メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
香川県の渋~い大衆食堂 | ||
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イタミ食堂
高松の兵庫町商店街からまっすぐ西に歩いて7~8分。きれいなショーケースがあり、見るからに洋食屋さんの発展型だ。 中はテーブル6つほど。日曜日のお昼、よく流行っている。 (左)外の黒板 (右)きれいなサンプルケース テーブルメニューを見ると、焼肉定食650円~、とは洋食屋にしては安くてうれしいね。エビ天定食750円だがエビフライ定食1100円、このあたりに洋食屋のこだわりが垣間見える。丼物は玉子丼450円~、洋食ライスものはチキンライス450円、カレーライス500円から。そして中華そば450円、天ぷら中華550円もある。じつに大衆食堂価格。 とはいえそこは洋食屋、Aランチ1200円、Bランチ1000円はもちろん、アラカルトとしてビーフステーキ2200円、ビーフカツ1300円、ポークチャップ1000円、ハムエッグだって550円だ。 二人に一人くらいが注文していたオムライス550円を俺も注文した。 カツカレー丼600円も人気があるようだ。カツカレーライスより50円安い。 やがてやってきましたオムライス、中のチキンライスも玉子炒めになっている。非常に安定した、日本的洋食の保守本流といった味わいだ。文句などあろうはずがない。 特筆すべきこととして、この手のレトロ食堂には珍しく、若くてかわいらしい女性店員さんがいる。バイトだろうか、それとも店主夫妻の娘さんなのか。 なんであれ、よかことですたい~。�(2016年11月) (左)狭いけど居心地のいい店内 (右)オム550円 |
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寿食堂
三本松駅から10分くらい歩く。食堂などありそうもない、静かな田舎町のさびれた住宅地の交差点角に中にある。よくぞ生き残っているなあという感じ。 お昼だけの営業のようだ。 けっこう立派なショーケース 中は意外に広く、手前にテーブル席が4つほど、奥に小上がりも数卓ある。厨房の中に老夫婦と中年女性2人。娘と嫁か? (左)立っている女性のところにおかずケースあり (右)おかず400円 土曜日のお昼どき、おかずケースに盛り合わせのおかずが数種類並んでいる。それがなんと、小さな皿からはみ出さんばかりの勢いではないか。 小ぶりなアジフライ3匹、玉子焼き、ポテサラ、スパゲティ、レタスのやつをとった。400円、これはオトク! それと壁メニューから中華そば420円。すばやく来た。カマボコがかわいい。 中華そば420円 中華そばは王道の味。うまい。 土曜日なのに、けっこう客が来る。この静かな街のどこにこんな人がいたのか。しかしそりゃ、この内容でこの値段やと来るわなあ。味噌汁80円やし。 穴場な名食堂だ。夜もやってくれたらええのになぁ。(2016年11月) |
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松村食堂
けっこう交通量の多い道路に面しており、来客の多くはクルマのようで、横に3~4台駐車できる。 営業は昼のみ。 (左)駐車場側の看板 (右)厨房窓口 テーブル4つくらいと座敷2卓。店内はわりとこぎれいで明るい。 厨房の窓口が昔ながらでよい感じ。おっちゃんが主に調理し、おばちゃん二人がサポートとホールを担当している。 (左)テーブル席 (右)座敷 お昼どき、次々に客が来てなかなか流行っている。 厨房窓口の上にメニュー短冊がカラフルに貼られている。めし120円、しる120円、カレーライス500円、ばらずし200円、おむすび150円。品数はかなり絞り込まれている。 傍らにおでん器があって、すじも含めてみな90円だが、ビールは置いてないと言う。山から大汗かいて歩いて来ただけに、非常に残念……。 小さなおかずケースには和え物などが入っているが、ホワイトボードに書かれているチキンカツ250円はもう出払ったようす。 (左)おかずケース (右)中華そば450円 ここの呼び物は中華そばのようだ。多くの客がそれを注文している。 俺もそれを頼んだ。白濁スープだが、いりこ出汁がじつに効いている。麺は細い平打ち。うまいわ~。一般的な食堂の中華そばのレベルとちゃいまんがな。これで450円なら文句なし。 数少ないおかずのチキンカツが早々に売り切れたこともあって、実質ラーメン屋に近い状況になっている。 夜営業もないし、この感じやと座敷は縮小してテーブル席を増やすほうがええかもね。 (2016年4月) |
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構内食堂
多度津駅の改札を出て左を見たら、風情の感じられる跨線橋やレンガ造りの円塔が見える。その手前にある鉄道関連施設っぽい建物の壁に「食堂」の矢印がある。 駅の敷地内でいかにも簡素だが、社員食堂というわけでもなさそうだ。 いちおう万民に開かれているようだ (左)ここで料理をもらう (右)客席 中に入るとまず厨房カウンターがあり、おやじが一人で料理を作っている。 客席はわりと広くてテーブル6つほど。地元の高校のバスケ部員たちみたいなのが4人くらいいてメシを食っている。 カウンター前のおかずケースにはボリュームたっぷりのマカロニサラダだけが入っている。むむむ…? 何と、メニューは「日替わり定食」のみなのであった。そういえば外のボードに「日替わり定食 オムライス」と出ていた。ボリュームたっぷりマカロニサラダと味噌汁がセットのようだ。今日ここで食べられるのは、それだけ。 ここでは客が食べたいものを決めるのではない。店のおやじが決めるのだ。しかも配膳とお茶はセルフ。おやじは作るのみ。 唯一のメニュー、日替わり定食 しかし、このオムライス定食、ボリュームがあるのはマカロニサラダだけではなかった。オム中のチキンライスはお茶碗2杯分、いや、それ以上はありそう。ぎゅうぎゅうに押し固められている。んで、なぜか唐揚げがコロンと1つついてる。 んで、500円! これはバスケ部員たちにとってはマクドに行くよりよっぽどいいだろう。腹パンパンになる。ちょっと苦しいぞ……。 と、そこへ制帽をかぶった駅員さんが。出されたものを見ると、あれ、豚カツ定食やんか! んー何で? (左)一人トンカツ定食を食う駅員さん (右)外の表示が! 食べ終わって出ると、外のボードが「オムライス定食」から「豚カツ定食」に書き換えられていた。俺のオムは最後の一杯だったから、あんなに中身がパンパンに詰め込まれていたのかも……。 そして以後の客は有無を言わさず豚カツ定食を食うことになるわけか。 ともあれ、立地が地味でメニューも一つしかないわりに、駅員さんから高校生まで幅広く利用する、腹いっぱい食堂。駅との繋がりで考えれば客の共通項が見えてくる。 (2015年3月) |
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水田食堂
多度津駅から歩いて15分ほど、高見島・佐柳島への連絡船乗り場のほど近くにある、昔ながらの食堂。 落ち着き払ったたたずまいにちょっと見とれてしまう。 中に入ると、なにか薄暗い。来客に気づいたおばちゃんがパッと電気をつけてくれた。中途半端な時間で客がおらず、節約のために電気を消していたようだ。 まあこういった常連率の高い食堂ではよくあること。 わりと広々としたトラディショナル空間に4人がけテーブル5つ。小上がり的な部分があるが席はなく、その奥に座敷がある。 スペースに余裕が感じられる。黒いコンクリ床が醸し出す歳月が味わい深い。 奥の厨房前カウンターの下が全面おかずケースになっている。このパターンは珍しい。 (左)角地のため2面採光で明るい (右)厨房前のおかずケース その上にメニュー短冊が貼られている。うどん類380~500円、中華そば470円、丼物430~520円、カレーライスやオムライス500円前後。そしてハム目玉焼き280円。 じつに正しい食堂価格だ。 揚げ物や焼き魚、おひたしなどが並んだおかずケースからサバ塩焼を取り、めし小と味噌汁を注文した。めしには白菜漬けがついてきた。 普通のめし わざわざこんなとこまで来て、何がどうということもない普通の食事。俺はこれでいい。しとしと雨の降る港の食堂で、静かにめしを食って満足。 合計570円だった。味噌汁130円、あとはサバ300円、めし小140円かな? 朝っぱらからビールはやめといたけど、本当はちょっと酔っぱらってグズグズしたくなるような、味わい深いオーラが漂っていた。 ぜひ再訪して、ビールでハムエッグとコロッケ、〆に中華そばかオムライスあたりいきたい。 (2016年4月) |
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