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【大阪市大正区】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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菊水湯(廃業) 三光湯 大正湯★ 萬歳湯★(廃業) |
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菊水湯 《廃業》
リトルオキナワ・大正駅の改札を出て広い通りを渡り、徒歩2分。 大通りから路地を2回曲がると瞬間的にディープな生活感が色濃く漂う空間が現れる。菊水湯はその細い路地にひっそりと佇んでいるが、路地の正面に宇宙的な大阪ドームが見えているのがなんとも不思議。 玄関部分は鶴橋温泉によく似ており、外壁タイルも同じものが使われているようだが、路地の細さのせいかディープな雰囲気は鶴橋以上だ。細かいタイルで書かれた屋号の文字や丸窓が激渋い。 こういう建築物の中で毎日フツーにお風呂さんが営業されていること自体に感動 脱衣場は白く塗られた格子天井だが、ロッカーその他は新しい。 こじんまりとした浴室も改装されていて古さはない。女湯との仕切り側に深い浴槽、浅いブクブク浴槽、電気と3槽並び、反対側の壁にカランが並んで、その上部にアルプスと湖水のモザイクタイル絵がある。 奥に、レトロ系にはめずらしく無料のスチームサウナと広めの水風呂があるのが嬉しい。 コンパクトにきっちりとまとまった構成で、毎日通うのにちょうどいい感じの風呂だ。 路地の正面に大阪ドームが見える |
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三光湯
JR大正駅からいちばん近い銭湯。徒歩2分くらい。改札を出てUターンするかたちで線路高架わきを天王寺方面に進み、最初のガードのところで右に入るとすぐにこの個性的な建物が現れる。 周囲の大きなマンションに負けない強烈なインパクトを発散してますなあ。 屋号を図案化して丸窓にあしらう。ナイスセンス! 外から脱衣場のしゃれた天井が見える。誘客効果高し 脱衣場の天井は円形の木製装飾の中にゴージャスな照明があって、ちょっと上等な感じ。 浴室はレトロな外観からすると意外にも設備系で、広めの空間がきれいに改装されている。手前部分に壁カランと島カランが配置され、中央から奥にかけて、深浅の主浴槽とジェット・電気コーナー、薬湯、少しはなれて水風呂、さらに奥右側に小さな露天風呂、左手に別料金サウナ。 幅広い客層で平日の夕方からけっこう賑わっていた。 (2004.2.13) |
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大正湯 ★
うーむ・・・名銭湯だ。うなったねワシャ。 なんかこう外観からして違うのよね。正面中央壁の内側がシレッと車寄せみたいになってて貫禄を醸しとるのよね。 向かって左半分はコインランドリーになってるけど、右半分の外壁タイル、そのカーヴ、楕円形窓、前栽から伸びる樹木などタダモンやないケハイぷんぷん。 玄関も貫禄や。 (左)この入り込み! (右)玄関に石畳と格天井、正面タイル・・・期待爆発! テンション落ち着かせて脱衣場へ・・・と、ウムー! ここでもうなったぞ。 脱衣箱はアルミ製だが、それ以外は見事なクラシックスタイルがびしっと息づいてるやおまへんか。 柱から格天井から重厚ないにしえ構造がっしり造り。 正面奥に鎮座する柱時計、こいつがもう圧倒的だ。2メートルはある振り子式で、いつの時代のものかわからん。 その下の流し台、これがまたオール石製のしゃれた逸品で惚れ惚れする。 庭にある池の鯉も立派で、20匹くらいが悠然と泳いでいる。 とにかくね、どこをとってもザ・銭湯ともいうべき落ち着いた貫禄を感じさせられるわけね。 (左)この流し台! (右)布に描かれた注意書き その他、額に飾られた盗難注意の絵がユニークだったり、川エビが入った水槽もあったりして、見どころ多し。 なにより感銘を受けるのは、それらいにしえの高級素材たちがキピキピに磨き上げられて、しっとりと美しいことだ。もうソファに首まで埋まりこんでゆっくりとブルーマウンテンでもすすりたくなるねぇ。 とすでに満足しつつ裸になり、浴室へ・・・と、出たー、石畳の床だ! 石と石のスキマには水色タイルが挟み込み。 入った正面に水鉢があって、その背面は島カランになっているが、それぞれ弧を描いていて、上から見たら人間の「目」みたい。ええい、うまく説明でけん。とにかく珍しい形状だ。 (左)この水鉢! (右)色ガラスブロック 湯船は真ん中あたりに深風呂がドーンとあり、奥隅に浅い浴槽、そして奥壁を掘り込んで電気風呂。湯船のヘリはすべてどっしりとした石造りだ。 浅の隅は扇状に造形された泉から立体的にお湯が湧き出ていて、じつにモダンな感じ。ジェットと気泡が噴出しているが、後頭部を置く部分の傾斜や、そこに使われているレトロな小タイルなどがいちいち俺の真心のこそばゆったいところを猛烈に刺激してきやがるぜ。 んでまたこれらが隅々までよく磨かれているわけよ。水吐きのライオンなんかもツルッツル。 奥の扇状マスから湯が出る しかしこんなところでいちいちトロけていてはいけない。男女壁を見てぶったまげたね。全面を使って豪快にチップタイル絵が描かれているんだが、その絵柄は山でもなければ川でもない。 何やと思う? 2メートルくらいあるペルシャの女が横座りになってコーヒーを飲もうとしている絵。その目は物憂げに何かを睨み付けている。チャドルを着た彼女の背後にはサボテンが生えている。コーヒーはモカに違いない。 どないせーと。フルチンの俺にどないせーと。 (左)男湯ペルシャの大女 (右)女湯は一変してさわやかな熱帯魚! まだある。 出入り口隅に小浴槽があり、ここは「久米島深層水の塩風呂」だ。これがもうマロマロ! なんべんも出たり入ったりしてまうで。 カランの鏡は東京銭湯のように端から端までつながった豪華版。でも鏡広告はディープで、理容室の広告に「さんぱつ屋さんもどうぞ!」と書かれていたりする自信満々ぶりに感服だ。 長湯して大満足で上がったら、不思議な髪型のご主人がせっせと掃除機をかけている。上々のメンテはこの人のひたむきな努力の賜物なのだな。 聞けばここは1951年からやっているとのことで、巨大な柱時計はそのときに別銭湯から持ってきたが、その前は駅舎からの払い下げだったらしい。 「5日に1回ほどネジを回すんですわ」とおっしゃる。 近くの商店街もディープで楽しい。遠いけどマジで通いたくなる。 環状線の大正駅から歩いたら15分くらいかかるけど、市バス「三軒家東4丁目」なら2分。行かなきゃ損ね! (2012.1.19) ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。番台で同書販売中! (本書が買える銭湯一覧) |
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萬歳湯 ★
これはすごい、すごいよこれは。じっくりお楽しみくださぁ〜い。 環状線の大正駅からバスで10分ほど、平尾で下車。 ここは沖縄系の多い大正区の中でもとくにその密度の濃い町。商店街「サンクス平尾」を歩いてアーケードが切れたところを左へ曲がると、このオーラ漂う銭湯が現れる。 凸型玄関の上に住居の一部屋が乗っかってるやや無粋なスタイルだが、その部分が青く塗られているのが青空とマッチしている(雨の日は知らん)。 夕方にはポッと灯る 1年ほど前に通りかかった時は定休日だったが、そのただならぬ気配に再訪のチャンスを狙っていた。そして今日ついに平尾の沖縄居酒屋で友人と歌い遊ぶという機会に恵まれ、その前に満を持して暖簾をくぐる。 玄関正面では福助人形がお出迎え。 戸を開けると、年季の入った低い木の番台にオヤジが座っている。 おっ、脱衣所の天井は高くはないが、上等な折り上げ格天井だ。古い木の柱に白い漆喰壁も歴史を感じさせる。オヤジさんによると昭和33年の建物とのこと。 そして前栽には池があり、ちゃんと水が張られて錦鯉が泳いでおり、石橋なんかもかかっている。横の岩の上にはスズムシ飼育ケースもあり。 ふーむ。沖縄というよりヤマト風。しかしなかなかエエ雰囲気出しとるやないの。 (左)ぬくもりに満ちた脱衣所空間 (右)贅沢なまでに立派な天井 (左)この庭を眺めながら牛乳いくわけさ (右)壁に神棚を掘り込んであるのも珍しい 浴室との間に緩衝地帯があり、「体拭き場」と書かれてある。片方に流しがあり、反対側にはあとから増設したとおぼしき乾式サウナのスペース(サウナ入口は浴室内)。ここはやや照明が暗めになっていて、脱衣所から浴室内は見えにくい。 そこを通って浴室の戸を開ける。 ん? おぉ、おおお? おおおおおーーーーー!!! こここここここれは!!! な、並んでる、並んでる、徹底的に並んでる! 周囲の壁に、タイル絵アートがズラ〜っと並んでいるんです。なんでまたこんなに・・・。 もはや画廊でしょうこれは(女湯) では順に見てまいりましょう。 まずは男女の仕切り壁をご覧ください。ここにはタイル4×6枚サイズの絵が4点展示されておりま〜す。右から順に、 ・亀(玄武)にまたがった浦島太郎 ・桃から桃太郎が生まれた瞬間 ・鯉の滝登り ・金太郎が熊を投げ飛ばした瞬間 となっておりま〜す。 次に正面の壁をご覧ください。ここにはやや大きめサイズで、 ・リアス式海岸の磯辺の風景 が描かれておりま〜す。さらに反対側の壁をご覧ください。横長サイズで、 ・海底の光景(鯛・サバ・イワシ・フグ・カレイ) が描かれてございま〜す。ここまでは日本画タッチで、残念ながらやや色がかすれておりま〜す。そしてその隣、ガクブチ状の掘り込み内に、本日もっとも大きなタイル絵、 ・静岡方面の海岸から望む富士山 がございま〜す。これだけ油絵タッチとなっており、色はまったく剥げておりません。 (左)増設のため右側が失われているのが残念 (右)海底図は色あせている そしてもう、このさいついでの大サービス、女湯のほうもご案内いたしましょう。女湯の絵は動物シリーズでございます。 かわいーですね〜なごみますね〜 (左)水風呂にはやっぱ滝ですよね (右)これはどこの山でしょうね そして富士山でキメときましょう いかがですか、ご堪能いただけましたでしょうか。それではみなさま、またのご来場をお待ちいたしておりま〜す。 ・・・忘れてた。風呂入りに来たんだった。 中央に黒御影石の深浅2槽、外側を座り段が取り巻く大阪スタンダードスタイル。 やっぱりタイル絵は湯に浸かって眺めるもんですわな。よっこらしょ〜っと。ちょっとぬるめの40〜41度くらいか。まあこのほうがゆっくり絵を眺められるわい。いや〜これだけあると退屈せんなぁ。 床は、湯舟の外側をぐるっと御影石が取り巻くように敷かれている。あとはタイル張り。 正面のリアス式海岸の絵の横手に、さらに奥まった増設っぽいスペース。ここには気泡風呂と電気風呂がある。珍しくも湯舟のへりがステンレスだ。主浴槽よりさらに1度くらいぬるい。 サウナ入口の横に水風呂もあり。残念ながらあまり冷たくない。 そしてこれはレトロ銭湯には珍しい、カラン前にそれぞれ一つずつ御影石の据え付け椅子が設置されている。いやはや、見どころの多い銭湯だ。 しかしまあ現代はこうやって絵を眺めながら湯を楽しむっちゅー風流な習慣が失われてるなぁと、あらためて気づかされるねぇ。 御影石の据え付け椅子 上がりは飲み物販売もあり。 日曜日の夕方、子どもから年寄りまでお客も多かった。庭の鯉を眺めながら、その前のソファでゆっくりくつろぐ常連たちの姿。 ちなみにここでは、年に一度のエイサー祭りに合わせて、沖縄から呼んだミュージシャンの脱衣所ライブを行ったりもしているらしい。 古い銭湯だが、これからもしっかり地域に根付いて愛され続けることでせう。よかよか〜。 (04.9.19)(内部の写真は2005年10月に撮影) みごとじゃ、萬歳湯 ※2009年「関西のレトロ銭湯」に掲載されました。 ※2014年10/17より、オリジナルポストカードを番台にて発売中。買って帰ろう! ※2013年6/30、2014年10/26、関西てくてく銭湯ツアー開催。 |
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