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【北摂】 の激渋銭湯 | ||||||||||||
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百楽湯 ★ (箕面市)(廃業) 千里湯 ★ (吹田市)(廃業) 七福温泉 (吹田市) 新双葉温泉 (豊中市) 豊南温泉 (豊中市)(廃業) 延命湯 (豊中市)(廃業) 幸福温泉 (豊中市) ねぼけ温泉 (茨木市) 百万石温泉 (高槻市)(廃業) 昭和湯 ★ (島本町) |
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【大阪府】 大阪市/北摂/河内/堺市/泉州 | ||||||||||||
百楽湯★(廃業)
箕面市にたった一つ残った銭湯。これがもうアンタ・・・どうしましょう。 阪急箕面線・牧落(まきおち)駅から徒歩3〜4分、周囲は一戸建ての高級住宅地。帰宅途中の会社員や女子高生が足早にスタスタ歩く。 こんなとこにねぇ・・・あるんです。ひっそりつつましく暖簾を揺らす、古くて小さなかわいいお風呂屋さん。一目見て、思わずため息が出ちゃう。 (左)このフォルム! (右)この屋号文字! 吸い込まれるように暖簾をくぐると、嗚呼、こんな世界。 (左)下駄箱 (右)脱衣所入口の戸 天橋立のタイル絵 下駄箱の鍵はロックが上に上がる珍しいもので、木札も大きい。そしてタイル絵の鮮やかなこと。 もはや夢見ごこちで戸を開けると・・・嗚呼、さらにこんな世界。昭和初期のまま保存された、小さなタイムカプセル。なんかもう写真撮りまくっちゃったよ。 (左)半楕円形の番台 (右)折り上げ部分が白タイルで覆われた格天井とプロペラ 木のロッカーは中ガラスの凸凹銀箔が珍しい (左)浴室へのアーチ型入口 (右)身長計は180cmまで。これが本来の日本人の大きさ 古いけど、シンプルかつスッキリこぎれいに整頓されている。大正時代の扇風機などのレトロアイテムもさりげなく残る。 この珠のような小空間の愛らしさは他のなにものにも例えようがない。まさに、古くて小さなお風呂屋さん、としか言いようがございません。日本列島在住の幸せをしみじみと感謝するのみであります。 浴室は16年前に床や湯船がタイル貼りに改装されている。男女壁側に深浅の主浴槽、反対側にカランが8人分並ぶ。入口横に水鉢あり。 気泡もジェットも何もないので、静寂そのもの。すばらしい。腰掛けは4つしかない。すばらしい。シャワーは全部故障中。すばらしい。 だがもっとすばらしいのは、奥の壁のタイル絵だ。こちらはタイル96枚分に、初夏の乗鞍高原かどこかの風景。絵を書いてから焼いたもので、下足室の天橋立と同様まったく色あせていない。 あんまり美しいので新しく作ったのかとも思ったが、番台のおばちゃんによると「昔からずっとある」とのことだった。 震災のときは屋根瓦が100枚以上落ちたそうだ。でもみごとに復活した百楽湯。まったくもってすばらしい。 しかしお客は減っているという。おばちゃんは「もうあかん」と言う。なのに月に1〜2回しか休まずに毎日お湯を沸かし続けておられるのだ。 この日本の宝、いや「心の世界遺産」をなんとしても未来に残したい。 箕面市民および阪急宝塚沿線にお住まいのみなさん並びに関西在住の銭湯ファンよ、急げ、百楽湯へ! (2004.2.26) (写真は2008.4.24) |
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千里湯★(廃業)
石・石・石・・・石のお風呂。頑固に石を守り続ける銭湯ここにあり。 JR吹田駅を北口に出て、徒歩2〜3分。産業道路沿いの片山商店街アーケードにあるのですぐわかる。 アーケードより上部は左右に小屋根のついた、ちょっとめずらしい造りの古風な日本建築だ。 (左)にこっ、としているみたい (右)側面の路地がまた渋い 玄関脇は重厚な感じのタイル張り 暖簾をくぐると下足室、下駄箱はアルミものに替えられていて、ややそっけない。 でもそのぶん、内部が濃いぞぉ。 脱衣場は意外に感じるほど空間が広がっている。高い格天井に、今はもう動かない旧式の木製2枚羽プロペラ。古い番台に仕切り壁。ロッカーだけは新建材に替えられているが、その他は昭和5年に建てられたままだ。 浴室も広々広々しているが、いやはやここはもう、天晴れなまでに昔のまま保存されてるなあ。 床は石畳で、隙間にタイルが市松模様にはめられているパターン。しかも石はかなりみっちりと敷き詰められていて、排水溝が1本だけの床全面傾斜型。排水溝まで石づくりだ。 驚いたことに、カラン周辺の段などもほとんど石造りのままで、カラン自体も石に穴をあけて取り付けられている。椅子に座ったときに足をおく部分のみタイル張り。 言うまでもなく湯船も全部、石。ピンク色のカリ長石がしっかり入った、御影石らしい御影石だ。 中央のメイン浴槽、一部つながるかたちで浅い浴槽、奥に少しぬるいサブ浴槽。そのどれもがみごとなまでに昔ながらの石造りのまんま。 しかもジェットも気泡も電気も、なーんもない。静寂そのものである。黙って湯がモコモコと湧いている。聞こえるのは湯をすくう音と、洗面器のカコーンのみ。女湯の会話もすべて聞こえる。 女湯との壁にはアルプスの、奥の壁には富士山の、モザイクタイル絵がある。 うむー、それにしてもすごい石の量だ。一つの浴室でこれほど大量の石を見せつけられたことは、かつてない。 昔の造りのまま営業している銭湯は小規模なところが多い。しかしここは改装に十分な広さがありながら、そして駅前商店街という好立地でありながら、ここまで頑固にいにしえスタイルを昔のままで営業しているというのは、ちょっとすごい。 しかも隅々までしっかりと磨かれている。圧巻だ。 上がりは飲み物販売いろいろあり。 お湯は薪沸かし。番台のおやじさんも頑固そう。こうなったら、いけるところまでこのままで行ってほしいものだ。 (2003.9) 内側から表通りを見る ※2012年11/10、関西てくてく銭湯開催!(内部見学) |
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七福温泉
阪急豊津駅から南へ5分ほど。駅から続く閑静な住宅地に、いきなりこの迫力玄関の銭湯が現れ、そこから先は昔ながらの下町へと変貌する。 いわゆる結界型銭湯だ(そんなもんないっちゅーの!)。 (左)ここから街の雰囲気が変わる (右)独自書体が楽しい 番台にバーサマが座る古典派だが、ディープなケハイを感じさせる外観とは異なって、浴室はサウナから打たせ湯まで各種設備が配置された改装銭湯だ。 注目すべきは、男女壁のタイル。十数枚かを組み合わせることで水中の断面図を描いたプリントタイルで、水底から生えた薄緑色の水草が水面上にまで伸びているのだが、真っ赤なユリのような大きな花が水面・水中に落ちている。 咲いているのではない。咲き終わって落ちているのだ。葉も蓮ではない。こんな植物は見たことがないし、わざわざしぼんで落ちた花を描いたタイルも見たことがない。 そして水中には見たことのないコイ科の魚が白目をむいて底のほうでひそんでいる。泳いでいるのではない。あくまでひそんでいる。 このタイル絵のミニチュア版(1枚のタイルに水草と落花と魚が小さくプリントされたもの)は、カラン上部の壁にもところどころにはめられている。 上がって、番台のバーサマにこのタイルは何かと尋ねてみた。 「イタリアのタイルなんです」とのこと。20年ほど前に改装したとき、ジーサマがこのタイルを選んだのだそうだ。 俺ごときの凡人を遥か彼方へ置き去りにするハイセンスというほかない。 不思議なタイルに首をひねりながら入るお風呂。これもまた個人経営銭湯の楽しみどころなのね。 (2012年6月) |
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新双葉温泉
阪急電車の三国駅から三国橋を渡って神崎川沿いに右へ折れ、狭い路地をクランク状に曲がったところに忽然と現れる下町銭湯。 まずもってそのロケーションが渋いねぇ。 (左)文字が浮かび上がる (右)読めますよ、水ぶろアリね! 大阪伝統の凸型玄関を入って下足室を過ぎ、中へ入ると番台にオヤジが座る。 前栽部分は脱衣所が押し広げられ、トイレ・ドレッサー・マッサージ器などが置かれた昭和中期の中普請仕様で、脱衣箱も古いものではない。 が、イニシエ物品も随所に残っていて見どころは少なくない。 まずゲージツ的な木製番台。その向こうには女湯側の天井の隅に、提灯が飾られた立派な神棚が見えている。浴室入り口の手前には、細い桟と摺りガラスでできた渋い欄間。天井は化粧板だが昔ながら系の雰囲気でよい。 なにより注目すべきは、男女の仕切り壁上部に飾られた鯉の柄のエッチングガラスだろう。この鯉ステキ。ほしい! 浴室はタイル中心。主浴槽は深・浅・デンキ・ジェットに区切られ、その両脇に水風呂と薬湯(この日はラベンダー・カモミール)がある。湯船のフチには石が乗っていて、お湯は熱め。寒い冬には嬉しいねぇ。 でも奥のサウナは「とうぶん休止中」。 ホカホカで上がったら、飲み物のほかアイスもあり。 激レトロというわけではないが、脱衣所中央にはタタミ台と新聞・雑誌があって、昭和な風情の中でボーっとできる路地奥の銭湯。こういうところももはや貴重だ。 (2011.1.13) |
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豊南温泉(廃業)
阪急庄内駅から東へ徒歩10分くらい。豊南小学校の真ん前にある。学校帰りに風呂入って帰れよボウズども。んなことない。 見た目が素敵にカンロクね。凸型玄関の背後に凸型看板建築の前方後方ダブル突出型古墳。古墳やない。 んでその凸部分にネオンの温泉マークと緑の謎ラインが賑やかだ。左右前栽の緑と見事にマッチしている。 ちなみに温泉マークは夜になると光る。背後の屋号ネオンは光っていなかった。タマ切れたんかも。んなことよろし。 中に入ると番台式の古典スタイルだが、改装されて古くささはない。 浴室はわりとコンパクトながらも、中央ズドーンの主浴槽に続いて各種浴槽が揃う充実系。 なんといっても目がクギづけになるのは、お湯の中にマッサージ椅子がじゃぼんと浸かっていることだ。これ神戸のふじ温泉にも以前あったけど、改装で撤去されてさみしい思いをしていたんだよ。あーモミモミ。 水風呂とガラス張りの露天風呂が並ぶ奥壁には、全面にタイル絵がある。全面といってもサウナで半分削られてるけど。紅葉しはじめの微妙な季節の森の中を豪快に流れ落ちる滝の絵柄だ。 内部のイニシエ度はさほどではないが、タイル絵を見ながら各種風呂を楽しみ、湯あがりに裸で庭を眺めながらコーヒー牛乳いっとくという正しい銭湯スタイルが楽しめる。営業時間の長さも嬉しいねぇ。 (2012年5月) |
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延命湯(廃業)
手塚治虫の通った銭湯、健在! 阪急宝塚線の曽根駅、岡町駅、どっちからでも徒歩10分ほど。阪急バスなら国道176号線の南桜塚1丁目バス停から徒歩2分。 入り組んだ路地の辻、瓦屋根の平屋がじつに渋い。正面は無骨ながらも味のある肌色モルタル造り。 玄関ヒサシ下の光り輝く屋号がまたオイデオイデをしやがるぜ。 (左)なんとも引力 (右)赤文字と赤テープ補修がめでたい 暖簾をくぐると玄関床は細かな郷愁タイル張り。中に入ると番台がまた泣かせるやないの。 脱衣場はこぢんまり空間だが天井が高く、中央に木製3枚羽、男湯側に金属製4枚羽の激レトロな扇風機が俺を見つめているぞ。どういうわけか古い木製のほうだけが今も動くらしい。 それ以外はこぎれいに改装されていて清潔感高し。 (左)これぞ番台 (右)ダブル攻撃 浴室は改装されて古さはなく、ピカピカでゴキゲン入浴だ。かわいらしい花柄タイルなどもあってニコニコね。 タイル張りの湯船は男女隔壁に沿って、薬、寝ジェット、浅気泡、深、デンキと並んでいる。寝風呂の背中曲面の極楽度に感涙だ。 出入り口の左右に水鉢と立ちシャワーあり。 にぎやかな家族連れが出たあとは貸し切り状態となった。 隅々まで磨かれた小さな浴室に、店主の愛情を感じずにはいられない。 上がって聞くと、改装時に大黒柱を見たら「昭和4年」と書かれていたというから、ピカピカなのにメッチャ歴史的な建物なのね。 ご主人によると、豊中出身の手塚治虫は宝塚へ引っ越す前はここから100mほどのところに住んでいて、この銭湯にも入りに来ていたという。 なんと、ここは手塚治虫の湯だった! 2010年には手塚マニアによるイベントもこの脱衣場で行なわれたらしい。 手塚ファンは世界中にゴマンといる。ちょっとは手塚風呂にちなんで宣伝するとか飾るとか屋号を鉄腕湯に変えるとかしたらどうかと思ったりもするが、そういう邪心をいっさい見せない潔さもまたこの銭湯の魅力でもあるかもしれん。 ともあれ、手塚ファンは行かねばウソでしょう。とってもやさしげな経営者ご夫婦の人柄も素敵。 曽根駅から歩く場合は、東口を出て東光院(萩の寺)を左へ、閑静な住宅街を進んでいくと右手奥に煙突が見えてくる。 岡町駅からなら東口を出て商店街を進み、原田神社前から右へ右へとずれていってゴチャゴチャっと路地を抜け、迷子になった頃フイに煙突発見だ。 (2011.10.9) |
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幸福温泉
阪急蛍池駅から空港方面へ、モノレール高架に沿って数分歩いて左へ路地をシュッと入ったとこらへん。 パッと見、若干くたびれた感も漂う地味な昭和的銭湯が現れる。 (左)外壁けっこう傷んでます (右)玄関 (左)玄関の細かいタイル (右)このへんの昭和な感じ 中へ入ると番台におかみさんが座っている。 広い脱衣場だ。庭に外便所(きれいな水洗)がある伝統的な配置。 天井はいわゆるデコラだが、格子状になっていて、しかも格天井とは逆に四角が浮き出ていてちょっとおもしろい。 古い男女仕切りに魚のすりガラス絵もあって、一昔前の落ち着いたムードにひたれますやん。 浴室もけっこう広い。 入ってすぐに、青と白の星形みたいな柄のタイルが貼られた横長の壁(胸高)が行く手を阻む。そこに横長の水鉢が作り付けられている。 こいつは、これまでに見たどの水鉢よりも横長やぞ。横長チャンピオンの水鉢発見! その右手に立ちシャワー、左手に水風呂があって、水のヒエヒエ関係は万全だ。 浴室の真ん中に深風呂があり、奥に浅ジェットと気泡&電気がつながっている。 手前はフチ石ノセだが、電気湯と気泡の仕切りなどは細かい長方形タイルがびっしり貼られていて、なかなかの味わい。 奥左に乾式サウナが無料! 4人は楽に入れる広さがあり、具合もよい。ラジオで野球がかかっている。 ふーむ。実用的で快適ながらレトロな風情もあるナイス銭湯やんか。そこそこ客も来てるし。 上がりは番台がおやじさんに交替していたが、そんなにお歳ではない。まだがんばってくださるのではないかと期待! 中に入ったらすごくエエのに、外観で損しているお風呂屋さんはけっこうある。レトロさを活かしたsmall changeで銭湯ビギナーにもアピールしてほしいなー。 (2013.7.16) |
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ねぼけ温泉
何を隠そう元茨木市民の俺だ。でもここは行ったことなかったな。 阪急の総持寺駅を出て徒歩5分。商店街を右へ折れてまもなく、用水路にかかる橋のたもとに銭湯あり。 ねぼけ温泉とはまたねぼけたネーミングを、と思って隣を見ると「ねぼけ寿司」がある。両者は2階部分が渡り廊下で癒着して、ねぼけ横丁を形成している。 でも残念ながら寿司屋のほうはシャッターが掲示板化していて、もはや営業していないようなケハイ。 手前ねぼけ寿司、向こうがねぼけ温泉 でそのねぼけ温泉、玄関まわりの外観は小林亜星に思わずハメラレてしまいました的に無表情なパッとサイデリア壁で俺には残念なわけだが、これはねぼけ温泉がねぼけてたせいではなく、亜星の実力がすごすぎるのだから仕方がない。あの歌には一時期みんながやられてしまったんだ。 気を取り直して暖簾をくぐると、意外に銭湯古来の風合いが残っていて、ちょっとほっとさせられる。 このあたりまではさすがの亜星も手を出せなかったらしい 戸を開けて中に入ると、亜星の悪夢は完全に払拭された。えーやん、この雰囲気! 番台は妙に低いが妙に幅が広くて、大阪では珍しい形状をしている。 わりと広々した脱衣場は、白壁に木の柱や梁が映えるイニシエ系。全体のレイアウトも前栽に外便所スタイルという古来の姿だが、きれいな洋式便器が嬉しい。 ロッカーはアルミであるものの、男女壁側ロッカー上をどっしり固める重厚な緑色の石に味がある。 いちばん目を引くのは、脱衣場と浴室が完全に別棟になっていて、その間に中庭と廊下がある構造。これは大阪では珍しい。 廊下手前の上部には、松の木に鳳凰のすりガラス絵がある。廊下の床や流し台には昭和の小石型タイルがびっしりだ。 中庭には樹木が生えて池があるが、池に水がないのが残念ね。 浴室に進んで、さらに俺的なヨロコビに包まれた。 どまんなかに、楕円形を半分に切ったような形の深浅主浴槽がデーンとある。細かな豆タイルがびっしりと張られているが、へりはウグイスのフン色、側面は黄土色と、現代の大手工務店では決して採用されない渋い色合いだ。 湯船の中は気泡もジェットもなくシンプルそのものだが、深風呂はたっぷりと深く、熱めのお湯がなみなみとあふれる豊かな情景がまことにもってよろしい。 浴室の床も細かな角タイルを組み合わせた柄が懐かしい。カラン下の台の青い丸タイルもナイス。 奥に、ちょっと不思議な副浴槽がある。巨大な棺桶型で、これには湯舟まわりの腰掛段が存在せず、大きくまたいで入る。 その半分はジェットが2本噴出しているが、湯の温度などは主浴槽と変わらず、他に何の仕掛けもない。でもまあ、ここもお湯なみなみドバーやからエエ。 古いスタイルの浴室で、出入り口付近に若干陥没して排水が悪い部分があったりもするが、意外に思えるほど全体的に隅々まで磨かれていて、たいへん気持ちよく入浴できる。 水風呂はないが入り口脇に水鉢と水シャワーがあってOK。 うーむ、あまり期待してなかっただけに新鮮なヨロコビ。気に入ってダラダラ長湯しちゃったよ。 他客もそのようで、近代的設備は全然ないのにけっこう繁盛していた。 これで外壁を亜星サイデリアからちょっと和風に改装し、中庭をライトアップして鯉でも泳がせ、奥の巨大棺桶風呂を薬風呂にすれば、お客が3割は増えるであろう。まっちゃんの予言。 (2011.3.27) |
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百萬石温泉(廃業)
JRでも阪急でも行ける摂津富田。旧村の古い集落を南東へ抜けると、やがて昭和40年代ごろに田んぼを埋め立てて宅地開発しまくりました的なまちなみになる。 そのやや奥まったところに、屋号看板の欠けた昭和な面持ちの銭湯あり。駅から徒歩10分ちょい。 暖簾をめくったら・・・ムム!? ムムムムム! (左)煙突にもりりしく屋号 (右)伝統的な玄関正面 (左)下見て驚愕! (右)拡大 なんとなんとまあ、ここまでカラフル細かい床は見たことないぞ! もしかしてこれ全部ランダム張りか? いつまででも眺めていられるぞ! いやー、まいった。 正面の木彫り屋号と鯉もなかなかのもん この時点でもう料金分を取り返したな。ってまだ払ってないか。 中に入って番台のおやじさんに拝観料を支払う。 ゆったりとした脱衣場は、高度成長期的な新建材づくり。天井もツルンとしている。 でもなんやろ、昭和のなごみ感というやつか、使われなくなったインベーダー機みたいなのもあるし、あのころのまま止まってるぞ。 そう、本当にレトロな文化財的銭湯よりも、俺にとって懐かしいのはこういう感じやねぇ。 浴室も昭和中期の改装テイスト。 入ってすぐの水鉢の上に変形プランター装飾が乗って、細かい丸タイルびっしり。プランター上は桶置き場と化している。 湯船は中央に深浅の主湯、へり石ノセ。浅の底には親子のタイル鯉がいる。 奥にジェットと薬湯(じっこう&気泡)、さらに奥壁掘り込み式デンキ風呂の壁には、オランダ風車のモザイクタイル画がある。 湯船のへりやカランまわりなどは、最近では使われない細かなタイルが色とりどりに使われていて、ちょっと見ものだ。 六角形と楕円のあいのこみたいな形状の柄入りタイルが多用されていて、地味ながらも浴室全体に表情と色彩が感じられる。 水風呂とスチームサウナもある。俺的にはじゅうぶんな長風呂設備だ。 特筆すべきは、それらの設備がみな力いっぱい働いていることだろう。 深風呂はしっかり熱め、ジェットは勢いキツく、デンキはちょうどええ按配、薬湯はぬるめで豪快気泡、水風呂はカッキンコンに冷え冷え。スチームサウナは強力で、きれいなスノコが敷かれて快適。 昭和なつかし系銭湯の場合、設備のいくつかは古びて機能が弱まったり調子がおかしかったりすることがままある。しかしここではすべての設備が絶好調状態でお客をもてなしている。マメなメンテの賜物だろう。めっちゃ好感度! 特別な激渋銭湯というわけではないが、昭和の味わいを保存しつつの快適設備、タイルも楽しいくつろぎの時間。エエお風呂屋さんやわ〜。 (2013.5.23) |
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大阪・京都府境の島本町は名水の里として有名だ。サントリー山崎工場もある。 府境上に位置するJR山崎駅の駅前は京都府だが、離宮八幡宮から西へ行くとすぐに大阪府に入る。サントリー工場を右手に見ながら5〜6分ほど歩き、コンビニ手前の角を左折するや、でーんとご登場。 むおっ、このすばらしき伝統的外観! 歴史がありそうだが、ボロい感じはしない。水質も含めて期待感爆発。 なかなかの貫禄 暖簾をくぐって下足室、ゆったりスペース。 戸を開けると番台におやじ。ほう、脱衣所も広いなあ。内装は下足室とともに高度成長期的合板で改装済みだが、松とあじさいが茂る前栽も広めで風情よし。 ロッカーのサイズがでかい。傍らには長方形のプラ籠が並んでいる。おっとぉ・・・これは籠ごとブチ込む京都式やん! 怪しいとは思ってたんだが、島本町ってやっぱり京都だったのか。市外局番も075やし。兵庫県における尼崎のような存在だな。 ともかく浴室へ。ここも広々しているが・・・で、出たーーっ。奥壁上部の端から端まで、男女ぶち抜きで横長の立派なタイル絵だ。男女境の位置に富士山がそびえ、左右は湖で帆掛け舟や東屋などが描かれてある。 フルチンのバカヅラでホォーっと見とれる大きさ美しさ。やさしい色合いが精神的なコリをほぐしにほぐしてくださいます。 浴室内も、一見して京都風。カマボコ天井に大きく湯気抜きが開き、男女隔壁沿いに並ぶ湯船の周囲には座り段がない。主浴槽は一部が半円形に突出した深浅(一角が電気風呂)で、その奥に浅い気泡風呂と、座浴ジェット2連。 湯舟のへりには、福知山の桜湯的なミニサイズの長方形豆タイルがびっしり張られている。その他のタイルも京都銭湯的な色柄・大きさだ。 さてと。ここは水質に期待大なのだ。どれ、まずはかかり湯と・・・うほっ、これです、イキイキとやわらかな肌ざわり&地下水のいい香り。嬉しいねえ。湯温はちょいぬるめだな、41度台。 さらに嬉しいことに、出入り口の左右にスチームサウナと水風呂がある。スチームサウナは4〜5人サイズで、かなり強烈。こいつで蒸しては水風呂ザブンの繰り返しで昇天だ。水風呂から遠くに眺める富士山がまたよろし。 あ〜、ええよぉ〜、ものすごええのよぉ〜。 あがりは飲み物いろいろあり。 日曜日の夕方5時ごろ、お客は常時7〜8人が回転していた。建物渋いわ内部は広いわタイル絵あるわ水質ええわスチーム強力やわ。こんなのが近所にあったら通うねえ、間違いなく。 (2005.9.11) 前には車も数台置ける ※2012年1月、ふろいこか〜ラジオに登場! |
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