チープに極楽。生きててよかった! |
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| 【涙の廃業】滋賀県の激渋銭湯 | |||
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若松湯 ≪廃業≫
JR大津駅から徒歩2分、一番近い銭湯。 駅の左手から浜大津へ向かう商店街を歩いて1筋目を左折すると、古びた街並みに溶け込むような「ゆ」の看板が見える。 県庁所在地の中心駅から2分でコレです大津戸を開けるといきなりタタキに番台という、古いスタイル。番台ではこの銭湯にふさわしいレトロなバーサンが相撲中継を聞きながら、虫眼鏡で新聞を読んでいる。 滋賀県の銭湯料金355円を支払って靴を脱ぐ。下駄箱なんてないので脱ぎっぱなしだ。 脱衣場にはロッカーもなく、棚に籠が並んでいるだけ。おもしろいのはこの脱衣籠に書かれたヒラガナのランダム配列。バーサンに、 「この字は何? いろは、やったんですか?」 と聞くと、新聞から目を離さずに黙ってうなづく。商売気皆無。 きむしらあ、すう、せ、ふところが下駄箱もロッカーもないのに、浴室入口上部にアルプス&湖水のモザイクタイル絵があったりする。 浴室はこじんまり、天井も低い。男女仕切り壁側に、カマボコ断面型の深浅の浴槽がある。こまかいタイル張りで、ジェットつき。42度と書かれてあるが、明らかに44度くらいはあった。 そして奥の壁にもアルプス&白鳥の湖のモザイクタイル絵があり、さらに壁最上部が5色の細かい長方形タイルで飾りつけられているのが目をひいた。 客は他に誰もいない。 静けさや タイルに染み入る ジェット音 上がりは、残念ながら飲み物販売はなし。 レトロな小規模田舎銭湯の深き味わい。(2004.3.20) |
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唐橋湯 ≪廃業≫
京阪石坂線の唐橋前駅から唐橋へ向かう途中、道の北側に細~い路地がある。 そこを入ると、新しい住宅の奥にいきなり超レトロな風情の看板が見える。板壁の向こうには大量の薪が積んであるのも見える。 なんかちょっとウソみたいに突然のタイムスリップ空間。この立地で、薪でわかしたお湯か・・・。すばらしい。 路地奥にあるだけあって、入口は看板手前の四角いコンクリ門の奥にある。ちょっと尼崎の武庫川湯を髣髴とさせるものがあるな。 暖簾の横には屋外便所。「勝手に使うな」と書いてある。いいねぇ。 ![]() 暖簾をくぐるとすぐタタキに番台。思い切り年季の入った、小さな空間だ。 355円を払い、靴を脱ぐが下駄箱はなく、棚だけ。 ロッカー、かなりキてる。チップの集成材に化粧合板という昭和中期のチープな改装品のようだが、内面のチップがどんどん磨り減って、周辺部が薄っぺらくなっている。あと2年もつか、というところ。 こじんまりした浴室は貸切状態だった。 天井が低い。男女仕切り壁側に半円形の深浅浴槽がある。 意外にも、浴槽や床のタイルがピカピカで新しい。・・・のかと思ったが、よく見るとひび割れや白パテ修理のあとなどが見つかる。つまり、新品かと見まがうほど磨き上げられているのだ。実に気持ちがいい。 しかもタイル使いのセンスが京都の芋松温泉にちょっと似ていて、にんまりと嬉しさがこみあげてくる。変態だな俺は。 上がりはオロナミンCを飲みながら、「女湯でお客がひっくり返ったら大変」との番台オヤジの話を聞く。 「そらそやで。上半身を抱えたら・・・、下半身を抱えたら・・・。それに最近は肥えてるおばあさんが多いから往生すんねや」 薪での湯沸しといい、銭湯は大変な仕事だ。 ちなみにオヤジによると、ここは大学ボート競技のメッカ・瀬田川もよりの銭湯のため、レトロ系にしては珍しく京大・立命・龍谷のボート部学生やそのOBがよく訪れるようで、外見の割にヨソモノも入りやすい。 「京大のOBなんか10年もしたら大企業の偉いさんや。それでもここへ来よるな」(オヤジ談) そういやこの上で紹介した容輝湯にも、僕が出るときちょうど北海道大学のボート部のジャージを来た学生カップルが入っていった。 地元密着の銭湯もいいが、俺のようなヨソモノにとっては多少なりとも外の空気の入っている銭湯のほうがリラックス度が増すような。 (2004.3.19) |
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港湯 ≪廃業≫
近江八景・浮御堂の近く。JR湖西線の堅田駅から歩いたら20分くらいかかる。 堅田港のすぐそばの横丁にたたずむ、うっかり見逃してしまいそうな小さな風呂屋だ。正面に木が豪快に茂っており、その奥で遠慮がちに暖簾が揺れている。 しかしこの木、よく見ると玄関前の岩にこびりつくように生えていて、しかも幹にはツタがびっしりとからまっており、ちょっと不思議な感じになっている。 ![]() (左)木が邪魔で正面から暖簾はほとんど見えない (右)そのかわり看板あり 裏側から。道の正面に琵琶湖が見えるうなぎの寝床のように間口が狭いプチ銭湯だ。 暖簾をくぐると、タタキ部分と脱衣所の一部を改装した下足室兼フロントになっており、おばちゃんがテレビを見ている。下駄箱はフタなし棚だが、その横に鍵つきのスチール小ロッカーがある。貴重品入れか。 小さな脱衣所はほとんどベニヤ張りの、チープな田舎銭湯そのもの。フロントに改装しながら内部が手つかずなのは珍しい。 木製ロッカーがいくつかあるが鍵はなく、あとは棚にプラ籠が並んでいる。壁際に年季の入った木のベンチが一つ。 浴室は一般的な京都~大津の古いスタイル、カマボコ天井に大きな湯気ヌキが空いている。 湯舟は仕切り壁に接してタイル張りの深浅主浴槽。温度表示43度、気泡つき。奥にジェット2連浴槽もある。まあ、どうってことないっちゃあ、どうってことない。 でも、この日もよく歩いたから熱めの湯がマコトに気持ちええ。 カランは温度調節が弱いなあ。しばらく出してやっと湯が出たと思ったら、しばらくするとまたぬるくなってやがる。シャワーなんかほとんど水のままだ。でも、その状況でうれしそうに「ニヤッ」とする俺。完全変態。 2ヵ所の壁上部にモザイクタイル絵がある。奥壁は琵琶湖大橋、手前壁は滝の絵だ。 脱衣所には飲み物もなし。設備メンテもテキトーな無造作系だが、お客はそこそこ回転していた。 フロント前のテレビでは「笑点」をやっている。のどかな日曜日の夕方。湯上がりは浮御堂までぶらぶら湖岸を散歩して、のほほ~んと脱力し切ろう。 堅田駅から循環バス(160円)に乗ったらすぐ。(2005.5.8) 港湯から1分の堅田港 |
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天神湯 (廃業)
国宝・彦根城の西、琵琶湖の近く。彦根駅から歩いたら20分はかかるだろう。前に駐車場と駐輪場あり。 こじんまりした伝統的な建物だが、内部は意外にもフロント式に改装され、小さな飲食コーナーも設けられている。 そのぶん脱衣所はやや狭め。ゆるく演歌が流れ、漢数字が書かれた古い木のロッカーが残っている。 浴室は全面改装済でピカピカ清潔。広くはないがお客は10人くらいいて、けっこう回転している。 湯舟は壁沿いに深、浅(ジェット2連)、うたせ、別料金サウナ、水風呂と揃い、立ちシャワーもあり。いろいろ楽しめるが、浴槽はどれもかなりコンパクト。僕の好みとしては、うたせより広い深風呂がほしいところ。 でもお湯は水質のよさを感じさせる、気持ちのいい湯だ。 カランも壁沿いと島カランでたっぷり配置されている。だが、こじんまりした空間に盛りだくさんなため、銭湯の醍醐味であるヒロビロ感が失われてチト窮屈かも。 でも、木のロッカーなど古いものの良さも大事に残しながら、設備を充実させようとの経営努力はすばらしい。客数の多さがそれを証明している。 (2005.7.2) ![]() |
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いなり湯 (廃業)
長浜駅から北東に1.5kmくらい。古い街道沿いにデーンと現れる、白と緑に塗られた古い板張りの2階建て洋館。うーむ、オーラを感じるのぉ。こういう外観の銭湯はきわめて珍しい。 周囲には小さいのに駐車場がたくさん用意され、しかもけっこう車でお客が来ている様子(金曜日の夜7時頃)。 写真が暗くてスマヌ期待に胸をはずませて暖簾をくぐると、ギョッ、自動ドア! 中に入ると真新しいフロントにおばちゃんが座り、テレビ見ている。ありゃ、もしかして全面改装か? 予想通り、脱衣所も改装されて古さゼロ。しかもフロントと増設スチームサウナにスペースを提供したため、かなり狭くて閉塞感。くつろげませんなあ・・・。 浴室へ。広さはこじんまりと昔のままだが、ここも全面改装ピッカピカ。 しかも浴槽設備は目一杯、これでもかと詰め込まれている。奥から、入浴剤風呂(漢方)、深浅の主浴槽(気泡あり)、ジェット2連槽、電気と4槽が並んでいるが、狭い空間に詰め込んだものだからどれも小さく、入浴剤風呂・電気風呂と主浴槽の深いほうは一人サイズだ。こんなに小さな主浴槽深風呂は初めて見たよ。 しかも湯温が・・・主浴槽と入浴剤は41度、電気とジェットは40度に設定されている。うむむ~、俺的にはこれじゃ子ども風呂だ。 さらにスチームサウナ、これが4人サイズでいちばん広く、スノコも気持ちよくてなかなかグッド。水風呂もあり。 と俺としてはなにかと残念だったが、広い駐車場とテンコ盛り設備のおかげかお客はずいぶん多かった。経営努力の賜物なんだろう。 でも昔の味わいをなくして設備で勝負するとなると、近くにもっと大きな設備系銭湯が進出したらお客はそっちに行ってしまうような気がするんだが。 難しいねぇ。でも外観をそのまま残したのには拍手。 (2004.12.24) |
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