣場も浴室もレトロな見所満載。なんか俺もうヤラレましたわ。(2011.3.10) ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。同書を番台にて販売中です。 |
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本町湯 《廃業》
地下鉄緑橋駅から北東へ徒歩5分。レトロな建物も残る緑橋商店街の中にフッとあらわれる、千鳥破風のこじんまりとした古い銭湯。しっとりとした風情がたまらない。 (左)げぎょ (右)木の下駄箱が泣かせる 下駄箱は木。脱衣場のロッカーは新しく、格子天井も白く塗りなおされてはいるものの、黒光りする番台や男女仕切り壁、木製の扇風機(動くが音がうるさいので使用していないとのこと)など、昭和初期の雰囲気が色濃く残る。脱衣場と浴室の間に小さな庭があるのもいい感じ。 ところが浴室はピカピカのタイル貼りに改装されている。番台のじいさんが言うには、古い石の湯船は湯が漏るようになったので、今年(2003年)になってから改装したそうだ。 改装されてはいるが、白を基調に肌色と薄緑のタイルでアクセントをつけた、センスよく抑えられたシンプルな色使いに好感触。 湯船は、深くて熱め(42度くらい)の浴槽と、浅くてぬるめ(40度くらい)の浴槽があるだけだが、どちらも広くて気持ちがいい。浅いほうにはジェットつき。 古い銭湯だが、地元の子どもも入りに来ている。番台のじいさんの素朴で人なつっこい笑顔も素敵だよ。 (2003.11.23)(写真の一部は2005.9.13撮影) 市街地のオアシス |
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まねき湯 《廃業》
地下鉄の緑橋駅、6番出口を出て30秒で到着する秒殺銭湯。でも大通りには面しておらず静かな路地裏風情が残っている界隈だ。 建物がちょっと渋くて、どこがどうなっているのかよくわからんが、どうやら銭湯部分は3階建てらしい。 上階ベランダのブロック装飾が目を引く。傘いれが暖簾の外に作りつけられているのもちょっと珍しい。 (左)横の住居部分がカッコイイ (右)玄関に屋号通りのまねき猫 玄関は、入り口付近が古い木のぬくもりいっぱいでたいへんよろしい。 脱衣場は、番台や脱衣箱は新しいものに変えられているが、天井の2枚羽プロペラやら浴室入り口上部の擦りガラス絵、富士山のモザイク画など、なかなかの雰囲気やおまへんか。 そして嬉しいことに、ここも350円ですがな! (左)玄関部分のつくり (右)浴室入り口上部の装飾 ほんで浴室、これもアンタ、よろしがな! 石畳に石湯船の大阪クラシックなシブシブ風呂。排水溝がなく床が傾斜するイニシエスタイル、めちゃかっけー。 壁にはタイル絵あり。橋が架けられた小島に中国風の東屋がある、ちょっと不思議な風景だ。 さらに奥壁上部は、ハダカの女性が仰向けに寝転んで手足を上げているという意味不明ギリギリ的なモザイクタイル画で飾られている。 (左)石がビビビビューチフル! (右)二つの絵に注目 深浅2槽に分かれた湯船のお湯は熱めで、たっぷりなみなみ。丸みのついた石のへりをなめらかに溢れてゆく。新鮮なエエお湯や。 湯船背後の下のほうに貼られた青緑の古いタイルが非常に美しい。隅の水鉢の細かなタイルも味わい深いねぇ。 カラン・シャワーの使い勝手も悪くない。なんやしらん妙に居心地エエがな。 きれいに使ってきちんと片付けて上がりたくなる、昔かたぎな素敵空間だ。 上がってご主人に聞くと、この風呂の歴史のことはよう知りませんねん、とのこと。 「でもほら、たとえば壁の白タイルでも、あそこからこっちが古いタイルで、そのむこうが新しいやつやけど、古いほうがずっと厚みがあってヒビも入らんし、断然モノがよろしいで」 このご主人もなにかひょうひょうとした、味のある人物だ。 (2011.5.12) |
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諏訪浴場 ★《廃業》
これが噂のバンビな激渋銭湯。いや〜コリャとってもステキやわ。 一見ナニがどうっちゅーこともない、大阪伝統凸型玄関の平屋建ての地味ぃ〜なお風呂やさんだ。 かつて前栽があったと思われる右側部分ではかつて「ゆでたこ」というたこ焼き屋が営まれていたけど、今は残念ながら閉店中。 暖簾脇の立看板とPOP 暖簾の横に「手ぶらセット」を示した小さな立看板と、浴室内部写真を貼り付けたPOPがある。古くて小さな銭湯ながらのウェルカムな営業努力が泣ける! 素晴らしいっ。 そして入浴料370円、嬉しいねぇ〜。 中へ入って、まずおかみさんの座る番台にしびれるねぇ。ごく限られた大阪の古い銭湯だけに残る半楕円の木製ゲージツ番台だよおっかさん。 (左)ゲージツ番台 (中)シブシブ天井 (右)パステル流し 脱衣所はロッカーがアルミ製であること以外は、基本的にイニシエのまんま。 脱衣所の壁がすべて白タイル張りで、板張りの天井には、男女に3枚羽、男女仕切り壁の真上に2枚羽と合計3つの木製扇風機がぶら下がる。すげー迫力。 隅の流し台や、浴室入り口手前の床などのパステル調タイル使いも味わい深くて、いちいち「おっ!」と小声をあげてしまう。 やっと裸になって浴室へ進むや、今度はかなり大きく「おおっ!」と声が出た。 番台にてもみじまんじゅう好評販売中です(ウソ) 安芸の宮島だ! 奥壁一面に厳島神社の鳥居風景がモザイクタイルで描かれているぞ。 しかもその下部に岩のように石の板が貼り付けられていて、風景のリアル化に拍車がかかっている。 岩張り部分の下の床は一段高くなってピンクのタイルが張られ、その高さがそのまま湯船周囲の大阪式腰掛段へとつながっている。 んでその湯船は深浅2槽のみだが、ピカピカのタイルに熱い湯がじゃんじゃん沸いて、入ったら石のフチからザバーっとあふれるやおまへんかい嬉しいねぇ。 (左)お湯たっぷりの幸福 (右)この溝にシビレル〜! 湯があふれていく先の床がまたニクイ。細かいタイルがびっしり張られたイニシエバリバリの床は、中央付近に2つの排水口があいてて、そこへ向かって床全体がふんわりと傾いている激渋パターン。 しかもその排水口へと至る数ヵ所の溝に使われている青い柄入りタイルがまたたまらん。 排水口のうち一つはカランのすぐ近くにあり、そこがあまりにくぼんでいるため、その前のカランでは椅子を使うことは不可能状態なのがまた笑わせやがるぜ。 まだある。隅の水鉢の水吐きは小さな黒いクマさん、これもめずらしいが、顔面の中心が割れてしまっているのがさらに笑わせやがる。 (左)顔面崩壊だクマ… (右)ちなみに女湯の熊はマトモ 感動ついでに女湯も見せていただいた。ら・・・。 たまらん… わはは、どうだまいったか。もう傘を広げて笑顔満面で飛んでいきたくなるね、どこへでも。 ちなみにこちらのおやじさんは数年前に亡くなり、現在はおかみさんと娘さんがその細腕で懸命に維持されている。 行って応援、入って極楽、それがフロバカの生きる道であることは言うまでもない。 これで表の「ゆでたこ」が復活したらもうホンマ最高。 JR放出駅から南へ、あるいは地下鉄深江橋駅から北東へ、どっちも徒歩7〜8分。帰りは傘広げて空を飛んで自宅まで3分。(2011年1月)(2017年2月加筆、写真追加) ※2017年4/1よりオリジナルポストカードを番台にて販売中。買って帰ろう! |
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