関西の激渋銭湯
チープに極楽。生きててよかった!
【涙の廃業】大阪府南部の激渋銭湯
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桜湯 (岸和田市) 2010年廃業
大姉湯 (堺市) 
2008年廃業

大阪府北部の廃業銭湯
大阪市内(2008年以降)
大阪市内(2007年以前)
営業中の大阪の激渋銭湯 大阪市 堺市 北摂 河内 泉州

桜湯

2010年、廃業された模様。
レポートは営業当時のものです。


岸和田市紙屋町1−1
0724-23-4985
【営業時間】 15:30〜23:00
【定休日】 土曜日


 南海本線岸和田駅を海側へ出て、徒歩10分ちょいかかるかな。正面のアーケード商店街を歩き、五軒家町交差点で左折。堺町交差点を超えて岸和田本町で右に入って200〜300メートルほど行くと、街角に小さな銭湯がひょっこり現れる。
 この、なんともいえない横丁の風呂屋感が実によろすい。この銭湯の最大の魅力はそこですな。

 

 
(左)横から。右が脱衣所、左が浴室   (右)煙突は途中までレンガ四角柱、上はステンレス製

 暖簾をくぐると狭い下足室。おや、正面には浴槽の底で泳いでいるはずのタイル鯉が。

 こんなところで何してる

 戸を開けると番台には50歳代おかみ。狭い脱衣所は味気なく改装済み。ただし便所は汲み取りのまま。

 浴室も全面改装で古さはまったくない。小さいながらもなかなかの設備だ。
 まず、奥にぬるめの薬湯があり、「今日はレモン風呂」と表示しつつ漢方系入浴剤(布袋なし)という騙し絵テクニック。
 そして男女隔壁沿いに電気(ゆるめ)、深、浅(ジェットつき)、小さな水風呂と、サウナ以外は一通り揃っている。この狭さでこれだけ揃うのは珍しい。

 鄙びた外観に似合わず浴室全面改装というのは、僕としてはちょい残念。
 でも、この近辺はちょっと前まで銭湯密集地帯だったのが最近ほとんどつぶれたようで、その中でここが生き残ったのは、この改装があってのものなんだろねえ。
 座り段などに丸い豆タイルが多用されているのが僕的には救いだ。

 平日の夕方だが、地元オヤジらでけっこう繁盛していた。あがりは飲み物もそこそこ揃っている。  
(2004.10.29)
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大姉湯

廃業されたもようです。
(2008年)
レポートは営業当時のものです。

堺市神石市之町238
0722-61-8990
【営業時間】 16:00〜20:00
【定休日】 毎週日曜日


 来たがな〜〜。おばあちゃんの家系ミニ銭湯だ。

 当HP読者のTackyさんという方から先月こんな情報が寄せられた。

 先日行ってきた銭湯が印象深かったのでメールした次第です。
 
特徴は、
  1、とにかく小さい(私の入った中では最小の部類)
  2、田舎の銭湯?のような雰囲気
  3、設備が古い(ボロい?貴殿の言うボロ銭かも)

 Tackyさんによると、この屋号は「だいしゆ」と読むらしい。
 ともかくこれはじっとしておれません。さっそく堺へと向かう。JR阪和線の津久野駅から北西に1kmちょい。
 交通量の多い府道30号に面しているが、その立地がじつはスゴイ。今をときめくスーパー銭湯「祥福の湯」から20bくらいしか離れてない!

 屋根はチープなアスファルト拭き。「外観重視」をヒソカなるポリシーとする本コーナーとしてはやや物足りない。
 でも見るがよい、この石橋および玄関の風情。

 
(左)石橋を渡って・・・  (右)隠れているが下駄箱下のタイルも渋い

 
(左)そしてこの正面タイル!  (右)靴を脱いだらもひとつ暖簾。戸は開け放たれている

 コンパクトな下足室からさらに暖簾をくぐると、年季の入った木の番台。湯銭は320円と、大阪協定料金より40円安い。

 
低い番台に気さくなおかみ

 でこの脱衣場。板の間に木のロッカーがドンと置かれており、木のぬくもりに満ち溢れているんだが・・・せせ、狭い。
 これは確かにTackyさんの言うとおりの極小サイズだ。

 
(左)言わずもがなの漢数字  (右)つるんつるんの板の間。脱衣場はほぼこの幅です

 浴室の戸を開けると、プーンとほのかないい香りが漂う。むっ、これはまぎれもなく薪を燃やすにおいだな。
 こじーんまりの浴室は、これまで訪れた中では鳥取県倉吉市の大社湯に次ぐ小ささ。床はもちろん石畳、スキマにタイルがはめこまれている。
 湯舟も当然のごとく御影石の深浅2槽、しっかり磨かれている。
 深いほうは43度くらいと熱め、浅いほうは40度くらいか。この規模でちゃんと湯温に差がつけられているとは感動だ。こないだ行った某日帰り温泉施設なんか、いっぱい湯舟があるのに全部同じ湯温だったし。
 暑い夏に熱い湯。じつはこれがものすごくキモチええ。

 
ザッツ・オール・・・エンダイラヴユー。

 手前にカランがいくつか並ぶが、その部分は新しいタイルが張られている。天井は男女それぞれ四角錘に湯気抜きが開いている。
 早い時間でもあり、小さい空間ながらも明るくて清々しい。この日同行した堺市在住の湯友・ヒゲヤ氏が、湯舟に浸かりながらポツリとつぶやいた。
 「・・・すばらしい」

 湯上がり、玄関も窓も開け放たれ、扇風機のまわる脱衣場のたまらない爽快感。そしてとても市街地にあるとは思えない田舎っぽい脱力系フィーリング。
 さらに、こんなに小さいお風呂なのに、ちゃんとドリンク販売もしている。嬉しいねえ。

 おかみさんによると、ここは循環装置を設置していないという。
 なんと、驚愕の掛け流し銭湯だったのだ! 水を注いでは、どんどん薪を焚いて沸かす。湯はもちろん毎日すべて入れ替える。
 最近は掛け流し温泉でも塩素投入が問題になっているが、この大姉湯では塩素投入もなし。
 「保健所の人が検査に来て、塩素が検出されないと言うんだけど、そりゃ入れてないんだから」

 しかもこの時は我々以外にお客はおらず、はじめからしまいまで貸切だった。経営的には厳しいだろうが、お湯はピッカピカ。そして薪で沸かされた湯はあくまでやわらかい。
 つまり、そのへんのバカ混み日帰り循環温泉よりもずっときれいでいい湯かも。

 スー銭に押されて厳しい状況ながらも、このお湯を守っているほがらかなおかみさん。小さいがきれいに管理されている(決してボロ銭ではない)、気持ちのいい郷愁のお風呂。

 みなさんに言うべき言葉はただひとつ。
 泣きなさい、笑いなさい、そして今すぐ大姉湯へ行きなさい。 
(2004.7.1)
 
(Tackyさん、情報をありがとうございました)
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