ちょっとした旅ホーム
真夏の古い町でぼんやり



(広島県竹原市)
2005.7.22
 青春18きっぷで広島からの帰路、古いまちなみのある竹原に寄ってみた。

そこだけポッカリと

 JR呉線は瀬戸内海沿いを走るのどかなローカル線。午前中とはいえ、真夏の光はおだやかな海に照り付けて水蒸気を巻き上げ、ポコポコ浮かぶ瀬戸内の島々はぼんやりと白く霞んでいる。

 竹原駅前は、どこにでもあるような田舎町風情。地方小都市の商店街はどこも死に絶えつつあるが、ここの駅前から続く商店街はまだ死にきっておらず、救いがある。
 竹原観光の目玉である町並み保存地区(本町)はそこをぶらぶら歩いて10分たらず。保存地区の手前で小さな川を渡るが、そこにかかる日本橋という名の橋の手前に、いきなり廃業銭湯を発見だ。

 洋風モダン建築の廃業銭湯、惜しい!

 ボラなどの泳ぐ川を渡ると、いかにも観光に力こぶを入れるぞとの決意を感じさせる「街並み保存地区」が現われる。大型バスの駐車場などもあるが、暑い季節のためか観光客の姿もほとんどなく、静かだ。
 保存地区内は石畳が敷かれ、派手なみやげ物屋などもなく、「品位ある」観光整備を心がけているようすが伺える。

 
(左)昔ながらの家なみ   (右)松坂邸

 竹原はかつては製塩で栄えた町で、江戸期には大きな財を成したらしい。その豪商の家「松坂邸」は、屋根全体が唐破風づくりの珍しい建物。こんなの初めて見た。
 内部を見学できる。土間を広く取った昔の木造家屋の中は夏でもけっこう涼しい。誰もいないので、庭を眺めながら畳でしばらく寝そべってくつろいだ。

 
(左)すっきりしたまちなみ   (右)西芳寺へ続く階段から。倉敷の鶴形山の北側階段からの眺めにクリソツ

 西芳寺の普明閣は京都の清水の舞台をまねたものらしい。眺めがよく、涼しい風にあたることができる。ここでもしばしボーっとする。

 
(左)西芳寺普明閣   (右)普明閣の舞台から眺めた竹原の町

 街並み保存地区には、昔ながらの塩や酒、乾物・佃煮・菓子などを売る店がいくつか品よく営業中。子どものおみやげに飴を買った。
 しかしまあこういうところは、保存に力を入れるあまり生活感が失われるのがよくない。テーマパーク化した倉敷の美観地区ほどではないが、ここもその傾向にある。橿原の今井町にも似た感じ。
 裏通りに入ると、地元の小学生が遊んでいたり、中学生カップルが地べたに座り込んでケータイしてたりという光景がかろうじて見られるが、保存と生活の両立は難しいのだろうか。
 倉敷より、ぜひ奈良のならまちを見習ってほしい。

 駅前に戻る。腹が減ったけどもうすぐ列車の時間やし・・・と思って見回すと、駅前にパン屋「リトル・マーメイド」発見! 僕はなにをかくそう、この店の「マーガレットクラブ」の得点シールを集めているのだ。いやぁ、こんなところでリトル・マーメイドのパンを買って、シールをもらえるとはね。ははは〜。

忠海で汗だく

 パン食いながら列車に乗り、東へ3つ目の「忠海(ただのうみ)」で下車。この駅の背後にそびえる黒滝山に登ろうという計画だ。
 忠海も竹原市だが、観光パンフ類からは完全に無視されている地味な港町。
 いやまあしかし、この季節の山登りは暑いのなんの。とくにこの日は湿度も高かったし、もうマゾとしか言いようがない。汗びっちょんびっちょんになっちゃったよ。黒滝山登山の記録はこちら

 
(左)てっぺんに爪の生えたふしぎ山   (右)山から下りて眺める、のどかな瀬戸内風景

 山から下りると、次の列車まで少し時間があったので、忠海にある銭湯を探して歩く。広島県の浴場組合HPによると、忠海には1軒だけ残っているらしい。
 忠海には東西2つの港があってそれぞれ集落が固まっているが、その東港の集落内に旭湯発見。
 残念ながら営業時間前で入れなかったが、戸が開け放たれ、中でオヤジがせっせと掃除しているようすがなんともいい風情。田舎の古い銭湯だが、清潔感いっぱいで好印象だ。次の機会にぜひ入りたいので、廃業しないでね。

 
(左)正面は見せかけビル状   (右)広島銭湯らしいパステルグリーンのナナメ玄関、入って汗を流したい〜

 このあとさらに東の尾道へ移動し、銭湯に入って魚食ってビール飲んで、神戸に帰った。
 おしまい。
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