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【長野県】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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→長野県の廃業した激渋銭湯 | ||||||||||||
塩井乃湯 ★
いい! いろんな意味で。 松本駅から国宝・松本城の方角に向かって徒歩数分。お寺の向かい、れんが塀に守られてスックと建つ、瀟洒な洋風建築。古い建物のようだが、最近塗りなおされたのか白く輝き、緑の木々に映えている。 信州には古い洋風建築物が多いが、風呂屋までこの重厚さ (左)看板建築ではなく本物です (右)浴室部分はやっぱり銭湯 鉱泉なのね、ちょっとトクした気分 玄関の戸を開けると古い下駄箱。さらに戸を開けると、番台に若い(といっても40代)のオネーサマが座っておられる。おっ、美人! しかもさわやかで愛想もいいぞ。 ファンがゆるやかに回る脱衣所の天井は真っ白に塗られていて、しかもなにやら複雑な洋風紋様が刻まれている。オネーサマによるとイタリアのナントカいうデザインで、トタン製。最近塗りなおしたそうだ。 天井の四隅には木彫り紋様が刻まれていて、昔の職人の凝った仕事ぶりが偲ばれる。壁は昭和中期的な合板張りだが、窓枠などはイニシエのまま。木のロッカーには漢数字。常連用具は上の網棚に収納されていて見た目もよろしい。 風呂に入る前から、そこはかとなくあったかさを感じさせられる。 (左)こういうイタリアンな天井ははじめて (右)渋みの効いたロッカー 脱衣所を見回して「これはエエ雰囲気やなぁ〜」と感心していると、オネーサマが「そこの体重計と身長計も見てね」と教えてくださる。これまたレトロな逸品。身長計がある、というのも古い銭湯の特徴だ。 壁に貼られた鉱泉の古い効能書きに、「ナトリウム多量、マグネシウム多量、カルシウム多量・・・」などとあるのもおもしろい。 「今日は薬風呂です」とおっしゃるオネーサマの声を聞きつつ浴室へ。戸を開けたとたんに漢方のいい香りに包まれる。 湯舟は奥壁に深浅2槽だが、これが両方マックロクロの黒湯状態。布袋が浮いていて、中に大量の生薬が詰め込まれている。これほど濃厚な漢方風呂も珍しい。入ってみると43度くらいか、でも湯がやわらかいせいか熱くは感じない。 ただし薬風呂はこの日たまたまで、ふだんは無色透明の沸かし鉱泉だそうだ。 深浅の境目には溶岩があしらわれ、その下に蛇口レバーがついていて上にコップが置いてある。横にいた人に「飲めるんですか」と聞くと「飲めますよ」とおっしゃる。とくにクセもなく無味無臭だが、舌触りはもちろんやわらかい。 奥の壁には石を固めたようなデコボコブロックタイルで抽象画が描かれている。 洗い場の床は落ち着いたタイル張り。改装して10年といったところか。カランの水もすべて鉱泉だ。 何度も湯舟に浸かっては水をかぶる。この日はかなり寒かったし、酔っ払っていたせいもあるが、思わず「はぁ〜キモチエエわ〜」と声が出てしまう。 湯上り、飲み物販売はないのかなと思ったら・・・来たときは気づかなかったが、脱衣所のテーブルにポットと急須と湯呑み、そしてクッキーなどが置かれている。横にいた人に「これは飲み食いしてもいいんでしょうか」と聞くと、「いいですよ」とおっしゃる。 ほ、ほのぼのぉ〜〜! さっそくお茶とクッキーをいただいた。 壁には「23時まで営業することにしました」との紙が貼られている。常連客らとオネーサマとのイキイキとした会話を聞いているだけで、ここがいかに地元の人々に愛されているかがひしひしと伝わってくる。 もったいなくて、なかなか帰る気がしなかった。設備はとくにないが、まごうことなき名銭湯。 (2004.12.12)(最新入浴:2018年9月) 2018.11『旅先銭湯』に掲載されました! |
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冨士の湯
古い住宅街の狭い路地にひっそりと隠れている。 番台にはご主人が座っておられるが、脱衣場との間にしっかりとした壁が設置されて、ビギナー女性にも配慮されている。 大黒柱にびっしりと貼り込められたカラフルで珍しいタイルが目を引く。 浴室の奥には庭があり、男女壁にはすばらしく雄大なタイル絵がデーンとあって、立地からは意外なほどのびのびとしたひと時を過ごせるのなんの。 「私だけのヒミツのお風呂」感をじっくり堪能、こりゃ儲けもんじゃわい〜。 週4日しか沸かされず、しかも営業時間がごく短いとあって訪問ハードルは高いが、それをかいくぐって死にものぐるいで這ってでも入りに行くのが本物というものだろう。なんのや。(2018.9) 2018.11『旅先銭湯』に掲載されました! |
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仙気の湯
松本市の中心部から3kmほど離れた古い温泉地、浅間温泉。いくつかある共同湯のうち代表的なのがここらしい。温泉街の中心近く、湯坂の五叉路からちょっと上がったところにある。 温泉地の共同湯は朝からやってるのがうれしい。それに安いしな。 今ドキ風の看板 外観は、この地方の典型的なしっくい白壁の民家風で趣がある。えんじの暖簾もよろしい。 券売機で入浴券を買い、フロントのおばちゃんに渡す。脱衣所はかなり狭く、木製ロッカーには鍵がついてないのが多い。あとは丸椅子1つと体重計のみ。 浴室もこじんまりしており、奥に5人くらいのサイズの湯船が一つと、手前にカランが4〜5個。水色と白色のタイルでそっけなく改装されていて、残念ながら風情はゼロ。これが温泉でなければ最低評価のつまらなさ。 お湯は無色透明、かすかに白濁。肌触りなめらかで気持ちいい。ほのかにいい香りが漂っており、湯の花らしき白いものも浮いている。湯の吐き出し口では50度近いが、投入量がさほど多くないため湯舟では42度くらいにさめている。吐き出し口にあったコップで飲んでみると、ほとんど無味だが舌触りまろやか。 日曜の正午過ぎ、お客には観光ギャルなどもいたが、ふだんは銭湯として利用する地元民が主なのだろう。 内部の造りは面白くないが、お湯は悪くないし、昼間っからこの建物の暖簾をくぐる感覚はなかなかよろすい。(2004.12.12) |
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菊の湯
JR大糸線・豊科駅から国道に出て南へ500mほど。むーんと漂う激渋オーラに襲われて死後硬直を引き起こす。あ? あぁ俺まだ生きてるわ。 でもふつーに歩いてたら通り過ぎてしまいそう。道路から少し引っ込んでいることもあるが、それよりも風呂屋のシンボル、煙突が見当たらんぞ。 (左)この看板! (右)オリジナル暖簾よし (左)煙突さ〜んどこですかぁ〜・・・ (右)こ、これか!? 暖簾をくぐってガラス戸を開けると狭い下足室。靴を脱いで中に入ったが、番台には誰もいない。呼んでも返事がないので、そのままお金を置いて服を脱ぐ。 (左)だ〜れもおらんので勝手に撮影ごめんちゃい。入口と番台周辺 (右)ロッカー (左)男女隔壁と浴室方面 (右)男女壁の上にプロペラが 脱衣所は白壁とこげ茶木材によるコレデモカーの郷愁空間だ。ああ信州味噌。 今はもう動かないイカツイ送風プロペラが男女隔壁の上に豪快に安置されている。ああ南無阿弥陀仏。 脱衣所にはもう石油ストーブが灯っているぞ。安曇野の秋は冷えるもんなあ。 体も冷えないうちに急いで浴室へ。 女湯からは近所のばあちゃんたちの賑やかな話し声が聞こえてくるが、男湯は貸切だ。 湯舟は一つ。深浅になっているが仕切りはない。緑の入浴剤入りのお湯がたっぷりこんこん。隅からユルイ気泡がポコポコ出ている。ややぬるめだが、のんびり浸かればとってもあったまる。 見上げれば、トタン張りの天井に四角い湯気抜きが開いている。まあなんてことのない田舎の小空間。だけど、なんか嬉しいねえ。やっぱりこういう銭湯は存在そのものが嬉しいや。 俺のための嬉しいお風呂 カランは両側にある。男女境側にシャワーがついているが、これがいっこうに温かくならないので使用断念。でもいいんだよ、このジャンルはそういうもんズラ俺は知ってるぜ。 カランの水はチベタイねえ大王ワサビ園みたいだよ、安曇野の伏流水かな。 上がって体を拭き、しばしストーブの火を見つめてほっこりする。 (左)石油ストーブの懐かしい香り (右)古いけど味わい深い外観 最後まで貸切。 北アルプスの麓、小さなお風呂屋さんの素朴物語であった。(2007.11.6) |
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桑の湯 ★
感嘆符! なんとなく塩尻まで銭湯を探して行くっちゅーのも我ながらクレージーな行動。それだけに、こんな激渋銭湯にめぐり合えたときの感激はひとしおだ。 ガラーンと殺風景な塩尻駅から南東へ徒歩7〜8分。イトーヨーカ堂の北側で、煙突が黒い煙を吐いている。まぎれもなく薪を燃やす煙だ。 正面にまわるとなかなか大柄な銭湯。建物は古いが、どことなく気品を感じさせられる。 暖簾はかかっていない。年季の入った木枠のガラス戸を開けると、正面に飲み物の自動販売機。その両側に男女の入り口がナナメについている。うひゃ〜、このガラス戸もたいがい渋い。平成も21世紀もクソもおまへんな。 (左)玄関入り口のガラス戸、激渋! (右)そこを入ると今度は「殿方浴室」の戸、最高! それを開けると下足室。下駄箱は新しいが、濃えんじ色の木質系でいい感じ。鍵はプラ板だが、昔ながらの木の板鍵と同じ仕組みになっている。 靴をしまって第3の木枠ガラス戸を開けると、やっと脱衣所に到達する。3段構えのガラス戸に守られた脱衣所というのも初めてだ。 そして番台、これがいまだかつて見たことのない巨大な逸品。普通の倍はある。古い木でできているが、極めて美しい状態が保たれている。 そこにムチウチギプスをはめたじいさんが座っている。 キングサイズの番台 脱衣所はなんとも広々とした、しかも惚れ惚れするようなイニシエ空間。格天井からしっくい壁まで輝かんばかりに磨き上げられている。まったくもって素晴らしい。 よく見ると床は合板フローリング、ロッカーは下駄箱と同じタイプの新しいものだが、どこのどなたがコーディネートなすったものか、古い雰囲気をまったく壊さずになんとうまいこと美しく仕上げられたものよ。 広い空間の中央にソファーとテーブルがポンと置かれ、スポーツ新聞が1紙。あとはよけいなものが一切ない。とにもかくにも感嘆符! (左)男女仕切り壁。ニス仕上げのピッカピカ (右)浴室との境、欄間の桟も感動的 ともかくハダカになって浴室へ。ここも広々しているが、5年ほど前に改装されたようでタイルなどはピカピカ。床はココア色の落ち着いたタイルで、趣味のよさを感じさせられる。 ただしカマボコ型2段式の天井は昔のままで、薄緑のペンキがハゲハゲ。男女隔壁も古い木枠にすりガラスがいい味を出している。ちなみにこの隔壁は低く、190cmほどしかない。ぴょんと飛んだら覗けてしまうけど、するなよ、そんなこと。 反対側の壁は全面ガラス窓。早い時間に入ったら明るくて最高でせう。 湯船は奥壁沿いに深浅2槽、浅いほうが広い。深いほうには気泡装置。水温計は42度を指しているが、湯がやわらかいためか若干ぬるく感じる。 改装したぶん、島カランもすべてシャワー・鏡つき。カランは全部で18個、湯の圧力もバッチリだ。 上がりは広々した脱衣所でのんびりとスポーツ新聞。やっぱり銭湯はこれだよな。 人当たりの柔らかなムチウチじいさんに聞くと、この建物は昭和26年に火災で焼けて再建したものだそうだ。 ともかく、瞬殺タイムスリップの玄関、広くて美しい脱衣所、使い勝手のよい浴室、これぞ激渋銭湯。塩尻に桑の湯あり。(2004.12.12) 用がなくても行こうよ塩尻 2018.11『旅先銭湯』に掲載されました! |
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大和温泉 ★
いやもー気に入って、東京の往復を中央線経由にして行きも帰りも上諏訪で下りてここへ寄ってきてもーたがな。 だいたいが上諏訪から10分ちょっと歩いた交差点の名前が「湯小路」て。俺の名前もコージやし。んで湯が好きで。でしょ運命でしょ? 湯小路を右折してしばらく行くと、道が二手に分かれるんやけど、その分かれ目に立ってる激渋い建物、地元民専用の温泉らしい。 その裏手にももう1軒ジモ専あり。うーむ、残念やけど気にせず右手を進む。 (左)分かれ目のジモ専 (右)道端にも洗い物用の温泉蛇口 するとフイに民家に穴が開いてるのよね。おおおぅ……これって鳥取の寿湯とおんなじパターンやん! (左)マジスカ… (右)トンネルの向こうに「ゆ」の文字が! トンネル抜けたところの標識 ゾクワクしながらトンネルを抜ける。 するとおおおおおおおおおーー! (左)秘密の小庭 (右)こっちが番台、というか家 トンネルの奥に隠された、この秘密の花園ナニ !? このスペシャルなミニガーデンは・・・アリス、まぎれもなくアリスやで不思議の国のアリス! 暖簾の横には冷蔵庫があり、かわいいタイルの洋風スチール丸テーブルがある。ほなナニか、自分のビールをこの冷蔵庫で冷やしといて風呂上りにここで飲めと、こういうわけかこのバチ当たりがあ〜っ。 対面には経営者の方が住んでおられる。ここは他のジモ専共同浴場とは違う、個人経営の銭湯スタイルなのね。 声をかけて小銭を払う。しかるのち速やかに踵を返して暖簾をくぐる。左が男、右が女。 狭い脱衣場で服を脱いだら奥へと進む。トンネルの入り口から考えると、長い長いウナギの寝床をもう相当に奥へと進んでいるぞ。きっと俺の背丈もずいぶんと縮んでいるはずだ。 そしてついに長細い浴室が現れた。緑色に光っている・・・。 (左)脱衣場スチールロッカー (右)浴室もながぼそーい 狭い。渋い。緑。 だがここ、とってもキレイ。磨き抜かれとんで。 ステンレス枠の湯船からはサラサラと湯が溢れている。 手前にステンレス枠の水鉢湯鉢がある。ここで適温調合された湯が湯船へと流れ込む、古いスタイルだ。 (左)右が源泉アッチッチ、左は水 (右)木の椅子や桶がきちんと積まれている 細かな丸い緑タイルがびっしり 緑色はタイルだけでなく、 いやしかしこの秘密空間の豊かさはもうどういうことだろうか。穏やかな静寂に包みこまれながら、お湯をチャプチャプ。くせのない極上温泉。広くとられた窓からの陽光。 居合わせた相客は、わざわざ下諏訪から来ているという。下諏訪にも温泉はいくらでもあるが、「下諏訪の湯はきつい。ここはほんとに湯がやわらかい」のだそうだ。 ここに日々埋没する時間がもてたらなぁ・・・。湯上りに小庭の丸テーブルでビールが飲めたら、もはや人生に求めるものなど何もない。ウサギになったって構わない。 2018.11『旅先銭湯』に掲載されました! |
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菅野温泉
まあ温泉ちゅーのは正月だろうが午前中だろうがいつでも入れるところが多いからいいね。 ここは下諏訪駅から一番近い共同浴場だし雰囲気もヨイので、中央線で東から西へ帰る途中に何度か寄ってるのよね。「すげの」と読むらしい。 駅前通りを真っ直ぐ行って国道20号線の信号で右折し、次の信号(大社通り)を越えたところ。駅から徒歩6〜7分。 左側に古びた四角い2階建てがあって、その中にトンネル状の通路がある。看板が出てるから、よく見たらわかる。 (左)左の、なにかよくわからない建物 (右)この奥ね まずもってこの地元主義者のアジト的なディープさがプンプンにおうのがよいね。 通路右側に現れる入口を入ると、タタキの玄関、この正面で迎えてくれる料金ブースがたまらんね。有福温泉の御前湯や中津の汐湯に通じるものがある。 (左)かつての栄華を物語るフタなし下駄箱84人分 (右)しびれる〜! (左)なぜだかガラス文字にシビレル〜! (右)くつろぎ部屋? 窓口で料金を払って入ると、第一の小部屋がある。ここにはマッサージ器や椅子、机、テレビなどがあるから、ちょっとした休憩室なのか。 さらに戸を開けて、脱衣場に至る。ここにはよけいなものがなくて広々空間だ。ロッカーにはフタもなければ鍵もない。 広々した脱衣場 浴室も広くて、真ん中に横向きの大きな楕円形浴槽が一つ。いーねー、これぞ共同浴場! さして飾り気はないが、湯船フチのタイルがなかなかよいし、奥壁には湖と山を描いたタイル絵もあったりする。 熱めの温泉が中央の島からどんどん注がれて、周囲から溢れ出るかけ流し。くせのない無色透明なお湯で、毎日のお風呂に最適な感じね。周囲にはカランもあって銭湯としても十分。 まったくもって温泉地というのは贅沢なことよのぉ。 反対側から見たところ ちなみに、信号からこの風呂をスルーしてまっすぐに行くと、諏訪大社下社の春宮に突き当たる。風呂上がりのホコホコ初詣もよござんす。 (2013.1.2) 2018.11『旅先銭湯』に掲載されました! |
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新湯
駅からの距離は上の菅野温泉とさして変わらない。下諏訪の町なかにある、こぢんまりした温泉銭湯。 新湯というがけっこうレトロな外観だ。昭和にできたから新湯らしい。つまり大正目線ね。 (左)素朴な味わい (右)ミニサイズのフツーな脱衣場 暖簾くぐって券売機、外向き番台のおばちゃんに渡して中に入る。 脱衣場もこぢんまりしているが、観光客も来る温泉地だから貴重品ロッカーもある。 浴室に入ると・・・。 (左)男女壁に富士山のタイル絵だ〜 (右)新型カラン マウント・フジやおまへんかい〜。しかしどこでもある富士山より、ここでは八ヶ岳のほうが感動できたかも。 ちょっと不思議な形状の湯船は無色透明無味無臭の温泉がかけ流しだ。あふれた湯がサワサワと床を流れてゆく。 小ぶりスペースながらもカラン・シャワーは新しいもので、使い勝手の良い生活銭湯として地元民の日々の潤いに貢献している。 よき正月なり いやー、湯上がりさっぱり! 諏訪の冬は冷え込むが、全然寒くなーい。駅までルンルンのお散歩ね。 (2013.1.3) |
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柳乃湯
新幹線も停まる上田駅から北へ真っすぐ大きな目抜き通りが伸びている。この駅前通りは1kmちょっとで国道18号にぶつかる。 その少し手前で道は小さな川を渡る。渡ってすぐ、左の狭い路地を覗いたら・・・これまた渋い銭湯のお出ましだ。大阪的な四角い凸型玄関が珍しい。 (左)駅前通りから。左に川がある (右)反対側から。車が並んでいるのが駅前通り すばらしい屋号の意匠 ザーザーと水音を立てて流れる川端の路地に、さりげなくたたずむ様子がなんともいえん。これが正しい銭湯の立地ですと言わんばかりだ。その通り、まったくもって全面的に正しい。 向かいの川に飛び出すようなかたちで、駐車場が3台分用意されている。 (左)夜にはこの風情 (右)暖簾をくぐったところのすりガラス 暖簾をくぐって戸を開けると、古〜い木の下駄箱があり、背の高い番台にばーさまが座っている。 脱衣所は新建材でチープに改装済み。合板ロッカーの横に丸籠が積んである。 浴室内は外観の渋さに似合わず、壁や天井は新品に張り替えられており、床の不定形タイルもさほど古くない。先客が2人ほどいる。 男女隔壁が全面ガラスブロックでできている。ここは昭和テイストな見どころだ。 奥に深浅の浴槽があり、緑の色つきの湯が満ちている。ジェットも元気に噴出中。どれ、さっそく入るか・・・おっとぉー、アチチチ! 45度くらいあるな。こっれはキクぞぉ。 浴室両側にカランが並び、すべてシャワーがついている。島カランもある。水圧はバッチリで使い勝手よし。 桶や椅子はきっちりと棚上に並べられていて、管理とマナーのよさを感じさせられる。 途中で20代〜40代の仕事仲間っぽい4人グループが入ってきた。地方の古銭湯には珍しく、常連ばかりではなさそうだ。 アッチッチのお湯をじっくり気持ちよく味わえる。よろすい。定休日は聞き忘れたけど、俺が行ったのは水曜日です。 (2007.11.07) |
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大湯
「信州の鎌倉」こと別所温泉には共同湯が「石湯」「大湯」「大師湯」と3ヵ所ある。 駅にあった案内パンフには「観光客に人気」として石湯だけが紹介され、あとは「その他」扱いされていたので、とりあえず石湯はパスして「その他」の2つに入った。わかるかなあ、この選択。 上田交通・別所温泉駅から左手の坂を数分登ると、3層の瓦屋根を持つ風情あふれる大湯の建物が現れる。 大湯。堂々たる風格 木の戸を開けると正面フロントにオヤジが鎮座。脱衣所は狭いが、新しい感じ。ロッカーにはフタがなくタナを仕切っただけだ。ちゃっちゃと服を脱いで浴室へ。 浴室に入ると、ぽあ〜んと硫黄の香りが漂っている。こじんまりした空間は改装されてピカピカだが、床は石材、天井は板張りで、なかなか雰囲気はいい。土曜の夕方のせいかけっこう賑わっている。 湯船は6〜7人サイズが1つ。湯は無色透明だが、微妙に薄緑色をしているような。入ってみると42度弱、じつになめらかな肌触り。うひょ、気持ちエエ。 お湯はいわゆる掛け流し。吐き出し口にコップがあるので飲んでみると、まったりとした硫黄味。まったくもって温泉。 真新しいカランが6つあるが、シャワーはなし。浴室の隅に上がり湯のマスあり、これは38度くらいのぬるい湯だ。 共同湯にしては珍しく露天風呂がある。でもここはなぜか硫黄臭がしない。循環か? せっかくの露天なのに湯の質が落ちるせいか、誰も入っていなかった。 しかしまあ、こういうところはどこも脱衣所が狭くてくつろげないのが難点だなあ。ちゃっちゃと服を着て外に出るしかないんだが、出たら寒いっちゅーの。でも150円で文句は言えまへん。 この日、お客の比率は地元民と観光客が2:1くらいの感じだった。 大湯から徒歩5分ほどの大師湯にも入った。寄せ棟に千鳥破風、その下に唐破風の渋い建物だが、こっちは脱衣所・浴室ともに大湯の半分以下の狭さ。浴室はそっけないタイル張りに改装されていて風情ゼロだが、お湯の鮮度はかなりいい感じ。硫黄臭も大湯より強いかも。 お客は俺以外は全員地元のじいさんだった。 (2004.12.11) (左)大師湯。間口は広いが中は狭い (右)石湯。大湯に似た建物だが真新しい(未入浴) |
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