ちょっとした旅ホーム
中讃の旅
(香川県丸亀市、坂出市、高松市)



(2004.9.24〜25)
高松に出張。
十分日帰り可能なスケジュールだったが、
またもや前日から香川県入りし、
2泊3日でモソモソ歩いてきた。
香川県には過去2回ほど行ったことがあるが、
観光的には未体験ゾーンだ。

神戸から高松へは高速バスが便利で安い。
しかも100円加算するだけで高松よりずっと西の丸亀まで行っている。
 で、まずはとりあえず終点の丸亀まで行ってみた。

城だけの丸亀
なんてことない坂出
渾身の高松

城だけの丸亀


 丸亀って名前、ちょっとかわいらしい。ここは城下町で、市の中央にそびえる丸亀城は日本で12しかない現存天守のうちの一つらしい。
 が、香川県に来たらやっぱりまずはこれでしょう、さぬきうどん。駅前の手近な店でさっそく食う。うん、コシおまんなあ。それにだいたい200円代と安いのがうれしいねえ。

 さてと。例によって銭湯をつなぎ歩きしつつお城へ向かうとするか。銭湯はタウンページでは2軒だが、それ以外にもう2軒あるらしいとの情報を入手している。
 それにしても、この日は低気圧の関係で、季節外れのむし暑い日だった。午後2時前後、町全体がスチームサウナ状態で、ちょっと歩くだけで汗びっしょりになる。

 まずは駅の横にある立派な図書館の裏に、タウンページに載っていない銭湯を発見。白っぽいサイディングでリフォームしとるね。
 そこから数分以内の下町っぽいエリアにタウンページ掲載の2軒を楽勝で発見。大阪銭湯っぽいメニュー豊富な改装銭湯と、昭和中期的なタイル張りのどっしり銭湯。
 さらに南、お城のほうへ500メートルほど歩いた城東町交差点のすぐ近くに・・・むっ、これか? 煙突が小さくて発見に手間取ったが、タウンページに載ってないもう一つの銭湯はこれだ。うっわ〜、超ディープ!

  
(左)入り口部分。うっす〜   (右)浴室部分を裏から見たところ。ちっこ〜

 しかもこんな早い時間から営業中だ。これはすごい。中はどうなってるのか、入り口部分は薄べったい2階建てで、暖簾の外に履物が脱ぎ捨てられている。タタキすらないのか? そして奥の浴室部分も極小。屋号もわからない。
 これは入ってみなければと思ったが、今日の高温多湿で風呂上りに城へ登ったらまた汗ミドロになるだろうから、先に城を見物することにする。

 ディープ銭湯から西へ5分でお堀端へ出る。丸亀城は4層の石垣に囲まれた小高い山の上にあり、この石垣の高さは日本一なんだと。

  
(左)濃緑の内堀と城山   (中)天守閣はたしかに高いところにある   (右)大手門

 大手門から坂を上ってゆくにしたがって、讃岐富士こと飯野山が大きく現れる。

 9分の1サイズのプチ富士山

 一汗かいて頂上の本丸へ到着。この天守もまたミニサイズだな。入場100円。スリッパがあるが、僕は木造の現存天守には必ずハダシで登ることにしている。磨り減った古い木の感触が足裏に気持ちいいからね。
 しかしこの蒸し暑い日でも、最上階に吹き込む風の涼しさよ。いったいどういう魔法なのか。気持ちよくてたまらん。

 
(左)日本一小さい現存天守   (右)最上階からの丸亀市街と瀬戸内海

 深閑とした内部、漂う木の香り。他に客は2〜3人

 
この角度かな、いやこっちかな、とカメラを構える観光小市民

 二の丸、三の丸あたりでグルグルまわって降りたら、入った方向と逆のほうへ出てしまった。
 さっきのディープ銭湯までまたぐるっと戻るのもなんとなく面倒になり、ちょっと心残りながらもそのまま駅方面へ向かう。

 
(左)丸亀の中心商店街のようだが  (右)商店街内にこんな建物、2階部分に黒タイルびっしりの木造商店

 駅前エリアにはアーケード商店街が何筋にも発達している。かつてはとても賑わったんだろう。でも今はどこも人は少なく、閉まっている店も多くてゴーストタウン化しつつある。そして人はクルマで郊外大型店へ。いずこも同じ地方都市の現実だ。

 歩いているうちに駅へ出た。なんかあっけなく市の中心部を一周してしまったな。城の南側は歩いてないが、とにかくむんむん暑くて暑くて、ここでじっくりぶらつきたいような気分になれず。なんや今日の天気は。
 そのままなんとなく東隣の坂出市へ移動した。

なんてことない坂出


 予讃線に乗って高松方面、10分で坂出に到着。立派な駅ビルだ。駅前にサティもある。
 おっとぉ〜、駅を出るといきなり右翼の街宣車が大音響で走り回っている。これだな、香川出身の友人が「右翼が多くてかなわん」と言っていたが。

 坂出って、瀬戸大橋の起点だが、ほかに何があるんだろう・・・とりあえず電話帳によると銭湯は4軒か。んじゃま、例のごとく。
 サティの裏手のやなぎ湯はすぐに見つけたが、商店街の北側にあるはずの電気湯は影も形もなし。
 さらに路地にもぐっていくと煙突発見。敷島温泉だ。

  
(左)やなぎ湯、ちょっといい感じ   (中)元町の商店街入り口、茶色い洋館が渋い   (中)敷島温泉

 しかしこの町にはレンガの四角柱煙突があちこちに立っていて、銭湯とまぎらわしい。近寄ると、どれも醤油会社っぽい。播磨地方ではこれが銭湯の煙突なんだが、ここでは銭湯はコンクリ煙突。
 坂出は醤油の町なのかな?

   
(左)路地奥右の煙突は醤油屋、左のコンクリ煙突が敷島温泉   (中)醤油の煙突  (右)商店街の古い醤油屋

 ところで、今日はこの敷島温泉の近くの「旅館みき」に予約を入れといたんだが、行ってみると鍵が閉まっている。もう5時前なんだがなぁ。仕方ない。最後の富士見湯にも行ってしまおう。この銭湯だけちょっと離れてて、10分ほど歩いたJR線路の南側にある。
 すると、おぉー、これは僕的にストライクゾーンど真ん中の美しきイニシエ系! さっそく入湯する。内部もよくて大感動。富士見湯のレポートはこちら

 富士見湯、最高です

 上がりは夕暮れのまちをブラブラ、クネクネ歩きながら中心部へ戻る。みき旅館、今度は開いていた。やたら丁寧なおかみさんに丁寧に部屋へ案内される。素泊まり3000円。古くて廊下も細いが、部屋はきれいで感じがいい。
 荷物を置いて、夕食&飲みに出る。駅前通りの中心部交差点そばにあった「カルビ屋ハングリーキッチン」という、小ぎれいな店に入る。カウンターに座ると目の前に七輪が置かれ、そこで肉を焼きつつビールを飲む。フーン、大き目の居酒屋風の焼肉屋か、ちょっとかわってる。店員の愛想はないが安いしなかなかウマイ。聞くと、地元の醤油屋がやってるそうだ。
 やはり坂出は醤油の町だったか。

 
(左)風呂上りにぶらぶら、白金町あたり   (右)肉や鳥をチビチビ焼きつつのんびり飲む

 けっこう飲んで食って、食後に夜の街をぶらぶら。飲み屋はそこそこ多いものの人通りはほとんどなく、町の賑わい感ゼロ。もう1軒くらい行こうかなとぐるぐる歩き回ったが、はいってみたくなる店が見当たらない。覇気のない町だねえ。
 まあ今日はよく歩いてちょっと疲れたし、もう一風呂あびて寝るか、と宿近くの敷島温泉へ。こじんまりした銭湯だが、どうもイマイチ。それなりに改装されているが、経営者のこだわりっちゅーか愛着みたいなもんが感じられないというか。
 といいつつ、風呂はやっぱり気持ちエエ。
 宿に帰り、買っておいたビールを飲んで寝た。

渾身の高松


 翌朝、高松へ。
 高松駅は市の中心部ではなく海際にあるんだが・・・これはすごい、徹底的な再開発だ。「高松サンポート」というらしい。

  
(左)駅舎と駅前広場   (中)ズドーンと、何か打ち上げるのか?   (右)ホテルの前にもワッカ

  
(左)すぐそばにフェリー桟橋   (中)瀬戸内の島々   (右)高松城跡の玉藻公園、入場料を取りやがる

 午前中は海を見たり、玉藻公園前のベンチでダラダラくつろぐ。
 午後1時半から、某ホテルでの某専門職研修会でエラソーにシンポジスト。質疑応答で「松本さんのお話がいちばん衝撃的でした」と言ってもらえて嬉しいな〜っと。

 そのあと夕方の懇親会まで時間があったので、さっそく一風呂いっとくことにした。
 高松の中心部はコトデン瓦町駅周辺のようで、フェリー乗り場横の高松築港駅から2区間だけコトデンに乗る。かわいいレトロな電車に当たって嬉しいな〜っと。

  
(左)コトデン、乗ってみたかったんだぁ〜   (右)田町湯

 瓦町駅はデパートなども合体した大きなターミナル駅。おぉ、賑わってるなあ。さすがは県庁所在地の中心商業地だ。若者も歌ってるぞ。
 高松の銭湯は「よんでん銭湯愛好会」というサイトにくわしく紹介されている。その中でちょっと気になった(つまりディープそうな)田町湯へ。駅から徒歩数分、観光通りを南に渡ってちょっと行ったところ。
 うひゃー、やっぱり濃かったよ。田町湯のレポートこちら。

 風呂上り、ホテルに戻って懇親会。そのあと集会メンバーと連れ立って再び中心街のライオン通りまで、今度は歩いて出る。このあたり、飲み歩くには徳島よりずっと雰囲気があってヨイね。
 居酒屋の閉店まで飲んでから、ホテルに戻って寝た。
翌日の観音寺編へGO!→
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