関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
   レトロ銭湯へようこそ
関西版

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レトロ銭湯へようこそ
西日本版

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【島根県】の激渋銭湯
才市の湯(大田市) 
亀の湯(大田市)★ 
御前湯(江津市)★ 

才市の湯(小浜温泉)

大田市温泉津町小浜
TEL:
【営業時間】16:00〜20:30
【定休日】月曜日
【入浴料金】大人300円


 
温泉津と書いて「ゆのつ」と読む。元湯、薬師湯というイカニモ温泉情緒〜といった風情の二つの共同湯が有名で、そこには50度くらいの濃厚湯がイニシエの大昔から湧いている。

 でもこれはそこじゃない。温泉津駅から温泉津温泉へ向けて2分ほど歩いたあたり、さみしげな商店街の並びにある小浜温泉という別の温泉だ。
 温泉津の2湯が朝からやってるのに対して、小浜ちゃんは夕方オープンの銭湯スタイル。なぜならここは26度くらいのひんやり温泉を沸かしているからだ。

 温泉としての歴史は古いが、建物は平成17年にリニューアルされた。浅原才市(さいち)という地元出身の文人にちなんだ屋号もその時につけられたらしい。
 暖簾をくぐると玄関スペース、ほがらかなおばちゃんと券売機が出迎えてくれる。
 脱衣所にはいちおう鍵つきのロッカーがある。古い広告があるほかは、チープな内装の、ナニがどーっちゅうこともない田舎銭湯風情だ。

 しかし浴室へ進むと、これが激渋だよおっかさん!

 
むおー!

 半楕円の湯船と、やや土色に濁ったお湯。玉石が埋められた床は成分がこびりついて変色しまくり。沸かし湯とはいえまさしく温泉津的な温泉色だ。
 奥に仕切られた部分で源泉が加熱され、入浴部分に流れ込んでいる。湯の花も舞っている。

 じつはここへ入る数時間前に温泉津の元湯に入ったのだが、その湯は濃厚で塩分も濃く温度も高く、風呂というよりモロに湯治場という感じだった。微動だにしないオッチャン連中が、ずっと湯船のへりで体を癒していた。
 それに比べるとここは湯ざわりすっきり。でも温泉成分はしっかりあって、複雑な風味を感じる。なんせ火山帯だからね。
 んでまあ、ぬくもるぬくもる。

 奥には自動調温式のカラン&シャワーもあり、湯船には手すりもある。湯船は古いが清潔だ。
 地元の共同管理による温泉で、入浴客はほぼ地元民とのことだが、雨が降っていたせいか終始貸し切りだった。

 持病のある人や泉質重視の温泉マニアならば、元湯や薬師湯を選ぶのだろう。でも銭湯好きならばむしろこっちにピクンとくるはず。
 なにより、有名温泉施設と違ってすいているのが最高だ。のんびり確約。 
(2009.5.21)
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亀の湯(三瓶志学温泉)

大田市三瓶町志学
TEL:
【営業時間】加熱は17:00〜21:00
【定休日】?
【入浴料金】大人200円


 
三瓶山の南麓に湧く志学温泉には、観光旅館などが立ち並ぶエリアに鶴の湯(薬師湯)という共同湯がある。
 そこから東へ約1kmほど、坂を下って幹線道路を渡ると志学集落に入る。そのバス停前にあるのが亀の湯だ。ここはほぼ地域住民のためのお風呂ね。

 向かいの商店で入浴券を販売しているが、入口の賽銭箱に200円を入れてもOK。玄関や脱衣所は素朴な田舎銭湯造りでモロ俺好みやんかぁ。

 
(左)玄関スペース、木のあがりがまちや戸が最高   (右)脱衣所は籠のみ

 しかし誰もおらん。やってるのかなと浴室を覗くと・・・むごおおーっ!

 
(左)運命の出会い   (右)ケロリン東京サイズ

 
ジャブジャブあふれまくり

 中央ポンの楕円形、こんこんと注がれあふれる薄い黄土色の湯、温泉成分で変色した床の細かいタイル。この激素朴な空間が俺の三半規管を木っ端微塵に打ち砕く。美しすぎる。
 でもお湯をさわってみたらひんやりしている。体温より少し低いくらいだ。

 向かいの商店で聞いてみたら、いつでも入れるけど沸かすのは夕方5時からだという。村人の農作業が終わってからなのだ。
 この日の天気からして、沸かさずに入るのは辛そうなのでいったん断念した。

 でもどうにも我慢ならず、翌日の夜8時ごろに再訪しちゃうのよね〜。
 おー沸いてる沸いてる、村人5〜6人が楽しげに入っているぞ。さっそく俺もーっと。
 むーん、湯ざわりなめらか。土中のミネラル成分がたんまり含まれたような、それでいて意外にしつこくない湯が気色エエど。
 湯船の真ん中の塔みたいなところから沸かされた湯がどんどんモコモコ出てくる。この豊かな光景をなんとしょう。

 奥にはカラン1組と、塩ビのパイプからもじゃんじゃん湯が出ていて、みんなそこで体を洗っている。湯船まわりの排水溝はすごい勢いで湯が流れているぞ。この湯量はかなりなもんでっせ。
 なにより、これぞ共同湯という味わい、このオーラがたまらん。

 このときの湯温は41〜42度だったが、夕方5時ごろはもっと熱く沸かしているらしい。8時半ごろには炊くのをやめるので、出っぱなしの源泉によってだんだんぬるくなる。好みの温度の時間帯に入りましょう。

 しかし真夏に三瓶山に登ったあとに来て、沸かす前のひんやり状態の湯に浸かったら、それはもうこの世のものとは思えない極楽だろうなあ。
 今度やってみよ。 
(2009.5.22)

 
いい! また行きたい
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御前湯(有福温泉)

江津市有福温泉町710
TEL:0855−56−3353
【営業時間】7時〜21時30分
【定休日】無休
【入浴料金】大人300円


 田舎である。有福は鄙びの温泉地である。
 朝っぱらから雨のそぼ降る中、路地の狭い階段をあがっていく。するってえとこいつがドーンと現れる。
 かつて栄華を誇った有福温泉の象徴、御前湯様だ。

 
(左)あれにそびえるは・・・    (右)このタイル!

 モダンな建築デザインが百戦錬磨の変態銭湯ファンを床に叩きつける。ぎゃふん。この上品にして圧倒的な存在感はいったいナニゴトか。
 んでまた中に入るとこんな番台っちゅーかなんちゅーかの木製ボックスがお出迎えだ。でも湯銭は券売機で買うことになっている。

 
しびれる料金ブース

 おばちゃんに券を渡して男湯脱衣所へ。ここはまあ別段どうということもなく一般的な内装で、観光地らしく100円バック式の脱衣箱がある。
 んでササッと裸になって浴室へ足を踏み入れた。

 んだらまあパラダイスよおっかちゃん、パラダイス。

 
(左)むごごごーーー!    (右)はががががーーーー!

 この空間。この小さな空間ナニ。ここに俺を閉じ込めたままロケット発射して銀河の彼方へ連れ去ってくれよこのさい。
 それくらいアーチのウインドウが窓ってるわけ。それに囲まれてるわけよ俺は一人ぼっちでキンタマふたつぶら下げて。

 浴槽自体はピカピカに改装されて、イニシエ色が残っているわけではない。
 カランは水だけの古いカランと、自動調温式とが混合状態。そしてボディソープ・シャンプーが備え付けられている。

 それにしても、この空間で朝っぱらから貸切でキンタマぶら下げて「さぁーて湯に浸かろうか」なんて独り言をホザく幸せ、わかるかい? わからないヤツは今すぐパソコン切って布団かぶっておやすみだ。

 んで浸かるわけや湯に浸かるわけや。
 ほんだらまあ、ほんだら! いや有名な温泉であるから当たり前のことかもしれんが、この無色透明無味無臭のアルカリ単純泉のくせしてこれがまあ、メタメタのメタのほんだら級にエエ湯やないのおおおーーー!
 なにがどうとは言えない。あくまで無色透明無味無臭のスッキリさん。それがなじぇゆえに我をここまで快楽のルツボに追われてとっぴんしゃん。
 ホンマに気持ちええ。朝からホンマにきもちええのよ。

 
中央の丸い石の中から出ている

 終始貸切だった。
 そこで俺はこれでもか、これでもかの朝風呂攻撃。だから今すぐこのまま銀河の彼方へ発射しろ! 俺は光り輝く一等星になってみせる。

 薄く開けられた窓の隙間から、外の路地が見える。しばらくそれ見て、再び湯に浸かって潜って裏返って、んでまたなんとなく窓の隙間から外を覗く。
 まあ他にやることもないし。

 さて徹底的に温泉ヒキコモリを堪能したあとにそのあとに、この湯の第二の快楽が待っている。
 脱衣場を出て2階への階段をトントンと上がるわけよ。

 
(左)かっこいい階段    (右)ゲージツでございます

 ほんだらここがこんなことになってまんがな。あああ〜。

 
手前にはソファーもある

 湯上がり、ここで寝ころべと。ははは。そうか寝ころべと。
 んで部屋の隅にはティーバッグとポットが用意されとるわけや。飲めと。ここで思い切り茶を飲みくされと。
 くさったる。くさったるから今すぐこのまま発射してくれ頼む俺を銀河の彼方へと。

 部屋の壁には、かつて有福温泉華やかなりし頃の貴重な写真が飾られていて退屈しない。だらだら、だらだら。

 ちなみに有福にはほかに「さつき湯」「やよい湯」の2軒の素朴な共同湯がある。地元住民はそっちに入る人が多いようだが、どちらも数年前に改築されて古さはない。
 2つのうち若干古いほうの「さつき湯」に入った。外観は木造のいい感じ、でも脱衣場・浴室はわりとそっけなくて、風呂としての使い勝手はいいが御前湯のようなオーラはない。でもお湯はもちろんよい。
 どちらかをもうちょいヒナビのまま置いといてほしかった・・・と感じたら、あなたも今日から変態フロ馬鹿の仲間だ。よろしくね。 
(2009.5.22)

 
(左)さつき湯    (右)やよい湯も似たパターンぽい
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